2016年5月22日は、私の記念すべき望遠鏡デビューの日です。ビクセンの屈折ED81SIIのファーストライトは、土星のコリメートだったんですが、直焦点で撮ったのがプレセペたん(M44)です。しかし、この日はなんと月齢 15.3 というバキバキ月明かり。撮影したい気持ちが強く、月明かりなんてなんのその。撮った夜空は青く、まったく天体写真とは思えない出来栄えでした。それがこの写真。ISO1600 149秒、Nex5R。一枚物の撮って出し。
いけてないでしょう? しかし最近、あぷらなーとさんのブログを読んで、心底すげーって思いました。天文薄明で撮影されたM42も、この写真と同じく青白い空だったんですが、みごとブラックマジックで立派なDeep Sky写真になっているではないですか。それで、私のプレセペたんを復活できないかと思い、3ヶ月前の写真をあさってってきました。RAWじゃなくてJPGで撮ってるし、極軸もきっちり取れていない、コンポジット用に複数枚撮ってないとか、いろいろダメダメ。しかし、ブラックマジックなら生き返るかもしれない!
まずは、フォトショップかもん! トーンカーブをいじったところで微光星が浮かび上がってくるわけでなし、分子雲のある領域でもなし。背景のカラーバランス取ってみるんですが、緑になったり、赤くなったりと散々。納得いきません。
次は、ステライメージかもん! やっぱりトーンカーブいじったところで、微光星や分子雲はともかく、UFOでさえ浮かび上がってきません。
しかし、背景のカラーバランスをとるために「オートストレッチ」を試してみますと、背景が一発グレー! 無茶苦茶、楽じゃないですか。そのあとゴニョゴニョした一枚がこれ。左上などに見えるセンサーの汚れが闇にまみれて消える効果はありました(笑)
結果、救い出せたかどうかは怪しく、ましてやプレセペたんらしさを引き出せたわけでもないですが、
・コンポジットしてこその天体写真(ライブスタックもやってみたい)
・バキバキの画像処理を前提に、JPGじゃなくてRAWでとるべき(ソニーは12bitらしいからASI1600と同じ)
・ダークも撮るべき(冷却ならさぼっちゃいそう)
・写ってないものは、どれだけ頑張っても炙り出せない(あるいは念写するか)
という勉強をさせていただきました。改めてASI1600MC-COOLはすごいカメラですね。APS-Cであること以外、NEX5で撮る理由が見つからないです。
しかし、一番の収穫は「オートストレッチすごいわ!」です。
写真の出来はともかくとして、この天体も眼視向きかなぁ。綺麗だった。初めて直焦点で撮影し、アイピース越しに見て感動したメシエ天体として、個人的に忘れられない思い出の星たちです。
いずれプレセペらしい、きらきらの写真撮れるようになりたいな。
この記事へのコメント
>写ってないものは、どれだけ頑張っても炙り出せない。
全くその通りですけど、最近、考えを改めようかと思うこともあります。
2014年11月から鏡筒を空に向けるのですが、庭は明る過ぎ。
色々、機材も調達しましたが、最初にASI1600MC-Coolを買うべきでした。
天体機材って、何か新しい物を購入すると、ごそっと、納戸に永久保存になることが多いです。
スマホカメラしか使わなったので、一眼レフも、使えないです。(笑)
冷却万歳ですね。
オヤジさん、ありがとうございます! 一発でお蔵入りになる機材があるということは、それだけハードウェアの革新度合いが大きいということですよね。確かに世の中のITの革新に比べて、一般の天体分野は遅れているような気がします。あるはずなのに浮かんでないお蔵入写真はありそうなので、頑張ってやってみます。新しい課題です。ありがとうございます!
おお、『黒魔術』会得されましたか♪
ステライメージのオートストレッチ、良いでしょう?あまりに酷い青かぶりだと、副作用で星が全部真っ黄色になっちゃいますが、普通の色かぶりだと一発で解決ですね。
会得というには程遠いですが、行き当たりばったりでなんとか黒くなりました(汗)しかし、画像復活のいいきっかけをいただきました。ありがとうございました!