もうね、だいぶ長い時間が経ちましたよ。APTの極軸合わせ機能であるDARV(Drift Alignment by Robert Vice method)を試す、試すと言いながら、数年も経っているんです。もちろん、こんなに時間がかかった理由(言い訳)はあるんですよ。DARVは、APTから直接、望遠鏡を制御するので、架台が自動導入型の赤道儀でないといけないんです。ほぼ最近まで、ベランダ用の自動導入赤道儀は持ってなかったんです。
もっとも手元にAZ-GTiが来て、そしてベランダ撮影環境強化作戦が完成した昨年8月には、DARVを試すチャンスはあったんですが、それから仕事やらなんやらで1年くらい、DARVをさぼっちゃった。ところが、AP赤道儀君が御使いに魂を売ってからというもの、やっとやる気が出てきた。
で、DARVを試すことにした。というか、けむけむさんに「はよせろ」と言われて、ようやくお尻に火が付いた。DARVを開始するには、APTの[TOOLS]タブのなかにある[DARV]をクリックする。そのやり方というのは、公式にはこうだ。
0. マウントを水平にし、初期の極軸アライメントを行う
1. 0度に近い南天の星を探す。
2. DARVを起動して(Align Azimuthボタン)、ルーチンが完了するのを待ちます。
3. 軌跡が一致していない場合は、方位角を左右に調整します。
4. 軌跡がV字型になっている場合は、線になるまでステップ2と3を繰り返します。
5. 東か西の地平線上で、0度に近い星を探します。
6. DARV(Align Altitudeボタン)を実行し、ルーチンが完了するのを待ちます。
7. 軌跡が一致しない場合は、高度を上下に調整してください。
8. 軌跡がV字になっている場合は、線になるまでステップ6と7を繰り返します。
うちは、ビルに囲まれてるので、東西南北の地平線(0度)に望遠鏡を向けることはできない。なので、見える空でDARVをする。0度には程遠い。まず、ざっくり「山立て」で望遠鏡を北に向ける。テレスコープイーストにして、望遠鏡を南の空に向ける。
次、Drift for (mins)に値を入れる。入れる値は、1ルーチンを何分で回すかを決める。0.4なら、24秒ってこと。あんまり時間が長いと、飽和して真っ白になるので、適切な値を求めるべし。
[Align Azimuth]ボタンを押すと、望遠鏡が東西をごく短い距離を往復して24秒後に撮像した絵が現れる。下の写真だと、「Λ型」になっているので、これをまっすぐ「I型」にする。
望遠鏡の左右にある極軸用のノブを回す。あんまり大きなΛ型ではないので、ノブを回すのは1mmとか2mmって感じ。何度かやってみたら、下の写真のような感じでほぼまっすぐになった。もうちょっと追い込めるような気もするけれど、明日お仕事なので、そこそこにしておく。
次、望遠鏡を西の空に向ける。[Align Altitude]のボタンを押す。これは高度設定だね。ぽちっと。ほぼ直線じゃん? 直線だよね? 直線に見えるよね? 今日はこれでよしとする。
ということで、極軸合わせが完了しました(`・ω・´)ゞ
ちなみに背景がオレンジ色なのは、APTのテーマカラーをオレンジに設定しているからじゃない。こんな空の色をしているのだよ。ここ東京は。
最後に実際にPHD2でオートガイドしてみる。本当に適当に北に向けただけだと、「移動量が大きすぎるから出直せ」と言われてすぐキャリブレーションが終了してしまうんだけれど、ある程度まで追い込んだ甲斐があって、きちんとガイドできるようになった。
ガイド線が荒れている感じはするけれど、Totは0.59。前日のAZ-GTiでやったときは0.7くらいだったので、AP赤道儀先輩の勝ち。いい加減にDARVで極軸をあわせたというのもあるけれど、暴れ具合がおかしいなあと思ったので、撤収時にガイド鏡を見てみたら、きちんとスコープがネジ止めできてなかったorz.
まぁ、DARVってこんなもんだというのが分かってもらえたらOKなのだ。ベランダで北の空が見えないときは、自動導入赤道儀を使って、極軸をとるべし。私も今度からそうするよ。
この記事へのコメント
素晴らしい!
北極星が見えない場所に行ったら真似っこしよ~っと (^o^)
解説するほど難しいものではなかったので、ぜひ!
素晴らしい!!
私もやってみたいなあ。と思ってから私も数年熟成させちゃうタイプなので(そのまま過発酵することもしばしば)、これってドリフト法で軌道を取るのと同じことですよね(あっちがう?)
あってます、あってます。ドリフト法です。人間が手で鏡筒を動かす代わりに機械がやってくれます!
これでポラリスがなくても大丈ブイ。^^v
東京のテーマカラーがオレンジだったりして・・・^^コイケチジノシワザダ
空の色って、日によって色々なんだけど、妙にオレンジが明るいときがあるよね。
その明かりで本が読めるんじゃないかと思うぐらい。(注)実際には読めません。
昔から蛍の光、窓の雪といいますしね。最近はネオンが反射した雲の明かりで本を読む苦学生がいるとかいないとか。今日の雲の色は何色か楽しみです
わりとナトリウムランプが多めなのか、黄色いですよね。
全部LED化されたら…フィルターワークが効きにくく><
あぴさん、そうなったら、最終手段はHα一択かもしれないですね!