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プライム・ニュートン計画(2)くるくる回るフォーカス機構(その1)

直径76mmの凹面鏡を目の前にして、どう料理しようか考えあぐねている。76ミリって中途半端な数字だなぁと思ったけれど、これって要は3インチなのか。3インチは小さいけど、うまく作れれば面白いだろうな。

プライムニュートンの詳細な設計図(下図)の説明は、前回のとおり。なので、まずは、フォーカスの仕組みから考えるとするかね。

最初は、カメラを設置するスパイダーにフォーカスの機能を持たせようと思っていた。BORGの直進ヘリコイドSを流用すると楽に実現しそうだったんだ。ただ、直進ヘリコイドSの外径が最大44Φある。76mmの口径に対して44mmだから、中央遮蔽率は57%になってしまう。5インチ(127mm)の鏡なら34%程度なので許容できるけど、3インチの鏡では厳しい。ということで、このアイデアは後に取っておくことにした。

今回は主鏡にフォーカス機構を持たせることを考えてみた。ちょうど、シュミカセのように、主鏡がくるくると回りながらピントを合わせるイメージ。クマさんが回していたやつだな。くるくる式は、賢くいうと「主鏡移動式」となるらしい。

「くるくる回すだけだし、作るのは簡単そうだな」。その甘い考えが、後の悲劇へとつながるのであった。

まずは鏡を置く台の製作から。円をスケッチして押し出すだけの簡単なお仕事。ルンルン気分で印刷にかかる。できた! これが中華料理のテーブルのようにくるくると回るはずなんだ。

しかし、内径を76mmに合わせたが鏡がはまらない。どうも鏡の下のほうが少しデブっているらしい。77mmに寸法をなおして、ちょうどぴったりに収まるようになった。両面テープもいらないくらいしっかり食い付いている。いいじゃないか。

裏側には、M8のネジをねじ込むナットを埋め込んだ。ここにノブをねじ込む。

ノブ付きのネジを接続したところ。上の写真のナットとは別に、もう一つのナットをネジに通している。2つ目のナットを持ってノブを回すとくるくる回るようになって、鏡が前後する。いい感じじゃないか。

見た目は綺麗で、幸先の良いスタートのようにも思えたんだが、そうは問屋がおろしてくれなかった(涙)

プライム・ニュートン計画(1)はじめるよ
けむけむ編集長に「あ、例の望遠鏡の連載ね、10回は頼むよ」と言われたので、がんばる。「例の望遠鏡」というのは、「ニュートン式の副鏡いらなくね?」の記事で紹介した、斜鏡(副鏡)のないニュートン式反射望遠鏡のこと。その望遠鏡の製作記を10回の連...

この記事へのコメント

  1. ネジの遊びというかガタが酷いのではないでしょうか?

    今日も天気が悪く、Stellarmateの勉強してました。疑問があるたびにネット検索してましたが、辿り着くのはニャアさんのブログかリンク先のブログばかりです。先人の知恵(つまずき?)のお陰で随分楽できそうです(感謝

    • KENさん、ご名答です! ある程度ガタを吸収できるかなと思っていたのですが、だめでした。反射望遠鏡の作り方のブログやホームページを探しても、自分のほしい情報が出てこないので、今日もこうやって、つまづきを記録しています(笑)Plan B発動中ですが、これもうまくいくのか、いかないのか。

  2. なんか大変な感じですね… (^o^;
    均一かつスムーズに後ろから押し出す…
    押し出すと言えば、ところてんです!鏡の後ろにゲル状の何かを重点してチューブを介して注射器で押し出すのです!
    実現したら画期的なぬるぬるフォーカシングが実現しますが、その前に全身ベトベトになってキモチ悪くなっちゃう気もします…

    • けむけむさん、想像どおり、うまくいきません(笑) 注射器式? ところてん式? ローション式?面白い機構だと思います! 実際のところ、油圧式ってこれなんですかね? 仕組みを理解したら、一度、やってみたいと思います!

  3. 誤字ってしまいました…

    • これが世にいう、編集長の夜逃げ….なのか?

  4. 旋盤などではバックラッシュを調整する手法としてすり割りナットを使いますよ。
    ググってもらうとどんなものか分かると思いますが、少し長いナットに割れ目がありその間隔を調整することで遊びを減らすというものです。
    全く遊びが無くなるとネジとして機能しなくなってしまいますが有効な手段だと思いますよ。
    すり割りナットは手に入りにくいと思うので、2つのナットを使って間隔調整として3Dプリンターで工夫するといいのかも?

    実はこのネタが出た時から合焦機構を考えていました。
    鏡筒内側にガイドレール(溝)を設け、主鏡セルに突起を作りガイドレールに沿わせる、合焦機構そのものはにゃあさんと同じネジによるものですが、この場合、光軸修正機構が少し面倒かな?と。
    そこまででこの案は止まっています(^^;)

    • ひきわり納豆みたいな名前ですね。遊びをなくすためのアイデアですよね。軸受の短さも関係していそうな気もしました。ネジを回転軸として流用しようとしたのが間違いの元だったのかも。

      ガイドレール式のアイデアいいですね! 光軸調整は、カメラ側にもたせてしまえばいいのではないかと思います!

  5. Plan Cとして!アイデアを図で送れないので文字で伝わるかな?

    鏡筒をナット、鏡台(?)をネジみたいな感じ。

    鏡台の稼働範囲だけ鏡筒にして内側にネジ山を作る。鏡台の方は太いネジのように外側にネジ山を作る。3Dプリンターでネジ山の精度を追うと大変なので、そこそこの精度まで追い込む。鏡台の下からもう一枚同じ太さの固定ネジを捩じ込む事でガタをなくす。固定ネジはドーナツのように穴を開け、鏡台にもアクセス出来るようにする。

    PlanBと同じだったりして!

    • >鏡台の下からもう一枚同じ太さの固定ネジを捩じ込む事でガタをなくす。
      この考えはありませんでした!

      PLAN Bは「鏡筒をナット、鏡台(?)をネジ」をベースに進めています。FUSION 360のネジコマンドでオスメスのネジを作っていますが、そのままプリントするとうまくはまりませんね。何個か試作することになりそうです(><)

  6. >そうは問屋がおろしてくれなかった(涙)
    うむ、これで問屋が卸してくれるなら、市販のフォーカサーはもっと安価だと思う。^^ソレガゲンジツ

    あっそうそう、中央遮蔽率って口径比なの?
    よく知らないんだけど、普通こういうのって面積比なんじゃないかな?
    ちなみに面積比だと約33.5%で約1/3ロスするぐらいだと思う。

    • フォーカスは難しいですね!だから高いのか。納得です。遮蔽の件、私も面積かなと思ってたんですが、あるサイトでは、こんな公式が書いてあって、30%くらいが妥当な線だとありました。遮蔽と、中央遮蔽って、違う概念なんですかね?
      遮蔽率=斜鏡の短径/主鏡の口径 x 100

      • いま、ちょこっと調べてみたら、両方あるみたいだ。
        ↓のページの諸元では直径比中央遮蔽率と面積比中央遮蔽率の両方が記載されてる。
        http://www.tele-scorpio.jp/shopdetail/000000000692/ct39/page1/order/
        単に”中央遮蔽率”とか”遮蔽率”と言ったら口径比なのかもしれない。^^ヤヤコシイ

        • 是空さん、ありがとうございます❗両方あるんですね。145mmってデカイ遮蔽だなあって思ったんですが、フルサイズを意識すると副鏡も大きくなるわけですね。私は31.7mmで収まるせめて1inchまでしか想定してないので、小さく行けそうです!

  7. フォーカサーはFUSION360のアドインを使えば減速装置が作れると思うのでデュアルスピードフォーカサーも夢ではないですよ。
    このアドイン、自分は使ったことがありませんが、以前ねこめしさんが自作フォーカサーを作成する際に使用されていたと思います。
    ネジの利用ではなくフォーカサー自体作っちゃえばいいんじゃないでしょうか?
    自分もこの際勉強してみようと思います♪

    • あ、なるほど!ラックアンドピニオンはカメラ側につけることしか考えてなかったですが、ミラーに付けて押し引きすればいいんですね!シュミカセはなんでわざわざくるくるさせるのでしょう?カメラde遊ingさん、冴えてます!

  8. 面積比と直径比って目からウロコの話ですね・・・
    今までF値のこと、R200SSは20cmで80cmだから80÷20でF4.0か、などと思い込みで語ってましたが、面積で語ると、80÷(10^2*π)=F0.25(!)って、メチャメチャ明るい!
    サンニッパなんてどれだけ明るいんだろう!?

    • i*matさん、私も200mmのR200SS(F4)と55mmの55FL(F3.8)だと、55FLのほうが“明るい”というのがどうも解せずにいました。面積で考えると、「お、なるほど!」ってなりますよね。

      mmで計算すると、R200SSが0.025、55FLが0.084だから、R200SSの勝ち(あ、中央遮蔽を引かねばだけれど)って、すぐに分かります。

      そいう指標ないのかしら?  限界等級がそれなのかしら? どっちにしても口径が大きいほうがいいってことですね!

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