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木星撮るよ(その4:頭が大混乱)

【警告】以下、中学校の理科と数学も十分に修めていないおっさんの妄言なので、検索エンジンなどで偶然引っかかってこのページに来たような方は、覚悟して参考にしてください。責任は持ちません。キッパリ。
——告白始まる——
大混乱の経緯は、時系列で書いていった方が分かりやすいかもしれないので、時系列で書きます。
4月15日土曜日の夜、木星を撮影していました。使用した鏡筒は屈折望遠鏡のED81SIIです。これにアイピースを使った拡大撮影で直焦点撮影をしました。撮影ソフトはSharpCapで、画像の反転を設定する項目は「None(反転なし)」にしました。
夜が明けた4月16日、15日22時56分に撮影した木星画像をAutoStackert!2で処理することにしました。ファイルはFITで3000枚です。画像を見ると、中央上に大赤斑があり、中央下部に黒い影のようなものがあります。それが画像[22:56反転なし]です。
この画像をブログに掲載する際、明るさとかノイズといった美的表現は別にして、上下反転と左右反転の両方の処理をかけました。なぜなら、SharpCapでNoneに設定する前は、Bothにしていたからです。上下と左右の両方に反転させることで、撮った写真が、図鑑などで見る、たとえばオリオン星雲と同じ写真になっていたので、この処理で正しいと思っていました。
4月17日なって、15日23時52分に撮影した木星画像をAutoStackert!2で処理しました。こちらもFITファイル3000枚です。それが画像[23:52反転なし]です。画像[22:56反転なし]と見比べてみると、大赤斑と黒い影(たぶんイオ)が向かって右方向に動いていることが分かりました。
木星回転なし.jpg
「これは動きが分かって面白いので、正しい像(正立像)にしてみよう」と思い、画像[22:56反転なし]と画像[23:52反転なし]の両者を、ブログで掲載したときのように上下と左右の両方に反転させてみました。上に書いたように、上下と左右に反転をかけることで正立になると思っていたからです。
しかし、はて? 画像[22:56上下左右反転]と画像[23:52上下左右反転]を並べてみると、およそ1時間かけて、大赤斑が左(西)に移動していることになります。「木星の自転って、地球と逆だっけ?」「それとも上が南になってるからそうなった?」と疑問が沸いてきました。
木星上下左右回転.jpg
調べてみると、見た目、大赤斑のある方が木星の南だということなで、何かがおかしい 。つまり、16日に掲載したブログの画像が間違ってるということになります。どうしてこうなった? ここで頭が大混乱。
賢者あぷらなーとさんの言葉を思い出す。「AutoStackert!はserファイルを読んだ時とFITSファイルを読んだ時とでデータの読み出し方向(天地)が異なる」。「FITSファイルをディベイヤーする際には(中略)上下反転させたと考えよ」。
「としたら、上下反転すればいいのか?」ということで、画像[22:56反転なし]と画像[23:52反転なし]の両方を上下反転させてみた。この画像なら、上が北で下が南、大赤斑も黒い点も地球と同じように東に向かって自転していることなります。
木星上下反転.jpg
天体シミュレータのステラリウムで撮影時の木星を確認してみました。黒い影、黒い点は、イオの影だということが確認できました。しかし、疑問が2つ。
(1)イオの位置は合っているかもしれないけれど、大赤斑の位置が大分違うのはどうして?
(2)左右反転をしなくていい理由がよく分からない……(AS!2が気を効かせて左右反転させてる?)。
ステラリウム2.jpg
stelarium.jpg
シミュレータを疑うの? いや、地道な作業が不得意な、私、撮り手の方が十分に怪しいのですが……。この考え方で合っているのかなかなか不安。どっちにしても、画像処理よりも大事なことを学んだような気がします。天体写真は、芸術だけではなくて、学問でもあるわけですね。
と、美辞麗句で逃げてみたいが、このまま大赤斑の位置問題と左右反転問題を終えていいのか!? 続けたとしても、とても解決できないのは自明なのだが……がんばってみる(´・ω・`)

この記事へのコメント

  1. おはようございます。
    理科の中でもレンズ光学と天文学は非常に難しい単元で、普段の授業でも苦労しています。そもそも宇宙空間には東西南北が存在せず、あくまで「地球から見た見かけの方角」を表します。そこで、例えば中3の理科では
     ①「地球は『西から東』に自転している」
     ②「太陽黒点は『東から西』に移動するのが観察できる」
     ③「よって地球と太陽の自転方向は『同じ』」
    ・・・と、この辺りで生徒の頭がパニックを起こします。
    これ、それぞれ右手で右を指している人同士が向き合っていると相手が指している方向が逆に見えるのと同じ現象なのですね。(これ、なんとかならないかなあ・・・)
    ・・・ともあれ、天体の上下左右は(見分けがつきにくくて)難しいので、一般の風景など「正解」がハッキリしている対象を撮影して各ソフトの挙動を確認されることをオススメします。私も(結構適当に間隔で処理してるので)一度腰を落ち着けて調べてみなきゃ・・・ですね。

  2. あぷらなーとさん、ありがとうございます。本当に混乱します(^_^)
    太陽の黒点は東から西に動く。これ、地球から太陽を正面に見てるのか、太陽系の上から見ているのかで向きがまるで変わりますね(あぷらなーとさんは、まったく変わってないとおっしゃるはず)。なんでだろ?
    ほかにも、構図をとるとき、カメラを回転させると構図は当然変わるけれど、アイピースの場合は回転させても構図は変わらない。当たり前だけど、どして?(笑)
    直焦点なら正立だけど、アイピースなら倒立になる? 機材の特性理解と空間把握の基礎がまったくなってません。
    位置の相対関係は悩ましいです。実際に観察し、ソフトウェアの挙動も確認すれば、解決するはずですが。
    勉強しますm(_ _)m

  3. あぷらなーとさんのご指摘の通りで風景撮ってみて、どこでどうなるから、何が原因かを絞り込むのが一番かと。
    けむけむ@熊本空港

  4. けむけむさん、星のない夜にやることがまた一つ増えました。こういう基本的なことに早く気づけて良かったです。

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