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コンパクト・ツイン鏡筒「ウォーリー」の星像を確認する

6日夜の話。AP赤道儀を立てて、「ウォーリー」を載せたところまでは良かったけれど、雲が全天を覆って極軸が取れない。それでも適当に北をとって準備することにした。星が見えるなら簡単に導入できると思っていたんだ。だから、自動導入機能がないAP赤道儀を選択した(最近、出番がなかったからという理由もある)。なめてかかっていたもんだから、AP赤道儀は、三脚の足を伸ばさずに1段だけで設営してしまっていた。

霞んでいたとはいえ、晴れ間が見えた一瞬、はくちょう座のデネブが、ほぼ天頂に見えた。しかし、光学ファインダーを載せていたものだから、寝転んで導入する羽目に。これが導入しにくいったらありゃしない。「北アメリカ星雲にあともう少し!」というところで雲が流れてきたので、そこで慌てて2枚建てしたSharpCapのシャッターを切ることになった。

結果、まともに写っていたのはモノクロ(@10sec)が12枚、カラー(@30sec)が4枚。つまり2分間だけだった。ツインだから4分ってことになるのかな。Astrometry.netで確認したら、北アメリカ星雲は、後もう少しのところで写野に入っていない。かろうじてペリカンは入ったみたいだ。

まぁ、いいよ。星が写っただけマシだよ。今回は、ファーストライトといっても、ベランダじゃない空で撮影したカラー画像とモノクロ画像の星像を確認すること。星の形がどんなふうなのかが分かればそれでいいんだ。

FlatAide Proで等倍星像チャートを作成してみた。いずれもダークは引いてあるけれど、フラットは引いてない。

まずはモノクロ画像から。右下が黒くなっているのは、パンの耳。極軸がとれてないのでずれてるんだ。星の形を見るのが目的だから、そのままにしてある。クリックで拡大できるよ。

ちょっとぼってりしているように思えるのは、EDレンズじゃないからだと思う。赤い波長と青い波長のどちらかにしかピントが合わないから、膨らんで見えるんだと思う。それは、ナローバンドフィルターが出てくれば解決できると思っているよ。チェックポイントはそこじゃなくて、星の形。ラグビーボールとか千鳥足とか、そんな収差でできる型崩れは起こしていない。かつてANT-6という、にゃあさん的望遠鏡プロジェクトがあったんだけれど、北アメリカ星雲の写真はひどかった。それとは比べ物にならんだろう、というくらい良いな。

次はカラー画像。極軸が取れてなかったせいで、カラー版は若干、星が伸びている。

青ハロひどいな。この写真には写ってないけれど、デネブのハロが殺人的に青い。画像処理で軽減させるか、LPS-V4とかデュアルナローで色を拾いながら、青を消すかだな。ナローバンドフィルター用のアタッチメントの準備を進めてはいるけれど、手軽さが失われるので、実のところ、あまりフィルターは装着したくない。ここはジレンマだな。

で、試しにLRGB合成をしてみた。ステライメージのメニューから[合成]->[LRGB/WCMY合成]をたどる。自動でぴったんこさせようとしたんだけれど、パンの耳が大きいせいかうまくいかなかったので、基準点を使って合成した。右下の耳は除去してから等倍星像チャートを作成しているので、ちょっと拡大されてる。比較の参考になるのは、左上のコマだけかな。星が赤いな。緑の星が混じってるのはどうして? カラーバランスの問題?

まぁ、素だとこんなものだった。「Cマウントにしてはよくできてない?」と言おうと思ったんだが、4分相当の割にペリカンが浮き出てこなかったのは、ナゼ? 霞んでたから?

なんでだろうと、しばし考えてみたところ、このレンズUV/IRカット仕様だった! うわぁ、どこまで波長を切ってるんだろう。Hαが切られてなければいいけど……。確実にオカペリを仕留めておくんだった。そしたら確認できたのにな。イタタタ。

実写してみるほかないな ( ー`дー´)キリッ

午後10時22分追記:Hα7nmフィルターを装着して、LED街灯に向けてみたら、(透過率は不明なものの)この範囲の波長は通していました。

 

 

この記事へのコメント

  1. カラフルでいい感じですね。
    これはこれで用途を考えれば、仮に星雲がダメだったとしても活きる道がありそうな気がしますね。

    • カメラde遊ingさん、ありがとうございます。無改造カメラでもそこそこ写るといいますものね。天気の良い日に改めて撮りなおしてみます。それでダメなら、活用方法考えます!

  2. 青ハロを消す・・・
    ナローバンドフィルターを入れる・・・
    やはりLRGB4連装ですかね?

    レンズ自体の星像は良さそうですね。

    • やっぱりそっち方面ですかね。なんだか、すでに178が手におえない負債になっているような気がするのは気のせいでしょうか(汗)

      あ、教えていただいたバッテリーぽちりました。ありがとうございました!

  3. 星像いいですね。
    青ハロは画像処理でもなんとかなりますが(Bチャンネルのみ処理)
    かえって一般の方には派手に見えて受けそうです。

    178はソフトビニング+スタッキングして電視観望用途(このレンズもでしょうか)に向いていそうです。(モニタで見るにはちょうどいい画素数になりますし、観望会受けしそうです。)

    にゃあさんのプランをそこそこのレベルで処理しやすくするなら、モノクロはナロー、カラーはフリンジキラーのようなフィルター使うのが楽かも

    • そう考えると、あんまり青ハロを消すことに一生懸命にならないくていいかもですね。

      どちらにしても、この流れで一通りやれることを試したら、あとはどうなっても178の二本は成仏できると思います (* ̄- ̄)人 i~ 合掌

      • 一番シンプルにするなら、モノクロだけナローでしょうか。
        星像がとても良いのでシャープなL画像さえ手に入れば、質の良いαチャンネル作れますので、カラーの方はフィルター使わなくても画像処理でいけますよ。(Bチャンネルのボケた部分のレベル下げるだけできれいになります)

        • そうですね。モノクロの方は激安フィルターをセンサーの前に差し込んでみようと思っています。カラーの方は、デュアルバンドナローの端物があるといいんですけどね(笑)

          青ハロ除去の方法、ありがとうございます。ナローバンドフィルターは高いので、対物レンズの前面に露出して装着するのに躊躇しているというのが本当のところです。

          • ナローバンド、そういうことなんですね(笑)
            安いのだと私もよく使ってましたが(最近は環境変わって撮影できません。。。)アマゾンとかで出てるムーン&スカイグローフィルター(ネオディミウム使ってるやつ)がなかなか使いやすいですよ。

            蒸着膜じゃないのでフレアとかムラとか出ませんし、コントラストが上がる程度のマイルドな特性なので画像処理もしやすいです。(Naとかは結構削ってくれます。)

            • 手持ちの安いやつだとUHCとかUHC-Sがあるので、これで試してみます。UHC-Sとかほとんど出番がないので、うまくいけば、このレンズ専用でもいいかもと前向きに考えます(笑)

  4. 色収差はありますが、周辺まで像が崩れないのはいいですね。1″までで8Mpixelでしたっけ、このレンズ。Aliで$40くらいで買えるやつですね。かなり魅力的(^^)。1/2.3″ 12Mpixelのラズパイカメラに付けたら・・・解像度追いつくかな。興味あるー

    • 3000円台でこの星像なので、かなりお得だと思います♪ ねこめしさんなら、ラズパイカメラ以外にもいろいろ製作と実験をされていそう。ぜひ、おひとつ!

  5. 像はシャープでいいですねぇ
    この焦点距離、暗い山だと面白そうだけど都市部だと、赤いのが写り難いのは苦しいかもですね…
    フィルター活用で面白くなるのに期待!

    • Cマウントにしては驚異的に良い星像ですよね。星雲用にとこの焦点距離にしたので、ここは赤いのを狙いたいですー。

  6. L画像、なかなかいいんじゃないの。👍
    おいらはこの画像だけで白いご飯3杯はいける。^^
    カラーは単発の時間が長い分だけ流れちゃったけど、言っている通り極軸の問題のようだから問題なさそうだね。
    しかし、合成結果の色がにぎやかだ。
    ”なぞの緑”も含めて改善の余地がありそう。^^;ホントカ?

    • ANT-6とかNC77とか、これまでの数々の試行錯誤をご覧いただいている是空さんなら、おわかりいただけると思いますが、今回は、かなりいい線行ってますよね(自画自賛)。色の問題などは誤差の範囲でっす(笑)

      • >色の問題などは誤差の範囲でっす(笑)

        👍^^

        • 🙂

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