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初めてのナローバンド撮影、モノクロHαで撮った干潟星雲

前回は四苦八苦して干潟星雲を撮影したところまでを報告しましたが、ようやくコンポジットが終わりました。モノクロでかつ1936×1216をビニング2で撮影していたので、SI8の処理がなんと速かったこと!
さて、初めてのナローバンド撮影で、本当に写るのか心配でしたが、杞憂だったようです。結論から言うと、自分にしてはよく写っていて、本当に光害の首都・東京で撮れた写真なのかにわかに信じられませんでした。昨冬、バラ星雲をカメラレンズで撮ったことがあるのですが、輪郭さえ出てくれなかったことを考えると、明るい星雲とはいえ、ここまで写ったことは驚きです。
m8ha.jpg
処理を変えても、分子雲の細部が滑らかに出ていたことに驚きました。ちゃんと追尾してたら、もっと良かったと思います。これはHαフィルターのおかげもあるだろうけど、モノクロの繊細描写のおかげかもしれません。
また、同じ日にオヤジさんがNGC7000(北アメリカ星雲)を撮影してらっしゃいましたが、これも細部がしっかりした写真でした。オヤジさんの画角に入っているCygnus Wallは、実はにゃあ的にナローバンドで撮ってみたい被写体の一つです。近いうちに600mm〜800mmでじっくり撮りたいな。
前回書いたように、課題は山積なんですが、今回撮影してよかったと思うのは「自分でも都心で星雲が撮影できることがわかった」ということです。食わず嫌いだったダークフレーム処理が克服できたのもよかった。
機材的には不足がなく、あとはバーティノフマスクを使うとか、極軸をきちんと合わせるとか、星図に慣れるとか、運用面の修行を積む必要があります。惑星や広角星景なら極軸がアバウトだったり、天体導入も楽だったりしていいけれど、DSOはさすがにそうはいきませんね。同じ23区のcockatooさんがC11 F6.3で素晴らしいHα写真を撮られているので、「F6.3が暗い」とか言って機材のせいにしてたらバチがあたりそうです。
M16わし星雲の中心部、創造の柱

久しぶりに晴れましたので、M16わし星雲の中心部、創造の柱をHαで撮影してみました。C11+レデューサでF6.3と暗めですが結構よく写りました。撮影地:東京23区C11, x0.63Reducer, 10nmHα, ASI1600MM-C (-10℃)10sec x 361framesをSharpCapのLiveStackで合成(合計露出時間約1時間)ピント合わせはトライバーティノフマスクを使っています。

Satoru Takagiさんの投稿 2017年6月15日木曜日

「いずれナローバンドが上手になってからASI1600MM-COOLを買えばいいや」とQHY5III174Mでモノクロ撮影を始めたわけですが、「東京でこれだけ撮れるのなら」と、すでに欲しくなっています。危ない、危ない……。
おまけ
00_55_09_g4_ap67.jpg
上がQHY5III174M, 下がASI1600MC-COOL いずれもセレストロンC5と2xバローで撮影(2017年6月17日)
saturn.jpg
上記2画像を合体

この記事へのコメント

  1. オヤジも、今夜、光害があってもHαフィルターなら綺麗に写ること確信しました。
    えーと、ビルに例えると、骨組みがL画像で、内装がカラーカメラのRGBなんですかね。
    早いとこ、フリップミラーやって見たいですが、アダプターを制作中との事で、今週から梅雨明けまで暇潰し状態です。(笑)
    これをもって、郊外にプチ遠(近)征、楽しみです。
    (白黒ですが、ニワトリに萎縮するかも)(爆)

  2. オヤジさん、Hαならさらにスケスケです。悪用禁止です!

  3. Hα素晴らしい効果ですね!
    これはソソられますねぇ!

  4. けむけむさん、これは面白いです。私は光害の影響受けたくないし〜で半値幅7nmを選んだのですが、鏡筒に合わせて10nmとか13nmとか明るい目?でもよかったかなと思っています。ぜひMMと一緒にご購入ください!

  5. Hα撮影、うまくいきましたね。
    ライブスタックは、たしかに ガイド星が数個以上見つからないと開始しない問題がありました。Alignmentタブでいくつかパラメータを変更できるのでそれでチューニングできますが、ライブ画面上で星が見えるようにゲインと露出時間の調節をすることに加え、星像が小さすぎるとダメでしたので、ビニングの変更も効果がありました。iMX174は量子効率が高く、画素のサイズも大きいので、ビニングなしで良さそうに思います。
    光害地でのHαフィルターの高い効果は、眼視に適用できないこともあってか まだあまり知られていないようですね。中国製の安価なフィルターが入手できるようになっているので、撮影対象は限られるものの、今後もっと使う人が多くなっていくかもしれません。このブログは良い紹介記事になると思います。

  6. cockatooさんのおかげで、東京での撮影の選択肢が一つ増えました。これまで光害地で撮影できなかった星雲が撮影できるようになったというのは、嬉しい話です(^^) ありがとうございます!ライブスタックは、パラメータまで頭が回っていませんでしたので、次はビニングを変えたり、パラメータをいじってみたりで挑戦してみます。

  7. おお、素晴らしい!
    PC関連のトラブル(SSD換装していたらおかしくなった)回避に奔走している内に、ついににゃあさんにもHα星雲撮影で先を越されちゃいましたねぇ。
    ようやくPCは落ち着いたので撮影に復帰しなければ・・・・。

  8. あぷらなーとさん、お元気でしたか! 私はただ先にHαを撮ったというだけですよん。こういうのって結局、経験や勘の蓄積がものを言うと思うので、あぷらなーとさんの復帰&ご指導を心待ちにしています。しかし、こちら晴れてても星が見えないというのは辛いです。天体導入の出発点となる星が土星しか見えないという……なかなか場数が踏めません。

  9. 昨日試してみたのですが(すぐ曇ってしまって露出が稼げず残念でしたが)もっと暗いF10の鏡筒(レデューサを付けていないシュミカセ)でもHα撮影いけそうですね。
    https://www.facebook.com/satoru.takagi.927/posts/798617183629957
    ちなみに私は7nmと10nmのフィルターを持っているのですが、この二つの間では大きな差は感じられません。 ただ帯域外の光にかざすと10nmのほうが漏れが少ないですね。私の持っているフィルターでは帯域が広いもののほうがフロアーは低く抑えられているようです。

  10. cockatooさん、ありがとうございます!昨日、ちょっとだけC5(F6.3)でHαが撮影できるかをやってみました。SharpCapのLive Stackは、光量不足(3つの星が検出できない)でスタックできませんでした。すぐに曇ってしまって、アライメントを十分に調整できなかったということもありますが、まだまだF10が扱えるまで私の腕が及んでいないようです。しばらくF3.6で練習を積んで、 cockatooさんのような写真が撮れるようにがんばります(^^)

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