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初めての徒歩遠征、AZ-GTiくんに東京の空を見せてあげる

「AZ-GTiくん、これが東京の空だ。飼育小屋の空と違って、どうだ広いだろう?」
「うん、電線がないね! 壁がないね! これなら都会の方が田舎より…」
「それは誤解だよ。いい子は信じちゃいけない話だよ」

ああだこうだと悩むよりは行動だろうと、とにもかくにも総重量約10kgの機材を背負って、近くも遠くもない公園(SQM17.83、Bortle class 8-9)まで、徒歩遠征に行ってきた。ほぼベランダで撮影している機材を持ち出したことになる。現地に着いたのはちょうど日没の時間。まだ明るいので十分に機材を準備できる。しかしだな、何かいつもと雰囲気が違うんだ。何かが。

暑いんだよ。ほら、遠征に行くと山の上のことが多いから、車から降りると涼しいんだ。ひぐらしの鳴き声も聞こえてくるってもんだ。でも、ここ平地は暑い。ミンミンゼミが鳴いている。しかも、駅から歩いてるものだから、額から汗、背中も汗びっしょり。マスクのなかはヨダレを垂らしたのかというくらいに汗で濡れてる…。

そんな暑さはそこそこに、機材をセットアップする。いつもベランダで組んでたのとほぼ同じだから手慣れたものさ。午後7時30分くらいになると、カメラで北極星が確認できるようになったので、ASI AIR PROで極軸合わせ(PA)を開始。ところが、PlateSolvingがいつもより時間がかかっているっぽくて、Refreshがスムースにいかない。それでも、高度はほぼ合っているし、方角も許容なので、PAの花火を見る前にオートガイドのキャリブレーションを始めた。

南の空は低空まで開けていたので、うちのベランダでは補足が難しいM8を撮ることにした。撮れる対象が山ほどあるって、すごいことだね。

導入をかけてみるものの、PlateSolvingにいつもより時間がかかる。どうしたものかね? 時間はかかったけど、導入はできたので撮影開始。GAIN131で1コマ2分、30コマをAutoRunした。8時すぎになると、隣接するテニスコートのナトリウム灯(だと思う)が消灯した。その分暗くなったけれど、山中の満月の夜より明るい。

高層に薄雲がはっていたようだけど、まずまずの天気。スマホに映し出されるM8を確認する。ガイドは荒れているけれど、いつもこんなもんだ。しっかり追尾してくれている。パソコンがいらないってのは徒歩遠征において大きなメリットだな。

撮影しながら気づいたんだが、ASI AIR PROにスマホをつないでいると、インターネッツができないのだ(WiFiを切ればつながるけれど)。しかし、ネットのない時間っていいな。ぼーっとしている。心地よいそよ風が吹いてきて、夕涼みって感じだ。冷たいエビアンを口に含むとさらに涼しくなった。

近くでは、若い男女のグループが花火をしている。犬の散歩する人たちやジョギングをする人たちもいて、ちょっとにぎやか。キツネの叫び声とかフクロウの鳴き声を聞きながら写真を撮るのと、また雰囲気が違っていていい。

ときおり強めの風が吹くんだけど、ぶっとい三脚と小さな鏡筒のおかげで、さほど風を気にする必要がない。ちょっと重かったけど、INNORELを持ってきて正解だったと思った。

見上げると、夏の大三角が電線や建物なしに目に入ってくる。木星がビカビカに光ってる。東京に住んで20年以上経つけど、こんなふうに緑に囲まれながら夜空を見上げたのって初めてだっけ。

階段に腰掛けて、Kindleで本を読んだり、ぼーっとしたりしているうちに、ASI AIR PROの画面に「Flipが始まるよー」というアラートが出た。これが世にいう「子午線反転」なのか。じーっと見つめていると、AZ-GTiくんは華麗に反転を決めて、再度PlateSolvingでM8を導入した。心のなかで、パチパチと拍手を送る。なんの設定もしてないけれど、ASI AIR PROは反転してくれるのね。すごいじゃないか。

60分を取り終わるころには、M8もかなりの低空に。時計を見ると9時すぎになっていた。反転で少し時間を食ったらしい。次は、網状星雲を狙う。ほぼ天頂にあって、ちょうど良いと思ったんだけれど、ガイドがうまくいかないトラブル発生。トラブルシューティングをしているうちに、おなかが無性に減ってきた。

遠征にいくときは、お弁当やおやつを持っていくでしょう? 今回の徒歩遠征は、雲が出たら帰ろうとか、荷物の負荷を確認できればいいやとか思っていたので、食べ物がない。水だけじゃお腹いっぱいにならんのだよ。あと1時間粘る気力がなく、ダークとフラットを形だけ撮影して、撤収した。帰宅して、速攻でメシ食った。空腹には勝てなかったという話。

気づいた点は、いくつもある。
1. 飲み物とおやつは持っていったほうがいい。
2. 北極星が見えないときはお手上げ。APTを動かせるPCがあったほうがいいんじゃない?
3. ダーク撮影の時間稼ぎのために、冷却カメラの方がいい。バッテリ持つかな?
4. 星雲を狙う場合、ASI385MCは画角が狭い。フォーサーズくらいは必要。
5. 荷物は背負って歩ける重さだが、むやみに重くしたくない。
6. 車で移動するより気軽で身軽
7. フラット光源は必須。

そんなところかな。ちなみに今回の持ち運びアイテムはこんなだ。カメラde遊ingさんにチェックリストあったほうがいいよ〜とアドバイスをいただいたので作ってみた。今回の反省に基づくアイテムを載せるかどうかは吟味中。

東京の空、徒歩遠征で撮った干潟星雲(M8)
今回の撮影は、徒歩遠征したという実績が大事。写真の出来は問わない。ただ、自己ベストではないけれど、「撮れたんじゃない?」って感じの出来には収まっている。 架台と鏡筒はAZ-GTiとBORG 36ED(200mm)。ガイドカメラとガイド...

この記事へのコメント

  1. 昔、江戸川区にいた頃、葛西臨海公園までカメラ担いで深夜徘徊したのを思い出しました。
    http://lzq.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-3cca.html
    なんか透明度が良い日だったみたいだけど、3等星くらいは見えると書いてますね(よく書いた!昔の自分)
    この頃は天体写真が趣味の人ではなかったので、写真のデータが何も無いっつ~のもアレです。

    • 葛西臨海公園は、海に面してるだけあって暗そうですね。東京の空も捨てたもんじゃないと思います。記録も大事だけれど、思い出も大事。けむけむさんアンソロジーを垣間見ました。

  2. >これなら都会の方が田舎より…
    昨日どこかのブログで読んだようなフレーズだなぁ・・・^^

    2,3日前に、ふと『19時ってこんなに暗かったっけ?』と思ったよ。
    考えてみれば夏至からもう1か月半も過ぎてるんだよね。
    昨日は日が沈んでもしばらくは空気がぬるかったな。
    昼の暑いのよりも、夜の空気がぬるいのが嫌いだ。
    昨日はまだ空気が流れているからいいけど、これで凪ったら『喝だ!!』(`´)

    • 撮影している公園にかき氷とか焼きそばの露天があったら楽しいのになぁって思いましたよ。そしたら、また「明るい。邪魔だ」とか言い始めそうなんですが。公園っていいですね。

      ぬるい空気も問題ですが、冬場も問題ですよね。冬場の数時間、自動車のなかで過ごせないとなると、寒さに耐えないとです。徒歩遠征は季節を選ぶかもしれません。

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