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Photoshop は Registaxの代わりになれるのか?

惑星を画像処理する手順の試行錯誤メモです。私もそうなのですが、惑星を撮影したら、一般的にRegiStax で wavelet 変換処理をかけるのが一般的だと思います。ぼんやりとした画像がくっきりと像を結んでいく感じは本当に魔法ですよね。びっくりしました。
Photoshopのフィルタに「ぶれの軽減」という効果があるのですが、これが案外、綺麗に処理してくれるので、Registaxを使わなくてもPhotoshopだけで強調処理ができるのではないかと思いました。で、やってみなくちゃ分からない大科学実験で。
(1)CMOSカメラで惑星を撮影するとき、SharpCapなどの撮像ソフトウェアを使います。
(2)フォーマットは、SERやAVIのいわゆる動画で1000とか2000コマを撮影します。
(3)撮影したファイルは、Autostakkert!に読み込ませてスタッキングします。
ここまで、私の通常フローです。このあとRegistaxの処理に移るわけですが、ここでPhotoshop CCの登場です。まずはAutostakkert!で作成したファイルを開きます。次に、「フィルター」>「シャープ」>「ぶれの軽減」へと進みます。
「ぶれの軽減」はRegistaxのwaveletと違って、細かいパラメータの設定がありません。Linear か Dyadicかの選択もありません。あるのは、「ぼかしトレーシングの境界」「ソースノイズ」「滑らかさ」「斑点の抑制」のみです。
「ぼかしトレーシングの境界」は、右に値を大きくすればするほど、ゲジゲジ眉毛みたいな大胆な描写になって行きます。「ソースノイズ」は自動が吉。「滑らかさ」は、RegistaxでいうDenoiseみたいなものでしょうか。値を大きくすると詳細が損なわれていきます。「斑点の抑制」は文字通りまだら状のノイズを抑制していきます。
今回、私が処理したときにしっくりきたパラメータと値はこんな感じでした。
「プレビュー」と「斑点の抑制」にチェックを入れる
ぼかしトレーシングの境界 25pix
ソースノイズ 自動
滑らかさ 0.0%
斑点の抑制 1.0%
パラメータ.jpg
このあと、OKで効果を適用して戻ります。次に「フィルター」>「Camera Rawフィルター」へと進み、「かすみの除去」を適用します(アップデートで「かすみの除去」の位置がfxから基本補正へと変わってますね)。ただ、Registaxでwaveletをかけたときよりも効きが弱いような印象でした。
次に、「トーンカーブ」「明るさ・コントラスト」「レンズフィルター」「自然な彩度」の調整レイヤーをそれぞれ作って微調整して終了です。
あ、こういうときに「ででん!」って言うんだな
Jupiter PS.jpg
Registax の wavelet は使わなかったものの、案外、いい線行ってません? RegistaxのDyadicより自然で、Linearより描写が濃いちょうど中間な感じの仕上がりのような気がします。好き嫌いが分かれそうですが、個人的には結構、気に入りました。しばらく両者を使ってみて、特性を理解したいと思います。
比較.jpg
おまけのメモ:
2018年5月16日午前1時ごろの東京23区は、空が真っ暗だったもののシーイングは全体的にイマイチでした(と思ってる)。1000枚を1カットとして、10カット撮ったのですが、Autostakkert!でアナライズするとうち9カットは調子の悪いときのグラフで、1カットだけが調子が良かったです。今回の処理は調子のいいときの1000枚のうち80%をスタックして処理しました。
quality graph.jpg

この記事へのコメント

  1. なかなか、いい感じですねぇ
    色々、やってみなくちゃ分からない。大科学実験で(暗い声)

  2. 「調子のいい時」「調子の悪い時」あれ、グラフの特徴が違うなとか、思った事あります。
    惑星は、数回、動画を撮ると予定終了で、合計焦点なので、その後恒星を撮れる訳でもなし。
    ツイツイ、後回しになってしまいます。
    PhotShopCC有るので、面白そうですね、やってみます。(元画像が画像なので:(汗))

  3. けむけむさん、ありがとうございます。細野晴臣さんの低い声のナレーションが脳内再生されて気持ち良いです!

  4. オヤジさん、確かに惑星撮りはある意味、淡白ですよね。特にオヤジさんの構成だと、同じ鏡筒で星雲用に切り替えるのは一苦労ですしね。PSで処理、機会があったらやってみてください。パラメータが少ないので、かえってやりやすいかもしれません。

  5. 画像復元系の処理は色々と難しいですね。
    しかしフォトショの処理が意外といい線行ってるようでビックリ。先入観にとらわれず色々とやってみるものですねぇ。

  6. あぷらなーとさん、初心者ならではの怖いもの知らずで、なんでもやってしまいます(笑)印画紙代が無駄になるわけでなく、服に現像液のシミがつくわけでなく、デジタルはやりたい放題なので冒険しやすいです!

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