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眼視体験を防犯カメラで記録してきた

臨死体験じゃないよ、眼視体験だよ。こんなタイトルだと、カルト団体の怪しげな活動を私が陰で撮影してきたように読めてしまうんだが、そんなことはない。ここまでやってきたことは、天リフさんが上手にまとめてくださっているので、そちらを読んでくださればなのだ。天リフさん、ありがとうございます。

「電視寄りの眼視」を実現したい・眼視体験を記録する | 天リフOriginal

本当に久しぶりに望遠鏡で星空散歩を楽しんできた。私が遠征に持っていった望遠鏡は、口径77mm、焦点距離が300mmくらいで、使ったアイピースは25mm。したがって倍率は12倍。フリップミラーで眼視と防犯カメラによる電視が切り替えられるようになっている。

どれくらいの範囲が見えるかというと、アルタイルを中心に入れたときに、脇にあるAlshainとTarazedがちょうど収まるくらい。55FL(200mm)とEOS Kiss(APS-C)で撮影する範囲とほぼ同じだと思う。アイピース越しに見える星景は鏡像だったので、ファインダーはアストロストリートの8倍50mmの正立を使った。見える範囲は、多少広いだけで、主鏡とあまり変わらなかった(汗)。

でも、しかし、眼視にこんなに熱中したのは初めてかもしれない。眼視の楽しみ方はいろいろあるんだと思うんだが、私は星図(SkySafari)を片手に、星空の名所をホッピングして探すというのをやってみた。

星図だと、一等星は大きく、二等星は少し小さく、三等星はさらに小さくと表現されているけれど、実際の星は言うほど大きさに差がない。当たり前のことなんだが、大きさで星を見分けることができない(もっとも木星は「針でつついたような点」ではなくて、「サインペンで点を打ったような」大きさだった)。

アルタイルを始発駅として、次はベガへ。ダブル・ダブルの最初のダブルは確認できたけれど、次のダブルは見えなかった。ベガからデネブへとうろついて、アルビレオに到着したはずなんだけれど、分離しているようでしていない(間違えた?)。重星を楽しもうと思うと、もっと長い望遠鏡が必要になるんだな。コートハンガーは写真で見ると、ハンガーの形をしているけれど、目で見てみると、そんなハンガーっぽくはなかった。

そんな名所めぐりも楽しいけれど、本当にたくさんの星屑が目に入ってくるのが心地いい。列車の旅に車窓の楽しみがあるのと似ているかもだ。望遠鏡から目を離して、空を見上げたら、天の川も見える。本当にきれいだ。

α6400と初代ポラリエで撮影した夏の大三角。実際の目には、こんなに色濃くは見えなくて、うっすらとした白い雲みたいに見える。

ここまで、見た星を防犯カメラに記録しようと思わなかった。ただの光の点だからと言えば、そのとおりだけど、星から星へと移動していることが楽しくて、記録に残すことが後回しになっていたという感じだと思う。

「動画に残したい」と思ったのは、アンドロメダ銀河に到着したとき。観光旅行で東京タワーやエッフェル塔を写真に収めたいと思うのと同じで、名所は写真に撮っておくという習性が身についているからなのかもしれない。

フリップミラーを切り替えて防犯カメラに光路を渡す。眼視したとおりに、繭のようにぼやーっとしている。感度を上げていくと、銀河の円盤が見えてきた。趣味として天体写真を始める前にカメラ三脚と望遠レンズで撮ったときの様子とよく似ている。

眼視で観察すると、ただの淡い白い光でしかないんだよ。でも、なんだろう、自分がこの目で見たアンドロメダ銀河は、それ以上でもそれ以下でもなくて、決してインスタ映えするわけでもないけれど、確かにそこにたどり着いたという証明みたいなもので、直焦点の天体写真とは違う価値がある。

最後に、ミラク、アルマク、ミルファクとたどって、二重星団に行き着いた。ここが終着駅。記念にカメラに収めておいた。あぁ、楽しかった。

記録に残すことを目的に眼視をしてみたんだけれど、それよりも、その過程が楽しかったよ。眼視で見る散開星団は、きれいだった。M13も見てくればよかった。まぁ、この望遠鏡なら、淡い光でしかなかっただろうけれどさ。

気づいたこといくつか。Plate Solveは便利だけど、星の名前を覚えることがなくなってしまったな。天体写真をはじめたときは、アライメントするのに、二等星の名前も覚えようとしたもんだ。広い視野で眼視を楽しむときは、ファインダーはビクセンのXYスポットファインダーのほうが目的とする天体を探しやすいかも。防犯カメラにこだわらず、同じPCレスなら、ASIカメラとスマホで記録を残すことも検討したい。場合によっては、素直にPCでSharpCapを使ったほうが良いかもしれない。それから、夏は涼しくて最高に過ごしやすかったけれど、零下10度の冬場にこの遊びは辛いと思う。

この記事へのコメント

  1. すげぇ楽しそうですねぇ
    いいなぁ (^o^)

    • けむけむさんを見習って動画を作りはじめました^^/ 天体写真より楽しかったりして(笑) DavinciとFinalCut Proを交互に試してます。

      • Davinci はフローチャートみたいなのに、アレコレ貼れるようになれば無敵でしょうが、そこが敷居が高くて定型動画から脱却しないままです…
        動画編集って体力いるけど楽しいですよね (^o^;

        • たしかに、Davinciはあのフローチャートが難しげです。無料っていうのが魅力的ですし、OSを選ばないというのもいいですよね。処理速度もあがったみたいですし。
          ただ、読み込んめても再生できないWAVがあって、都度、MP3に変換しているので、どうしようかなぁと悶々としています^^;

  2. 派手さはないよね。^^
    と、いうよりも正直地味だよね。
    ただ、その地味さを楽しむ侘び寂び世界。
    天文道は茶道に通じるものがあるんだな。

    あっ、是空と利休ってなんか似てねぇ?^^←ドコマデモ シアワセナヤツ

    • 地味ですよねぇ^^;
      特に星雲系のメシエ天体を見ていると、どうしても天体写真と比べてしまい、地味さが際立ちますよね。天の川あたりを見ていると天体写真以上に綺麗なんですが。

      是空と利休の共通点…どちらも飲食店の名前にありそう???

  3. にゃあさん

    観望楽しまれたようですね。
    にゃあさんのシステムだと眼視がファインダー、カメラが望遠ですね。

    カメラはフリップミラー側につけて、接眼レンスに正立プリズム入れると両方とも正立像で楽しめますよ。(カメラに左右反転機能あります。)

    小さな撮像素子なので、レデューサとか入れてレンズを明るくすると更に微光星まで見えるようになりますよ。(周辺像が問題にならない小さな撮像素子の強みです)

    • 正立プリズムがなかったので、仕方なしですね。ファインダーが正立だったので、ホッピング自体は問題なくいけました。正立プリズムは、眼視を続けるなら一個持っていてもいいかもですね。ただ、天体を拡大して見たいわけでもないので、正立ファインダーで眼視すればそれで間に合うような気がしないでもないです……。このあたり要検討です。

      レデューサーは、カメラ側に0.5xをつけてみたのですが、フォーカスが合わなかったですT-T

      次は、Cマウント2.8-12mmと8-50mmのレンズがあるので星座の電視をやってみます。T-Studioさんおすすめの12-120mmは、現在絶賛取寄中です。実際使ってみた感じだと、フリップミラーを使うより、眼視の望遠鏡に親子亀式でCマウントの防犯カメラを載せたほうがファインダーも兼用できてスマートな気がしています。

      実に気軽なシステムです^^

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