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火の魔法による「変換アダプタ」の製作方法

3Dプリンタを買った理由の一つに、「変換アダプタ」を作りたいという妄想があったんだ。M57からM42に変換するとか、そういう類のアダプタ。そのため、最初にプリントしたのも変換アダプタだったんだけど、まったくうまく作れなかった。しかし、邪悪な「火の魔法」をかけることで、しっかりとオーダーメイドのようにはまるアダプタが製作できた!

取り組んできたのは、M42P1のオスとM42P0.75のメスが接続できるように変換するメス-オスアダプタだった(写真に見えるオレンジ色のパーツ)。P0.75のオスの方は綺麗にぴったりはまるのに、P1のメスの方は、この写真のように噛んでもくれなかったんだ。これを克服できたのは「火の魔法」を習得したからだよ。

「火の魔法」というのは、100円ライターだ。まず、FUSION 360でねじ径とピッチを指定して、オスを上にしてプリントする。ここまで普通。次に、メスのスレッドの部分を100円ライターで炙るんだ。あまり長い時間炙り続けると、溶け落ちるかもしれないので、形が崩れない程度に、短すぎず、長すぎずで全周を内側から炙る。そしておもむろに金属製のM42P1のオスを、熱で柔らかくなったPLAパーツにねじ込む。そしたら、下の写真のようにぴったりはまったんだ。自分でも目からウロコだわ。

あまりにぴったりはまるので、アダプタをはずすときは、ラバーレンチが必要なくらい。いってみれば、歯型をとるような方法だな。熱に弱いPLAだからできる技かもしれない。PLA Plusでも再現できたので、ABSでもいけるかも(100円ライターの炎の温度は800〜1000度)。ねこめしさんが「Cマウントカメラに無理やり何度かねじ込んで修正」したとおっしゃっていたけれど、それに近い方法だと思う。

課題はネジの内側の最後までねじ込めなかったこと。これは、おそらく内側に熱が届かずに、PLAが十分に柔らかくならなかったからだと思う。なので、同じ100円ライターでも、ターボライターを使うことで奥まで熱を届けられるんじゃないかと思ってる。

それから、注意しなければならないのは、正しく90度の角度でねじ込めているかどうかということ。ここが斜めになっていると、光軸が狂うことになる。なので、ねじ込みのガイドとなるスレッドはプリントしておかなければならない。この部分、カメラde遊ingさんにインスピレーションをいただいた。ありがとうございます!

いずれにせよ、異径ねじ変換アダプタの製作に光明が見えてきた。

おまけ:下の写真は、自作望遠鏡の仮組み。クローズアップレンズと延長筒をつなぐM52P0.75のメスネジを作りたいんだが、別の理由でてこずってる。

この記事へのコメント

  1. 職人技だね。
    温度にもよるけどヒートガンを使うというのもあるね。
    ヒットガン!指がぁ、指がぁ・・・^^

    • ヒートガン! そんな便利なものがあったとは。百円ライターよりまんべんなく熱することができそうで良いですね。サポートを取り外して白化した部分を消すこともできると…なるほど、なるほど。amazonで2000円か。指がぁ、指がぁ!

  2. これですね~アダプタリング自由自在に作れると、今までの組合せパズル問題一挙解決。

    熱を積極的に使うなんて、気がつきませんでした。私など歪まないように熱から避けてるばっかりでしたから。

    • 100円ライターのバリ取りは、Youtubeで知ったのですが、部屋を掃除していたときに、100円ライターが出てきたので使ってみました。熱したあとに、指で触ると、ぷにぷにしてますよ。機会があればお試しください〜

  3. 水道工事でやる、塩ビ管を炙って挿入する的な事なのかな?
    工作で使う塩ビ管は見た目も大事なので、自分の場合は鍋に入れて茹でてましたが(^^;)

    この場合、ネジ山に残ったバリを取らなくてもイケちゃうのかな?
    自分もその発想は無かったなぁ

    • 塩ビ管を炙る技が日常にあるのですね。同じような発想だと思います。鍋に入れるのは、水の魔法? 煤がつかないので、素材がやわらかくなれば、湯煎?もありですね! 糸引きはニッパーで切りましたが、バリは一緒に溶けてくれたので、別に取らなくても大丈夫でした。

      • ”水道工事でやる”は誤解を招くかな。
        ちゃんと継手を使って工事はしますから、応用技でそんなのがあるって感じですかね。
        訂正しておきます。

        • カメラde遊ingさん、ご丁寧にありがとうございます。Youtubeで塩ビ管炙りの動画を探してしまいました。さすが職人、上手に曲げられますね。感心しました。

  4. にゃあさん

    うまくすれば市販されていないアダプタなどが自作で手に入りますね。
    今EAA用のカメラレンズを物色中ですが、Cマウントに変換できるマウントが限られているのでなかなかすんなりいきません。

    自作できればそういった悩みから開放されますね。

    • この魔法は、職人技として試行錯誤は続きそうです。私もCマウントが好きで、造形サイズも小さいので、気軽にあれやこれやと作れるのが楽しみです。

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