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非冷却カメラで温度管理をしながらダークファイルを撮るという妄想

天体写真の冷却機って一度は使ってみたい機材だよね。しかし、問題はお値段だ。APS-C以上の大型センサーを搭載したカメラは、まぁ、ちょっと控えめに言って高い。フルサイズ冷却カメラなら50万円はするし、1型センサーカメラでも10万円はくだらない。冷却カメラは高いのだ。

冷却カメラのいいところは、(1)センサーを冷却することでノイズが少なくなる、(2)処理エンジンを通さないから真のRAWが取得できる、(3)カメラ温度を一定に保てる、というメリットがある。

メリットの(2)は、私の場合、そこまでメリットを感じない。私がメリットとして感じるのは(1)と(3)を組み合わせて、きちんとダーク引きができることなんじゃないかと思ってる。

一方で、きちんとカメラの温度にあったダークが引ければ、冷却カメラは不要なんではないかともちょっと思ってるんだ。しかし、カメラの温度を一定に保つことは難しいよね。でも、カメラの温度を一定に保つことができて、ダークファイル(あるいはダークフレーム)を撮影できれば、冷却カメラを買わずに済み、コスト的なメリットを大きくできる。それができるなら、ぜひやってみたい。

実際、非冷却の天体改造カメラに目を向けてみると、ヤフオクでフルサイズの6Dの中古が6万円くらいで出ている。APS-Cのx7iの中古なら3万円台で買えちゃう。つまり、新品の天体用冷却カメラと中古の天体改造非冷却カメラでは、値段に10倍近くの開きが出てくるわけだ。

ダークファイルを撮影するときのカメラ温度の管理さえできれば、ライトフレームを撮影したときの温度に合わせてダークファイルが撮影できる。そしたら、温度差を気にすることがなくなるし、大型センサーカメラを天体撮影で常用できる。うーん素敵。

でも、どうやって非冷却カメラの温度を一定に保つのか。これが難しい。冷却改造しちゃうという手もあるんだけれど、最近は改造やさんを見かけないし、改造できても高い。自分で改造するのもハードルが高い。うーん難しい。

で、ASI AIR Miniを使っていたとき、ASI AIRのアプリに表示されていたカメラの温度を見ていて、ちょっとひらめいた。温度は数値で把握できると。たしか、ライトフレームのファイル名にも温度を記録できたんじゃなかったかな? だったら、その温度でダークを撮影すればいいわけだ。じゃあ、どうやって? 冷温庫を使ってみるのさ。

冷温庫は、冷蔵庫と違って、ものを冷やすだけじゃなくて、温めることもできる。冬はホット、夏はクールにしてドリンクの温度を管理できちゃうっていうのが本来の使い方。ドリンクの温度が管理できるなら、カメラの温度だって管理できるでしょ?

つまり、冷温庫のなかに、カメラとASI AIR、モバイルバッテリーをぶちこんで、ライトフレームを撮影したときと同じ温度に設定して、ダークファイルを撮影したら、温度差なくダーク引きができるんじゃないかってことなんだ。

Amazonで冷温庫を探してみると、-9℃〜60℃で温度管理できる機種があったよ。前回の遠征では、気温が -6℃だったので、気温の再現はできそう。お値段は約16,500円(楽天が最安か!?)。冷却カメラを買うことを考えれば、十分に安い。

ダークライブラリを構築したら、本来の目的で使っちゃえばよいしな。試して見る価値はあるんじゃないかなと妄想している。さて、どうしよう。どなたかすでに、やってらしてもいいようなものだとは思うのだが…。

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この記事へのコメント

  1. 毎回温度合わせてダーク撮るって苦行さえ我慢できれば行けそうですよね (^o^)
    問題は夜の間の気温変化かと思ったけど、数度の変化ならカメラの温度測定誤差もあるだろうし大丈夫かな?
    どっちかと言えば撮影中に、夏は冷たい物、冬は暖かいものを飲食する用途の方がシアワセになれそうな気もしなくもないですね (^o^;

    • 気温変化は記録できるはずなので、問題ないように思いますが、冷却と比べると温度管理作業が面倒くさそうですね。

      そもそもダークの温度は、そんなにシビアじゃなくてもいいという話もあるので、帰り道に車のトランク内で撮っちゃえばそこまでダークにこだわらなくてもいいかと思いながらも、冷却カメラが欲しくなるんですよね…。

      車に冷温庫を積んで、飲み物を常備しておくと、幸せかも。一台買っちゃおうかしら ^^

  2. これ、同じようなのをお仕事(室内)で使ってますーー。
    温度計を入れて計測したことはありませんが、温度設定はかなりアバウトかなという印象です。
    ほぼ1年じゅう電源入れっぱなしで、加温機能が1年足らずで壊れたのが3台。
    冷却のほうは5年で1台壊れました、冷やすほうが長持ちするみたいです。
    5年まえは1万切ってたのに、ずいぶんと値上がりしましたねえ。。

    • めりーさん、同じようなものをお使いなんですね!

      なるほど、温度設定はアバウトで、電源いれっぱなしだと壊れやすいと。しかも、1.5倍以上の値上がりですか…。

      壊れやすいというのがちょっと気になりますね。ありがとうございます。ちょっと考えます〜。

  3. 冷却CMOSは高いよね。とくに大型は。
    いま、カメラ界隈でLUMIX S5Ⅱが話題で、話題の主役はパナ初の像面位相差AFだけど、
    値段設定もそれに花を添えていると思ってる。

    >ちょっと控えめに言って高い
    そんなところで”控える”なよ。
    大げさに、堂々と、大声で。 ^^ソコントコロ ヨロシクゥ

    • LUMIXの新製品ですか。α7R Vとかで50万円の声を聞くようになると、金銭感覚が麻痺してしまって、フルサイズが20万円台ならリーズナブルだなぁとか思ってしまいます。だったら、ASI2600MC Proを買ってもいいんじゃないかとか^^;
      天体写真もそうですが、カメラって金のかかる趣味ですね。機材がものをいうとしたら、そもそも入門するのに気が引けるし、ステップアップできなくなってしまいそうです…。

  4. 私は・・・似たような温冷蔵庫をハードオフで〇千円で買いました。
    以前、デジカメを冷却改造してた時に、そもそもペルチェ冷却とは何ぞや?
    ジャンクを買って分解・調査目的で。
    冷やすことは熱雑音的に絶対有利と信じています。
    でも、結露対策のハードルは高かった・・・
    センサー温度を恒温化することがどの程度メリットがあるのかも非常に興味あります。

    ついしん、明けました、オメデトウゴザイマス!

    • i*matさん、今年もよろしくお願いします!
       分解してペルチェを取り出されたのですね。カメラの温度はあんまり気にしたことがなかったのですが、遠征地だと冬場は0℃前後で撮影できるとして、夏場は20℃前後になるでしょうか。うまくダークファイルが撮影できるのでしょうかね。i*matさんにご関心おありなら、やってみるしかないかなぁ。

  5. こんにちは!
    なかなか良いアイデアですね〜。
    面倒ですが、事前に◯度〜マイナス6度の間で1度毎にダークライブラリーを作成してしまえば、あとは飲み物用に使えますね。

    • KENさん、ありがとうございます〜。冷却カメラなら5℃ごとでライブラリが作れそうなところ、1℃ごとに刻んで露出時間1,3,5分などをマトリックスにしてライブラリーを作るとなると手間は手間ですよね。やってしまえば、あとは楽ちんと。3Dプリンタの設定も同じですね^^

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