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M78を撮ってみたんだが、天体の色は何色か問題に遭遇

遠征すると「あれも撮りたい、これも撮りたい」って、いつも目移りしてしまうんだけど、今回は、M101とM78の二つの被写体だけにしたんだよ。順番でいうと、M78を撮ってから、M101を撮った。M78が低空にさしかかったので、高度のあるM101に移ったって感じ。撮影時間はそれぞれ、4時間30分、5時間とほぼ全夜を使って撮影できたってのは満足感があるな。これは、ASI AIR PROで子午線反転できるってのと、撮影後に電源が落とせるというこの2つの機能によるところが大きい。電源が落とせるってことは、そのまま寝落ちできて、朝まで粘れる放置できるってことなんだ。

M101に関しては、前回、書いたとおり。で、M78について。この子の撮影は、2017年ぶりだな。2017年時点では、天体写真を始めて1~2年目くらいの時期だったので、フラットの処理方法もよくわかっていなかったんだ。そんなこともあって、まともに現像した記憶がないんだけど、今回は3分106コマ、フラットとバイアス各60コマ、ダークは3分60コマを取りそろえることにしたんだよ。

現像はAPPとステライメージ9の二つで試してみた。APPは多少時間がかかるものの、ほぼ完成形で出力できたのに対して、ステライメージ(自動処理モード)はAPPより速いものの、出来上がりは真っ白。真っ白ってなんだよ。ステライメージは期待が大きいだけに、なんかうまくいかんなぁ。たぶん、私はほぼ全自動のAPPに移っていくと思う。

APPは、少し前にStar Reduceの機能が追加されたんだよ。星像を小さくしてくれたり、星像を消したりすることができる。星マスクを作ったり、フォトショップのアクションでバッチ処理するより格段に楽で確実なので、ここはやっぱりAPPが好き。自分で処理してる感は小さいんだけどさ。

APPの出力してくれた画像をみると、黒いもくもくが写っているし、まぁ、自分にしてはよく撮れているだと思った。それから、これをお化粧するわけだが、これが難しかった。天体の色は何色問題に遭遇してしまったんだ。M78の作例を見てみると、青く表現されていることが多い。でも本当に青いのか? 色をいじっていると、青一色じゃなくて、少し赤味がかかってる部分もあるのが分かる。特に北側の明るい塊は、燃える木のようなオレンジ色に近いかもしれないよ?

ほかのユーザーさんの作例を見ながら、M78って青いんじゃね?を意識して処理したのがこちら。アイリス星雲みたいな雰囲気もあるよね。青い星、赤い星の色の差が小さくて、どちらもほぼ白に近い感じになっているのがわかると思うよ。写真の左下に青色と赤色の星が並んでいるので比較しやすいと思う。

んー、でも背景も青みがかってるし、星の色の差が小さいってのは自然じゃなくない?と思って、星の色に注目しながら処理したのがこちら。M78って赤いのか?北側の塊は、燃える木星雲みたいな表現になってる(ちなみに左上に見える赤いもやもやは、オリオン座のバーナードループっす)。

背景に注目すると、もう少しニュートラルなグレーになってもいいんだけど、ステライメージのオートストレッチとかが手軽なのかな。ここはもう少し勉強する。

ネットを徘徊してみたら、どのユーザーさんもM78の表現には、だいぶ苦労されているみたい。M78って、これっ!ていう確定した作例みたいなのがない天体のような気がするので、目指す色合いとか雰囲気が分かりにくくなっているというのはあると思うんだ。逆にいうと、私が画像処理をするときは、作例に近づこうと調整しているのであって、何か別の客観的な指標に基づいて色を再現しているのではないらしいな。APPには星の色を基準にして色味を調整してくれる機能はあるんだけれど、それでも個人の好き嫌いが発揮されてしまうんだな。

まぁ、趣味の天体写真なんてのは、下の写真のように美しく着飾ったり、お化粧したりするもんなのだろうから、まぁ、正解なんてなくて、みんなが好き好きに処理するのがいいんだろうけど、私のお化粧はごり押しが強い気がする(1枚3分が短いのか?)。もう少し、ナチュラルな感じを目指したいと思うのでした!

 

この記事へのコメント

  1. 赤被りしてるヤン!
    と思ったのを見透かされました。
    M78ってこんなにディテール有ったんですね。

    機材テストばかりしていて、JPG撮って出しばかりです。
    ステライメージも持っていますが、現像を全然していません。
    使うのはDepskystackerくらい。
    フォトショップは解約しました。

    セッティングがヘタで三分回せたことないんですよねぇ。
    もしかして俺の中の北極星間違ってる?と思うレベル。
    いつも露出はカメラ上限の30秒まで・・・

    • 私はヘタレなので、3分以上回すことがほとんどありません…。試し撮りに10分以上かけるのって、気分的に待ちきれないですし、10分の間に雲が入ったらコマがダメになりそうだし…です。5分なら、許容かなぁ。しかし、長時間回せるのかと(笑)

      でも案外、オートガイドなら3分はなんとかなりますよ。PHD2とか、設定が難しくて億劫ですが、ASI AIRとかステラショット2なら、無問題です。ほとんどガイド鏡をつなぐだけ。とはいえ、極軸が正確でマシンパワーがあれば、短時間露光多数枚で問題ないですよね。

      極軸は、PoleMasterになれちゃいました。APPは、本当、楽ちんですよ。パラメータの意味よくわからんですが(汗)

      最近は、フォトショップを使うことも減ってきたし、サブスクやめよっかなぁ。どうしようかなぁ。

  2. こんにちは!
    撮影出来て羨ましい。札幌は、年明けてから天気予報的には4日ほど晴れの日がありましたが、いずれも撮影には向かない薄曇りの晴れでした。朝方晴れた日はあったかもしれませんが、寒くて自殺行為だし。

    折角作ったガジェットを試せないので悲しい・・・

    • 100%の晴れ予報を信じてよかったです。雲ひとつない夜空でした。冬のオリオン座方面は、星が落ちてきそうな迫力がありますよね。東京に戻ってきたら、シリウスだけが見えているような空で、季節を問わず、つまらんなぁと意気消沈してしまいましたが(悲)

      電源分岐付きのAZ-GTiすごいですね。これは使ってみたい!

  3. コマ当たり3分の良し悪しはわからんけど、トータルで時間をかけただけのことはあると思うよ。^^b
    好み的には下の写真が好みかな。
    上の写真も悪くないけど、比べると若干不自然な青さを感じてしまう。
    前回のM101も若干青いよね。^^←ナニサマダ

    • M101が若干青いのは、なんか最近、PIxinsightで処理した写真に、こんな雰囲気の写真を多く見かけるような気がするので、まねっこしてみました。

      そうでなくても個人的には青みがかかった写真のほうが好きみたいです。本当はニュートラルがいいんですが、天体写真のホワイトバランスって何で取ればいいのかよくわかりません。

      ホワイトバランスに忠実すぎると、しょーもない地味な見てくれになってしまうかもですけど(笑)

      • >青みがかかった写真のほうが好き
        おいらも同しで、その気持ちよくわかる。
        赤はかぶったように見えちゃうんだよね。
        ただM78あたりはバーナードループが近いから、背景が青っぽいよりも赤っぽい方が見ていて安心できるのかもしれない。

        • なるほどです。全体の色合いのバランスを考えながら、青っぽくしたり、赤っぽくしたりを考えるわけですね。たしかに、真っ赤な星雲を撮るときは、赤っぽいほうが落ち着くかもです。

  4. MILTOLで撮ったら、ええ~って言うくらい小さかったです…
    がっつり拡大すると興味深い姿ですね~

    • MILTOLは200mmでしたっけ? 今回は496mmで撮影したので、2.5倍くらい大きいってことですかね。以前、小さくて泣けてきたのは、かに星雲でした。こいつ、がっつり拡大して撮りたいです。

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