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タムキューさんとSVBONYさんのUV/IRカットフィルター

我が家に「タムキューさん」ことTAMRON SP 90mm F2.8 Di MACROがやってきた。私が「90mmのキヤノンレンズが欲しいなぁ」と書いたら、あぴさんが「タムキューですよ!」と反応してくださったので、速攻ゲッツしたんだ。

今回は、話としては「天体改造カメラを一般撮影用に転用できないか」の続きで、タムキューさんとEOSボディに内蔵したSVBONYさんの31.7mmUV/IRカットフィルターとの相性を見ていくよ。

タムキューさんインプレッション

二世代前のモデルで、型番としてはModel 272になるよ。タムキューの新旧比較については、マップカメラさんの THE MAP TIMESに詳しい記事があるので、これを参考にした。なるほど、いいレンズだね。マクロ撮影は好きなほうなので、等倍撮影は嬉しい。

https://news.mapcamera.com/maptimes/%e3%80%90%e6%96%b0%e6%97%a7%e5%85%b1%e5%ad%98%e3%80%91tamron-sp-90mm-f2-8-di-macro%e3%81%a7model-272%e3%81%a8model-f017%e3%82%92%e6%af%94%e8%bc%83/

噂には聞いていたタムキューさんだが、実物を手にしたのは初めて。下の写真はレンズ側が手前なんだけど、マウント側に見えてしまうし、ピントリングの回転がスッカスカ。不良品じゃないかと、ネットで調べてしまったんだが、そういう仕様だそう。あんまりカッチョ良さはないな。モロキューというより、ちくわ?(ボソッ)

焦点距離90mmが欲しかった理由

「90mmが欲しい」と書いていた時点で、なかばタムキューを指名していたようなものなんだが、90mmが欲しかったのには理由があるよ。

このレンズ自身はフルサイズ対応なんだけれど、当然、APS-Cにも使えるわけで、私のX7iに装着すると換算135mmになる。私が持っている、いわゆる天体望遠鏡で最も焦点距離が短いのが200mm。カメラレンズでは、換算105mmまでがあるので、ちょうどその間を狙ったというわけ。

天体写真用途では、135mmの画角で素晴らしい写真がたくさんあったので、ちょっと使ってみたかった。フルサイズ用のレンズなのでAPS-Cでクロップして使う分には、コマ収差は気にならないんじゃないかと思った。

ただ、三世代前のモデルで星野を撮影した作例では青ハロが出ていたのを確認している。LightroomでもPhotoshopでも除去できそう範囲だし、UHCフィルターを噛ませば、そもそも写らないんじゃないかと思っているよ。

検証してみたかったこと

それはともかく、タムキューさんというか、カメラレンズを手にしてX7iで検証してみたかったのは、次の2点。(1)レンズとX7iのボディに内蔵した31.7mmのフィルターが干渉しないか、(2)干渉しなかったとしてもフレアやゴーストがでないか、ということなんだ。

レンズとフィルターの干渉問題

(1)の干渉問題について。タムキューをX7iに接続してみたところ、フィルターには干渉しなかった(ように思える)ので一安心。装着するフィルターをUV/IRカットにすれば、クリア改造のX7iでも普段遣いできるようになるはずだし、カメラレンズを使ったフィルターワークの幅が広がるってものだよね。しかし、本当に、そんなにうまくいくの?

SVBONYさんのUV/IRカットフィルターの波長の特性はこんな感じ。

確かに赤外線はスパッとカットされていて、およそ750nm以遠の近赤外線域が写らないようになっている。ただ、700nmでも80%の透過率はありそうだし、Hα輝線(656.3nm)は、ほぼ100%で透過する。つまり、確かにUV/IRカットフィルターなんだけど、星雲が写せるIRカットフィルターだということが分かる。

ということは、ホワイトバランスを太陽光にした場合、改造機では赤みがかるということ。「HKIR改造」や「新改造」のカメラをこのフィルターで一般撮影用に転用しようとしても、赤みは修正しきれないってことだな。逆に「クリア改造」カメラについては、「新改造」や「HKIR改造」に近い特性に持っていくことができるということだね。

元が天体撮影用のフィルターだと思うので、この仕様はこれで正しいと思うよ。ただ、SVBONYさんのこのフィルターは、一般撮影用には向かないとは言えるな。

どちらにしても、カメラレンズでもボディ内フィルターが使えることが分かった。

フレア・ゴースト問題

次いで(2)のフレア・ゴースト問題について。普通のクリップオンフィルターやT2接続の場合はバックフォーカスに余裕があるだろうから、問題はなさそう。しかし、この31.7mmフィルターはレンズ側にせり出しているので、フレア・ゴーストが出やすいんではないかと想像できる。

ということで実写してみた。明暗差のないシーンでは問題なかったんだけれど、空にレンズを向けてみると、使い物にならないくらいのフレアが出た(ちなみにホワイトバランスは上がカスタム、下が太陽光)。

順光にしても空が明るいと同様のフレアが出たので、カメラレンズと31.7mmフィルタの組み合わせは、どうも相性はよくないらしいことが分かった。結論としては、31.7mmフィルタをEOSに内蔵する場合は、カメラレンズでは実用的に使えないということなのだと思う。うーん、残念。

クリア改造機は一般撮影に転用できない?

じゃあ、クリア改造機であるEOS X7iは、本当に「新改造」や「HKIR改造」以上に、一般撮影用に転用できないんだろうか。フィルターの選定とフィルターの設置場所をきっちりとすれば、うまくいきそうな気がするんだけどさ。

先の写真でみたように、タムキューさんの開口部がカッチョ悪すぎるので、ここに保護フィルターの代わりに55mmの一般用のIRカットフィルターを装着する手はある。それにしても、購入前にカットする波長を確認しておく必要があるよね。

しかし、それでうまくいったとしても、レンズの先っちょにフィルターをねじ込むだけだとあんまりおもしろくないので、別の方法を検討してみることにした。

ありさんでブツを注文したんだが、届くのが10月下旬になるらしい。気長に待つとするのだ。

この記事へのコメント

  1. うぉ、さっそくご購入ですか!
    マクロ撮影でもAPS-Cで倍率稼げるので楽しいと思います。
    昨年のネオワイズ、手元にレンズがあまりなかったのでこれで撮りました。
    ついったに再掲載しておきます~

    • さっそく使ってみたいのですが、天気がまったく味方してくれませんね。望遠鏡と違って、地上で遊べそうですが。いいレンズ紹介していただいて、ありがとうございました!

  2. タムキュー、自分はModel 72E持っています。買ったのは随分前ですが。その前はModel 52E持っていて、等倍マクロが欲しくて買い替えた記憶があります。
    良く写りますよねー。でも自分のは一回壊したことがあって、修理で戻ってきたのですが光軸がまだちゃんとあっていないらしく、星を撮るとかなり細長い楕円になってしまうんです(T.T)、自分で壊したので仕方がないんですが・・
    普通のマクロ撮影では十分現役です。

    • ねこめしさんが、何代にもわたって使い続けられるというのは、本当によく写る名玉なんですね! 私も噂に違わぬ性能を楽しんでみたいと思います。

  3. 自分も52E(だと思う)を持っています。
    ジャンク品ですけど(^^;)
    1/4マクロが物足りなくなって、その後、ミノルタの等倍マクロも500円で手に入れたようです(覚えていない)
    52Eは夜空(ラブジョイ彗星)も撮ってあってちゃんと写るってな事をコメントしてました。

    • カメラde遊ing さんもユーザーさんでしたか! ラブジョイ彗星もこれで撮っておられるとは! 1:1マクロは魅力的ですね。ますます写りが楽しみになりました。

  4. 換算135mmかぁ。
    いい感じの作成が多いよね。
    200㎜だとちょっと窮屈な場所が、いい感じに収まるんだよね。
    ただ、そのうち105mmの作成をみて、もう少し広いのが欲しくなるんだよなぁ~。
    ^^フフフ

    • >200㎜だとちょっと窮屈な場所が、いい感じに収まる
      おっしゃるとおりです!
      それより短いレンズは、Aマウントの28-105mmのズームになるんですが、これはまだ星撮り用に投入したことがないんですよ。結果にげんなりすると、レンズが生えてきそうで怖いです。

      • ”作例”と書こうとしてるのに”作成”と打っている。
        しかも2か所も・・・
        歳だね。^^;ヤバイ

        • 匿名さん、歳とか関係なく、伝わればそれでいいんですよ(^^)/

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