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赤外線フィルタの使い方がよくわからないの巻

「今週のビックリドッキリメカ、発進!」「フィルタ、フィルタ、フィルタ……」
Hαフィルタ.jpg
説明しよう。以前、撮影したクラゲ(NGC6888)にしわしわが写っていなかったことから、赤外線フィルタを使ってクラゲの赤外線部分を強調して撮影すれば、しわしわが映し出せるのではないかという計画なのだ。
趣旨はそういうことです。VIXEN レデユーサーEDやカメラレンズの使用を前提にしたため、手持ちのキヤノンアダプタに内蔵できるM48の赤外線フィルタを購入してみました。半値幅7nmで、650nm以上で95%の透過率というOPTOLONGの製品です。アダプタにはめてみたのが上の写真。仕様機材はED81s、撮影地は長野県内です。
optlong.jpg
赤外線撮影は、長時間必要だということは知識として理解していたので、60分くらいかけて露光してみました(ASI1600 MC-COOL)。モノクロモードで撮る方がいいのか迷いましたが、8bitで記録されそうな気がしたのでカラーを選択。そのため、撮影したコマは真っ赤になってるのだと思っていましたが、さにあらず。赤はもちろん白のほか、星によっては青に写っているところもありました。
どう処理していいのか分からないまま、天文ガイドで紹介されていたPhotoshopのフリーフィルタNik Collectionを意味もなく使ってみたりして、ごちゃごちゃやったのが下の写真。トイカメラで撮ったような写真になってしまいましたよ(汗)。右側に赤外線域の赤が写ってはいますが、フィルタなしでも長時間露光すれば出てくるような気がします。赤外線フィルタなしで撮影した写真との違いがほとんど分かりませんでした。
ngc6888_60min2.jpg
比較のために載せておきますと、以前、フィルタなしで撮影したコマが次の写真です。露光時間が相対的に短かったせいと画像処理の仕方でしょう、星の数は今回撮影したコマより少ないです。
ngc6888.jpg
結果から言って、クラゲのしわしわは写っていませんし、赤外線フィルタの良さを引き出せた感じもしません。色がついてしまったのは、650nm以下の波長をぶった切ると言っても青や緑の画素が650nm以上の波長を拾ってしまうことに原因があるのでしょうか?(下図)
赤外線.jpg
フィルタワークを駆使する場合は、カラーカメラよりモノクロカメラの方がいいような気がしてきました。それからしわしわが写っている作例は6時間とか露光しているんですよね。6時間露光すればフィルタなくても写るような……今ひとつというか、まったく赤外線フィルタの使い方が分からないまま撮影を終えました。
このフィルタ、もっぱら東京の光害地仕様として使うかお蔵入りさせるか。しばらく勉強してみないといけないです。

この記事へのコメント

  1. おお、これは、Hα付近より短波長をバッサリ排除するシャープカットフィルターではないですか!
    恐らく赤以外の発色については、にゃあさんのご推察のとおりかと。
    コレならしつこい光害もバッサリとカットできますね。

  2. シャープカットフィルターというんですね! 赤以外の発色についてあぷらなーとさんにコメントいただけたので、安心して寝られます(笑)東京の空でもオリオン座のベテルギウスやリゲルはかろうじて見えるので、自動導入がなくてもM42あたりは比較的楽につかまえられそうです。いい高さに上がってくる時期になったら試してみます〜

  3. あぷらなーとさんがおしゃる光害カット。関心があります。
    最近、自治会役員さんの議事録を拝見する機会があったのですが、外灯の交換の費用対効果で、LED球が安くなるのが6年目位からとか。
    大量の玉切れ交換するので、、、、不味いな。(汗)

  4. 連続スペクトルをもつLEDが水銀灯やナトリウム灯や蛍光灯のかわりに使われてしまうと、もはやLPS-P2などの光害カットフィルターも無力化されちゃいますね。生活と安全のためなら仕方ありませんが、ますますニワトリしにくくなりそうです。にゃあさんの、このフィルターなら、LEDに対しても、ある程度の効果がありそうです。

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