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AZ-GTi オートガイドへの道(4)経緯台でのオートガイドに成功

タックさんにオートガイドができることを教えていただいてから、けむけむ先輩に背中を押されて、しばらくかかりましたが、ようやくようやく到達できました。AZ-GTi を PHD2でガイドできましたー。パチパチ! ありがとうございました!

今回は、実際にオートガイドで撮影をしました。その過程をご紹介します。まず、PCの設定を済ませておきます。設定方法は「AZ-GTi オートガイドへの道(1)」をご覧ください。シリーズの通しはこちらから。

PHD2は、「機器と接続」でマウントの選択以外、特に何も気にしなくてOKでした。赤道儀のガイドと同様に使えます。私の環境で、これまでと違ったのは、ガイドケーブルが不要だったことです。SynScanがパルスガイド方式をサポートしているので、LAN接続を通じて、微動コマンドをAZ-GTi に送ってくれるというものです。

ガイドがない状態で、AZ-GTi に天体を追尾させると、追尾はするのですが、ものの数分で画角全体の1/4くらいの幅で移動してしまいました。左の方が黒くなっています(下の写真)。眼視で楽しむ分にはいいのですが、ちょっと撮影してみようとか、手放しの楽ちんで眼視したい向きには、十分な追尾精度がありませんでした(2スターアライメント時、焦点距離800mm)。

AZ-GTi でオートガイドができるようになると、このような移動がなくなります。また、視野回転が気にならない程度の短時間であれば撮影にも耐えうる環境が構築できます。実際に撮影してみたところ、オートガイドがあるのとないのとでは、その効果は天と地ほどの差がありました。

オートガイドなし60秒とオートガイドあり60秒の画像を並べてみました。デフォルトの追尾精度だと、60秒でかなりの移動量になります。一方、PHD2でガイドしたほうは60秒できっちりと止まっていることが分かります(焦点距離200mm)。

オートガイドしているのだから、当たり前と言えば、当たり前なのですが、経緯台でオートガイドができることに驚きました。また、これくらい止まってくれると、撮影の可能性も視野に入ってきます。

かんむり座のアルフェッカで1スターアライメントをしました。導入精度はいまひとつで、ラストワンマイルは、画面上のカーソルキーを使った手動で導入する羽目に。でも、天体の位置が覚えられて楽しいんですよ。

試しにヘルクレス座球状星団(M13)を撮ってみました。撮影に使ったのはSharpCapのLiveStackで、1コマ15秒で30分露光しました。1コマあたりの露光時間も60秒くらいまでなら延ばせると思いますが、ここでは撮影対象が動かないことが大事なので、短時間露光としました。想像していたとおり、視野の回転は激しいです。

ここまで動くと、本気で撮影する場合は赤道儀の方が優れているのは明白ですね。でも、トリミングを前提にすれば、全然問題ないと思います。トリミングして、画像を調整してみたのがこちら。ちなみに鏡筒は、アクロマート(AC)クローズアップレンズを使ったなんちゃって望遠鏡なんですよ。レンズのお値段1825円(笑)

AZ-GTi が優れているのは、非常にコンパクトで設置が簡単なことに加えて、自動導入ができることだと思います。次から次へと天体を導入して電子観望を堪能しながら、LiveStackした画像をスナップ写真感覚で保存するという楽しみ方ができるのは、新しい発見でした!

今回の機材は次のとおりです。撮影地は、東京23区内自宅のベランダ。フィルター類は使わず。いい空でした。

ガイド
カメラ:QHY5III174M
レンズ:サインソニック35mm
ソフトウェア:PHD2

撮影
カメラ:QHY5III178M
鏡筒:アクロマート(AC)クローズアップレンズ鏡筒(焦点距離200mm:F4)
ソフトウェア:SharpCap

この記事へのコメント

  1. おおー。新兵器配備からオートガイド成功まで電光石火のごとき早業。
    むむむ、これは常人には真似できません。恐れ入りました。

    しかも鏡筒がクローズアップレンズ転用の「Astro Nier」とは、痛快♪

  2. あぷらなーとさん、ありがとうございます! 一時、どうなるかと思いました。しかし、経緯台でオートガイドができて、しかもガイドケーブルがいらないって面白いですね。お手軽観望用には、お手軽鏡筒でないとですよ ☆彡

  3. 人の前を歩いてると、落とし物はします。
    人の後ろを歩いていると、落とし物を拾えます。
    にゃあさん、お世話様です。
    基本は、単純なオフガイドで使う予定ですが。時にオートガイドも使える訳ですね。
    でも、PHD2が面倒でM-GENに切り替えたんでした。(笑)

    • オヤジさん、どうも落とし物をしてしまったようです。跳ねても、もうチャリンともいいません(笑)M-GENはすごいですね。速いし使いやすいし、精度高いし。私も普段は、ノータッチの観望用で使うと思います。ポラリエどうしようかなぁ。

  4. オートガイドおめでとうございます。
    お手軽で、ここまで撮れるなら、面白いですね。

    • けむけむさんに背中を押してもらわなければ、やってなかったかもしれません。ありがとうございました! いずれ赤道儀に転用したときに、自動導入とオートガイドの組み合わせが生きてきそうです。鏡筒が十分に軽ければウエイトなしで撮影できそうなんですけど、できるかなぁ。

  5. オートガイド成功おめでとうございます~。想像以上に精度が高いことがよく分かりました。200mmでも短時間ならばこれでいけそうですね。ますます欲しくなりました。
    オートガイド無しでも標準レンズまでなら大丈夫そうなのでポタ赤代わりに買うことになりそうです。

    • 上杉さん、ありがとうございます〜。視野回転が許容できるなら、庭先でDSOが手軽に楽しめる架台だと思いますよ。いろいろ転用できて、コストパフォーマンス抜群だと思います。

  6. にゃあさん、

    素晴らしいレポートですね。参考にさせていただきます。
    私もにゃあさんのページで AZ-GTi を紹介していただき楽しんでおります。

    私の住んでいる場所は都内よりましですが、星見には良い環境とは言えず、どうしても機材で遊ぶことに比重がかかっています。これからも楽しいネタを期待しております。

    • タックさん、ありがとうございました! タックさんのおかげです。ベランダで星見が楽しめるだけで、天文道(笑)がぐっと身近になりますものね。遠征は遠征、ベランダはベランダの楽しみかたを探って行きたいですー

  7. こんにちは。
    おおっ!早くも成功ですか。驚きましたねえ。200mmがOKなら撮影対象が広がりますねぇ。サインソニック30mm安いし、ガイドカメラと撮影用CMOSカラーカメラ買っちゃおうかな。危ない危ない。

    • GさんがAZ-GTi を買われたので、指を加えて見てましたよ(笑)こんなに遊べる機材だとは思っていなかったです。QHY5III174は、1インチなのでお高いのですが、感度も高く私のなかで稼働率が一番高いカメラです。オリオン座とちょうど同じくらいの画角になって、星座の見渡しがきくので手動導入に重宝してます。もっと安く組み合わせることもできるのですが、成り行きでこうなっちゃいました(笑)

  8. AZGTiに振り回されています。
    アライメントが全くダメであっちに向いたりこっちに向いたり下を向いたり、使用機材は反射望遠鏡で口径200焦点1000ミリにレデューサーをかませて電動フォーカスリモート操作を組み上げたのですが、肝心の架台が思うように操作できません。北に向かって水平架台は鏡胴の右にセット垂直水平のねじを締めて開始するのですが2スターアライメント3スターアライメントでたらめの動きです。度に初期化するのですが安定しません。問題点がわからず困っています。知恵をお貸しください。

    • フェンディパパさん、はじめまして!

      AZ-GTiは経緯台モードでお使いですね? 
      AZ-GTiを赤道儀モードで使えるようにファームをアップデートしたのでなければ、
      鏡筒は北に向かって、右側ではなくて、左側にセットです。

      お試しください〜

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