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天体写真よりぬいぐるみにときめいたCP+ 2026

実に7年ぶりにCP+ 2026に行ってきたんだ。しばらく足が遠のいていたのは、正直なところ心に余裕がなく、レンズとか三脚とか望遠鏡含む新製品に対してワクワクしなくなっていたから。でも、今回は、あぷらなーとさんの講演を聞きに行くこと、数年の間に写真文化がどのように変化したのかをウォッチしておくことという2つの目的があったんだ。

以下、天体写真機材の話はないよ。CP+の天体写真機材系のレポートはHIROPONさんのブログを参照すべしなのだ。

楽しみにしていたあぷらなーとさんの講演。「HAC125DXを色んな方法で楽しむ」というお題。なるほど、旧モデルと比較して合焦機構が変わっていることととか、星像が大幅に改善されているとこととか、小口径ならではの楽しみ方の紹介とか、すべて理詰めで納得の行く話。

そういう実利の話はもちろんいいんだけどね、あぷらなーとさんの講演は、完成された話芸なので、それを楽しめたのがよかったよ。押すところ、引くところ。ためるところ、吐き出すところ、すべて計算されつくされた40分。それが楽しめるなら、なんなら、焦点距離とかF値とか、スタッキングの話なんて、わからなくてもいいくらいだ。話のテンポに引き込まれて、サイトロンブースから離れたところから聞いている人もいた。ほかの講演も聞いたけど、ぽんぽんとたぬきのおなかをたたいたようなリズムのよい講演はあぷらなーとさんだけ。これはぜひ見習いたい。

講演後にあぷらなーとさんにご挨拶できたことに加え、来場されていたHIROPONさん、Live中継をされていた天リフの山口編集長さんに初めてご挨拶ができてよかった。この趣味を始めて右も左も分からないときに随分と助けていただいたんだよ。本当にありがとうございます。

次の目的。「数年の間に写真文化がどのように変化したのか」って、そう簡単に総括できるものではないよね。でも今年のテーマである「もっと盛れる、毎日も特別な日も」というキャッチフレーズにも表れているように、決定的な瞬間を逃さないという従来のストイックな文化や派手なSNSの映えでは語れない、自分らしい表現や「盛り」を楽しむ世界線が加わったのは間違いないと思うよ。つまり、トイカメラのエモさを含む「作品づくり」に加えて、写真が「コミュニケーション表現」に変容していってる感じかな。

その端緒がいくつかあったって感じだよ。たとえば、会場にはぬいぐるみを「推し活」として楽しんでいる人たちが、自分のぬいぐるみを可愛く撮れるように用意された専用スタジオがあったんだ。ミニチュアセットが置かれたその空間は、かつては新製品のカメラを構えたおじさんたちが主役だった会場だった。

いま、そこで女性や若い世代が真剣にセッティングして撮影する溢れているのは、写真文化が「スペック」では語れない「自己表現・コミュニケーション」へ移り変わった一端のように思えたんだ。しかし、これだけではコミュニケーションが変化したとはいいにくいね。

楽しかったのは、レトロなアナログ感の再発見だったよ。おもちゃ箱をひっくり返したようなカラフルなLomographyのカメラは、フィルムやインスタントのラインアップがあって、撮り方が選べる。どのカメラにするか、性能以外のところでチョイスが楽しめるんだ。こちらも風景をストレートに切り取るための道具というより、自分を表現する手段であったり、人と人との関係性を撮るためのコミュニケーションツールとして筐体がデザインされているような気がする。言ってみれば、Tシャツが自身を主張するコミュニケーションツールとして機能しているような話だな。所有する喜びもあるね。

カラフルなお気に入りのカメラで景色や人を撮るということ以上に、撮って撮られてを一緒にわいわい楽しむ。そして撮った写真をプレゼントし、そこにメッセージを書く。そういう体験が根付いてきてるような気がしたのは、Haninという中国メーカーの「カメラ付きインスタントフォトプリンター」を見たからだよ。

2026年夏、19800円で発売予定。すでにポラロイドとかチェキとかロモとかあるところに新たに参入してくる。抹茶色、卵焼き色、桜色といった個性的なカラーリングのインスタントカメラが印象的。背面には四角じゃなくて円いディスプレイを採用しているところがGOODにゃん? プリンタのフィルムは独自のものらしい。昇華型とZinkの両方があるけれど、Zinkでも発色はよかった。プリンタ単体でも販売があるかもしれない。

単価見合いで買ってもいいなと思った。チェキのフィルムが品薄で入手困難になったのは記憶に新しい話。推し活ブームにもささえられ、アナログ回帰やSNSでの共有需要はまだ伸びそうだね。そこには映えとかSNSの承認欲求ではない、一周回ってリアルな関係のなかで成立する価値をつかもうとしているように思えたんだ。

この記事へのコメント

  1. CP+って…時々紹介されてるのを見ると、最新式の望遠鏡やトガッたカメラやレンズの発表が多いのかな、と思ってましたが、こういうレトロなホッコリする発表もあるんですね・・・

    偶然ですが、最近、フィルム以外にも現像薬など自家処理に必要なアイテムがまだ売られていることを知って、チョッとホッコリしています・・・

    CP+…会場が近ければ一度見に行ってみたいものです。うらやましい・・・

    • 企業ブースにまじって学生の写真サークルもあってですね、リバーサルフィルムを現像した作品やRollei35で撮影した作品を展示していたサークルがありました。なかなか酔狂な学生さんもいるものだと感心しました。
      私は21世紀美術館にまた行きたいです(笑)

  2. C,CP+に若い女性、だ、と!!
    イヤ行ったことないですけど
    カメラ・写真用品ショーとか言っていた頃には何度か行きましたが、若い女性はキャンギャル(死語)だけでした
    天体関係も扱うようになったのですね(参加社次第?)
    何十年かぶりに行ってみたいなぁ

    • 天体関係に関しては、7年前と比べてブランドが増えていた印象です。MEADEはなくなったですが、Vixenさんが手放したCelestronは別の代理店がブース立ててましたし、sky-watcherにAskar,Sharpstarmplayer one,SIGHTRONさんがだいぶがんばってる印象です。大好きなBORGは息をしているのを確認できてよかったです。また、ZWOが冷却機を発売したのが2017年らしいですから、1ブランド・メーカーが育った感じでしょうか。Vixenさんのブースにzwoありました。

      キャンギャルに関しては、ほぼいないですね。モーターショーとかゲームショウのほうが派手です。あ、いや、撮りに行ったことないですよ。ないですってば。

      • 30年くらい前にゲームショーに行きました
        コミュ障ながらキャンギャルに撮影OKか声を掛けたら断られ、
        MSのXBOX試遊台で説明してくれたキャンギャルは口臭がヤニ臭く、
        3次元に絶望して会場を後にしました・・・
        それ以降、キレイなチャンネーは画面の中だけで見るのが良いのだな、と思って生きてます

        • いまのキャンギャルなら、だいじょうぶですよ。SNSに投稿しろよとは言われても、断られることはまずありません。

          ゲームショウの外にはコスプレコーナーもあります。コスプレーヤーに声をかけているお兄ちゃんたちをみていると、あの機材は自分には無理だわ、みたいな装備で来ているので、コスプレーヤーさんに声をかけられませんでした。

          そう、なんですよ。画面の中で見るのが良いですね。

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