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CP+2019で「ポラリエ・U」を見てきたよ

CP+2019のビクセンブースで、ひときわ注目を集めているのが参考出品されている「ポラリエ・U」なんじゃないかと思う。名前が示すとおりポラリエの後継機と目されている製品なんだけど、見てくれからしてまったく違う。この子のことが知りたいがためにCP+2019に行ってきたよ。ちなみに買い換えるつもりはない。えっへん (`・ω´・)

ビクセンは今年創業70周年の節目とあってか、なかなか立派なブースに仕上がっていたよ。星景写真の撮り方や製品説明のセミナーが連日行われているのが良いね。星景写真の撮り方セミナーは超人気でした。

どんな新製品が展示されているのかは、ブログやニュースでだいたい分かるので、実物を見たいのでない限り会場にわざわざ足を運ぶ必要はないわけなんだけど、私の場合は、ビクセン研究開発部、加島信次さんのセミナーがなかったら、CP+には来てなかったと思うんだ。人の話を聞くのは面白いよね。

セミナーに先立って、展示されていた「ポラリエ・U」を見てみた。カマボコみたいな形をしている。カメラ型をしている現行ポラリエの後継機のようには見えない。スカイメモSとTを足して2で割った感じ? スマホから制御できるあたり今っぽい。はやくセミナー聞きたい。

現行のポラリエステップアップキットと互換性があって組み込めるようになっているので、ドイツ式赤道儀としても使える。ステップアップキットを装着したポラリエ・Uを前から見るとこんなの。

ちょっと後ろからはこんな感じ。三脚と接続している雲台が「極軸微動雲台DX」という製品。

基本スペックはこんなの。赤字が新しいところ。

追尾機能:恒星時追尾、0.5倍速、太陽追尾、月追尾。スマホによる速度設定が可能
ホイール外径:58.4mm
ホイール歯数:144山
極軸最大外径:40mm
北極星ののぞき穴:素通しファインダー
電源:単3乾電池4本、USB Type-C
搭載可能重量:未定
大きさ:88mm x 72mm x 110.5mm(現行:95mm x 137mm x 58mm)
容積:約504.3立方cm(現行:約510.7立方cm)
重さ:590g(現行:740g)

実は、スペック的には現行のポラリエとあんまり変わりがない。むしろ現行ポラリエについている緯度を図るための傾斜計やコンパスがなくなってたりする。でも、加島さんの説明を聞くと、スペックダウンではないというのが分かったよ。むしろ開発者として、作りたいものが作れたという気持ちなんじゃないかな。

以下、加島さんのセミナーの概要メモでっす。SXP2と極軸微動雲台 DXの話もあったけど割愛(笑)抜け漏れ許してね。

「ポラリエ・U」の名前の由来は、筐体の形が前からみて「U字」だったから。ほかにも案はあったけれども、これに落ち着いた。

現行のポラリエが発売されたのは2011年。当時、一般には赤道儀の存在が知られていなかったので、星に興味のある人にポラリエを売るよりも、カメラに興味がある人を星空に惹きつけることをマーケティング的に重視した。

そのため、機能的に捨てるところはあったけれども、筐体をカメラ型にすることで注目を集めることに成功した。その後、ポタ赤の認知度が上がってきたので、機能を妥協せずに作り直すことにした。

本体の重さは20%軽量化した。見た目も現行機より小さいと言われる。でも、実は容積が増えた。その分、単3バッテリーの搭載本数を2本から4本に増やすことができた。

現行のカメラ型を踏襲しなかったのは、南天を縦位置で撮ろうとするとカメラレンズが筐体に干渉するから。U字の筐体だと干渉しない。このことは分かっていたが、売れないと辛いので前はマーケティングを優先させた。

またカメラ型からU字型に変更したことで、筐体に奥行きができて、軸受のスパンが14mmから57mmへと4倍に伸びた。ホイールの外径が現行機と同じでも、より正確な追尾が期待できるようになった。

北極星ののぞき穴は、現行機が左目用に作られていたので右目が利き目のユーザーには使いづらかったはず。加島さん自身の目は右利き。こののぞき穴を廃止して、素通しファインダーを採用した。ポラリエのホットシューに付けるバイプ型のアクセサリーで、右目でも左目でもどちらでも使いやすい。

現行機の傾斜計とコンパスは廃止した。ポーラメーターの方が正確に測れるので、ポーラメーターの使用を推奨したい。

三脚との接続はアルカスイスに対応した。底面だけでなく、側面もアルカスイス仕様なので、立てればタイムラプスにも使える。そのための水準器がはじめからついているし、スマホから回転スピードを制御できるようになっている。もちろん、1/4ネジ穴もついている。

筐体をU字にしたおかげで固定ネジは大きくなってつまみやすくなったし、コインや六角レンチで締め付けられるようになった。これでカメラが落ちそうになることはなくなった。

入出力インタフェースとしては、1軸ガイドに対応したほか、レリーズの端子も持っている。外部バッテリーとの接続はUSB Type-Cになった。極軸望遠鏡は、筐体の中央に突き刺すタイプではなくて、外につけるようにした。これによって、極軸望遠鏡のつけはずしをする必要がなくなった。

加島さんのセミナーは、ざっとこんな感じでした。スタッフの方の話では、搭載可能重量は検討中だとか。ポラリエステップアップキットを使えば、搭載できる重量は増えるとのこと。価格、販売時期とも未定らしいけど、出す気満々な雰囲気でした。70周年だものね。

【おまけ】これほしいな。

不審船も見てきたけど、これはCP+の展示物じゃないよ。念のため

この記事へのコメント

  1. なかなか良さげな製品ですね。
    あとはお値段ですが、最近のVixen製品はお高目なのでどうなるか?
    スカイメモTもSも安く買えるから高いと厳しそう。

  2. せろおさん、単体で4万円以内が現実的なところですかね。微動雲台DXとセットで6万円くらい? ここにステップキット6万円を足したらAP赤道儀のSMマウントが買えるようになっちゃいますね。やっぱりステップアップとか考えずに、機動性を生かしたポタ赤らしい単体使用がいいのかもしれませんね。

  3. >星に興味のある人にポラリエを売るよりも、カメラに興味がある人を星空に惹きつける

    先代(まだ現役だけどね)のポラリエは十分にその使命を果たしたと思うな。
    ブログとかでポラリエにカメラを乗せて天体を撮影している女の子を何度となく見かけたもん。
    とはいってもまだまだニッチな世界であることは間違いないけどね。

    本文や既にコメントにも書かれているが“あとは値段”だよね。
    本体価格も気になるが、なんだかんだでお金に羽が生えてくるからね。

    ほら耳をすませてごらん、「パタパタ」と羽ばたく音が聞こえてくるから・・・^^

    • 是空さん、おっしゃるとおり使命を果たしたと思います。私もポラリエで星写真に入ったので。スカイメモを選ばなかったのは、シンプルで可愛かったからかもしれません。結果、すごい沼にはまってしまいましたが(汗)

      パタパタ…… ん、なんの音が近づいているんだ?

  4. 新型ポラリエ、なかなか良さげですね。
    愛用の赤いスカイメモはSもTもそれぞれクセがあるので、素直に駆動するポタ赤には心が惹かれてしまいます。
    お値段が気になりますねぇ。

    • あぷらなーとさん、ポラリエは最近使っていないのですが、それでも手放しちゃおうという気にならないかわいいやつです。シンプルにできているのがよいですね。新型も現行に負けないくらいシンプルなので、所有して飽きない製品なんではないかと思いました。あとは、おっしゃるとおりお値段ですね!私は買い替えませんが(笑)

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