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AZ-GTi vs. ポラリエ

AZ-GTiはまだ使いこなしていないんだけど、ポラリエと比較したらどうなのかってのは気になってた。オヤジさんが「退院したらAZ-GTiを買う」っておっしゃってるし、自分の頭の整理がてら、ざっくり比較してみることにした。

両者とも非常にコンパクト。私の場合、電車やバスでキャンプや旅行に行くときにバッグに入れて持っていける軽さが嬉しい。そうでなくても、徒歩圏内の広場に機材を持って行って撮影することを考えてる。

■用途
並べてみてすぐ分かったのは、そもそも用途が違うんじゃないかってこと。ポラリエは星景写真用で、AZ-GTiは星野写真も撮れるけど主に観望用だと思う。

ポラリエは星が流れないように星を止めることが主目的の架台。0.5 倍速追尾っていうのが星景写真を強く意識した機能で、星だけでなく風景も止めることを想定している。AZ-GTiは、自動導入機能が付いているので、風景を撮ることより、任意の天体を観察することを想定しているはず。逆に星景には向いてない。

■重量
無改造のポラリエ(740g)とAZ-GTi(1.2kg)を比べると、重いのはAZ-GTiだよなぁ。ドイツ式に改造していると、ウエイトやシャフト、赤緯体とかが乗っかってくるから、どっこいどっこいかしら。まぁ、ここでは無改造を前提に話を進めることにする。

■搭載する望遠鏡 / レンズ
ポラリエは広角レンズを搭載することが前提。望遠300mmも搭載できるけど、そうすると天体の導入にえらい難儀する。せいぜいM42とかM31とか大きめで位置が分かりやすい天体が限度だと思う。ドイツ式に改造しない限り、おのずから星景写真とか星座写真用途になるんじゃないかな。

対してAZ-GTiは、セレストロンC6相当まで搭載できるそうだから、C6だと焦点距離は1500mmになる。M27とかNGC6888とか場所が分からなくても、自動導入がそれを助けてくれる。これは、ポラリエにできない芸当。ただし、長時間露光すると視野回転を起こすので、本来的には撮影向きではない。追尾精度は試してないので分からない。アイピースで眼視したり、SharpCapで電子観望したりする分には、ポラリエ以上に使いやすいと思う。でも、C5,C6クラスを持ち歩くのはちょっとつらい。モバイル・トラベル用なら、せいぜい300mm望遠レンズ級までか。

■セッティング=事前準備
ポラリエは赤道儀なので、北極星を狙って極軸を合わせないといけない。傾斜計を合わせ、北極星をのぞき穴から捉える。北極星がどの星か分からないとアウト。広角レンズなら、アバウトな極軸でもいいらしいので、北極星が見えないときは、純正ポーラーメーターを使うという手もある。このお手軽さはよい。よりきっちり合わせたいなら純正の極軸望遠鏡もある。

ポラリエでは、カメラのファインダーや液晶をのぞきながら風景を画角におさめることになるんだけど、自由雲台の首かっくんに悩まされてストレスが溜まることもある。でも、そんなに騒ぐほどでもない(たぶん)。

AZ-GTiは、自動導入をするためにポラリエにない面倒がある。ファインダーと望遠鏡の光軸合わせ、んでからアライメント。光軸合わせは明るいうちにやっておきたい。この作業は、慣れた今でも面倒くさい。アライメントは一等星の位置を理解しておく必要がある。これが分からないと自動導入ができない。でも、覚えればなんてことないし、架台がおおよその方を向いてくれる。二等星はお手上げだけど、スマホにiステラとかの星座アプリを入れておけば無問題。

■カメラ・アイピース
ポラリエを星景用途に限れば、CMOSカメラを使う必要はなく、おのずから一眼レフ(とか普通にヨドバシとかで売ってるカメラ)になる。AZ-GTiは一眼レフもOKだけど、CMOSカメラの選択も視野に入ってくる。PCの持ち運びが必要になるので荷物が重くなる。長時間の露光をかけて、本気で写真を撮る分にAZ-GTiは向いてないと思うので、冷却用のバッテリーは必要ない。眼視用のアイピースなら、何個も持っていかない限り、なんてことない重さ。

■三脚
どちらも三脚は必要。ずっしりした三脚であることにこしたことはないけど、モバイル・トラベル用途なら2kgまでが限界だと思う。

と、単純に互いに代替できる機材ではないことは分かった。星景を撮りにいきたいならポラリエを持っていくべきだし、天体を観察するついでに写真を撮るとかの用途ならAZ-GTiが向いてる。キャンプでみんでワイワイするならAZ-GTiだな。盛り上がるのかどうか知らんけど(爆)。両者の用途がはっきりしたし、ドイツ式に改造したポラリエは元に戻そうかな。

# 三脚セットだと価格差が目立ちますね

この記事へのコメント

  1. 用途がハッキリしたところで…
    AZ-GTi って自分の緯度経度とか設定いるのかな?必要だったら、赤道にいると誤認させておいて、極軸を合わせる。
    でもってオートガイドする。
    視野回転しない。ハラショーってな実験やってみて欲しいなぁw

    • けむけむさん、

      GoogleMap が動作するスマートフォンやタブレットは内臓のGPSから位置情報を所得していますよね。同様にAZ-GTi の制御アプリである SynScan Pro もGPSからの位置情報を利用しているようです。したがって SynScan Pro からAZ-GTi に接続した時点で現在位置をスクリーン上で確認することができます。つまり外付けのGPSユニットは必要ないということだと思います。これはお買い得? 
      お手軽観望ならこれで十分な導入精度がえられると思います。

      撮影目的ならば、赤道儀のほうが優位の気がしますが・・・

      • けむけむさん、タックさん、テレスコ工房さんのブログで赤道儀モードで撮影した作例がありました。適当な極軸合わせでは、APS 18mm,60秒で星は止まるけど、138mm,60秒なら流れると。Sharpcapで極軸とればなんとかなるのかな。追尾精度は専業の赤道儀さんとは比べ物にはならないでしょうが、微動雲台は最低限で欲しくなりますね。

        https://blog.goo.ne.jp/tkfactory-japan2014/e/f823989cc68d3a0cca38261d404fcfba

        • うひー、ホントに赤道儀として使っちゃってる人いるですか (ノ゚ρ゚)ノ
          極軸は、デジタルファインダーでSharpcapっしょー。
          m-genでデザリングやったって記事待ってます\(^o^)/

          • けむけむさん、極軸はおっしゃるとおり電子ファインダー&Sharpcapがよさそうです。m-genはしばらく使ってないので使い方を忘れてしまったんではないかと(汗)

      • スマホGPSで緯度経度自動取得は旅の道連れにはいいですねぇ (^o^)
        AZ-GTi 面白そうですが、撮影は、普通の赤道儀が優位ってのも、間違いないと思います。
        けど、にゃあさんも、結構変態さんなので、きっと、コレを使って銀河を長時間露出撮影って、どう考えても無謀な用途に使うに期待です (^o^)

        • 旅の道連れには最適ですねー。赤道儀モードができるなら、大は小を兼ねるってことでAZ-GTiを持っていけばいいのかしらん。軽い鏡筒ならウエイトもいらなさそうです。銀河ですね(汗)まずはM31からやってみますかね……

  2. けむけむさん、にゃあさん、

    これ以上背中を押すのは気が引けますが、 AZ-GTi の赤道儀モードの60s 露出でここまで行けるそうです。手始めの M31 も掲載されていますよ。 

    https://www.cloudynights.com/topic/621805-nebula-night-with-the-wo-z73-asi294/

    私はお気楽観望派なのでこの道は進みませんが・・・(にゃあさんの背中をドン)

    • ほほほお。これはこれは。さすが曇天夜、やってますねぇ。
      私もBLANCA-70EDT使って似たよ… しない、しない (^o^)

    • タックさん、ここまでできたら文句なしですね。バグなしの正式なファームが出たら、試してみたいです! 背中を押されてしまってる(笑)

  3. こんにちは

    そういえば、こいつの赤道儀モード s/w にバグ有って記事あった。

    http://uctrade.jp/blog-entry-2167.html

    • moritoさん、ありがとうございます! 人柱になるには気がひけるので、おとなしめに攻めていきます! ショップさんが試してくれるというのはいい業界ですね(笑)

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