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BORG 36ED用バーティノフマスクを自作した

3Dプリンタを手にしたら、作ってみたくなるパーツのひとつに、バーティノフマスクがあるんじゃないかな。特に私が一番よく使っている36EDは口径が小さすぎて、どこにも売ってないから、自分で作るしかないよ(みなさん、3Dプリンタネタに飽きているとは思うけれど、失礼つかまつる)。

バーティノフマスクのパターンはASTOROJARGONで手に入る。口径などを入力したら、SVGファイルが生成されてダウンロードされる。このSVGをFUSION 360などの3D CADに読み込んで、高さを持たせ、プリントするという流れになる。

出力されたバーティノフマスクをみると、36EDの場合は櫛の目が小さいので、目が詰まってしまっていた。熱だか圧着だかのせいで、ベッドに接する造形物の底面にバリのようなものが出てしまっていて、これが互いに目をふさいでしまうらしい。これはプリンタ自体の解像度の問題ではなくて、たぶんフィラメントの溶け出しに関係しているみたいで、図にするとこんな感じだ。

私が試した限り、このバリは、どの造形物でも最底面に必ずできている。けれど、ざっくりとした造形物の場合は、さほど気にならない。でも、36EDのバーティノフマスクの場合は、このバリがあると機能しないので、除去しないといけない。このバリを丁寧に手で除去していくという手もあるんだが、面倒だし、目の仕上がりが綺麗じゃない。

そこでバリが出ないように、「ラフト」を作る。ラフトっていうのは、日本語でいう「いかだ」のことで、造形物をいかだの上に乗せるようにしてプリントする。もともとプラットフォーム(=床)と造形物の密着性を高めるためにある設定みたいだ。今回は、造形物と床が直接くっつかないようにするのが目的。下の写真に見える帽子のツバのようなものがラフト。Brimはプラットフォームに直接くっつくけれど、Raftは印刷物の上に載る。

ラフトの作り方は、スライサーのBuild Plate AdhesionでRaftにチェックを入れるだけ。いろいろパラメータはあるけれど、Raft air gap(ラフトと造形物の隙間)を0.3mmにした。0.4mmだと手ではがしやすくなるみたい。

バーティノフマスクの厚さは2mm持たせてある。市販のプラスチック製バーティノフマスクのようにペラペラじゃないので、踏んでも割れない。しかも、汎用品と違ってフードの径にドンピシャはまるので、ネジを回して固定する必要もない。

試作では、ふさいだ目を針で突いて穴を広げるという作業をしてみた。しかし、手間だし、出来上がりが汚いために、ピント合わせのひげがゴツゴツしていた。ラフトを使って印刷した分には、目が綺麗にでているので、穴あけ作業の必要がないのが良いけれど、底面の仕上がりが醜い。ここは改善の余地があるな(写真左がラフトを使ったバリなしの後処理がいらないバージョン、右がふさがった目を針で一生懸命バリを穴あけしたバージョン)。

補足:内径は、収縮を見越して48.50mmで設計して、出力された内径の実寸は48mmというところ。

 

この記事へのコメント

  1. 見栄えを気にする場合は、耐水ペーパーで磨くという手法を良く使います。
    で、塗装しちゃう。
    磨く際は真ん中が浮かないように、均一に接するような工夫が必要かもしれません。

    ひっくり返してプリントでは、サポートの跡を均すのが面倒ですもんね。
    やっぱこの方向で印刷するのが良いのかなぁ。

    • パテで埋めてサンドがけするユーザーさんもいらっしゃいますよね! サフ吹いて、ペイントするとか始めると、別の趣味になってしまいそうです(笑)望遠鏡パーツは実用第一で良いのですが、身の回りの小物類は凝って仕上げたいような気になってきました。さっき印刷したスマホスタンドは筐体の形にぴったりで安定感抜群です♪

  2. 透明パーティノフマスクお勧めです。
    赤猫に付いていて良かったので、他のサイズも黒いのから買い換えましたが、
    結構なお値段です、、、ショップの思う壺です(汗)
    透明レジンいかがですか?

    • 透明バーティノフマスク、作りながら考えていました(笑)実物を見たことがないのですが、透明なだけでなくて、ちょっと目が大きいのですか?

      匂いの少ないレジンもあるとかで、光造形はいいなぁと思ったのですが、薬品を扱うとなると、性格が雑なのでちょっと躊躇しています(汗)

  3. サポート痕は機能的に影響がないのであればもう気にしないことにしていますww。なのでこの場合なら逆向きに印刷するのもいいですね。細いところを折らないようにサポート外すの気を使いそうですが。

    • 鑑賞品ではないので、実用第一で大丈夫ですよね!

      サポートに関していうと、PLAでも指でビリビリと簡単にはがせたので、いまのところ、想像していたほど苦労がなかったのが救いです。

      ネジリングを縦に印刷したら目が正確に印刷できるのかなど試してみたいことはあって、サポートの立て方など学ばないといけないことが多いです。ぜひ勉強させてください!

  4. お邪魔します。先日は3Dプリンターのアドバイスいただきましてありがとうございました!
    なるほど、剛性の高いバーティノフマスクを作ることもできるのですね。自分はアボダイジングスクリーンを考えてましたが、バーティノフよりさらに目が細かいのでバリの問題がもっと大きくなりそうです。勉強になりました。

    今後とも寄らせていただきますのでよろしくお願いいたします!

    • シベットさん、コメントありがとうございます! アボダイジングスクリーンなら、たとえば金網を固定するパーツをプリントして作ることもできそうですね。私もフラットジェネレータを作るのにアクリル板かレジ袋を固定するパーツを作れないかと妄想中です。一緒に勉強させてください!

  5. バーティノフ、幾つ有ってもいいものですね。デジカメでNonPC環境の場合、必須アイテム。
    私なんか2,000mm~85mmまで全てオーダーメードで揃えてます。
    普通、ラフト付けるとスタート面の潰れは軽減すると思いますが、、、
    スライサで設定できるなら、フィラメント送出量とかスタート面の積層ピッチとか、調整してみる余地はあると思います。
    ウチのは最初のころZ軸のバックラッシュでスタート面が潰れまくりました。

    • i*matさん、バーティノフマスクの全てがオーダーメードって素晴らしいです。汎用品だとネジを緩めたり留めたりが面倒ですし。

      スタート面の積層ピッチをスライサーで設定できるのですか。これも調査必要ですね。綺麗に仕上がるにこしたことはないですものね。調べてみます。ありがとうございます!

  6. どんなに高性能な金属切削マシンとかでも仕上げが必要。
    仕上げ作業は手作業が多くコスト(人件費)に直結するから、どこまで追求するかは、必要な条件や売り手の考えが大きい。
    自作の場合は、機能的な条件をクリアする必要はあるけど、それ以外は完全に自分の考え次第。
    ある意味それが面白いところだと思う。^^

    • 金属でも仕上げが必要なんですね。私の場合は、売り物ではないので、機能要件をクリアすればいいと思っている部分もあるのですが、長く使うパーツとなると手を入れて凝りたくなります(笑)仕上げにも個性が出てきそうですしね。パテ、パテ…

  7. 色々と面倒な問題はありそうですが、コレが一番欲しいです (^o^)
    ちっちゃなバーティノフ、いいなぁ…

    • ぱちっと合うのがいいですよ。すぐ無くしそうですが(笑)

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