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ASI AIRは基準星アライメントを省略できるの?

ひょんなことで、突然ASI AIRのことが気になったので、サイトやら動画やらを覗きにいった。「パソコンがいらないし、オートガイドがこれでできるのって、やっぱりいいよな」って例によって指を加えて見ていたんだ。

ASI AIRは通常、主鏡とガイド鏡をセットにして使う。だから、主鏡のファインダー座にオートガイド用のカメラを載せてしまうとファインダーを載せる場所がなくなる。実際、いくつかの使用例を見ていてもファインダーが同架されていない。

「ファインダーを載せる場所がないと、初期の基準星アライメントができなくなるじゃないか」と考え込んでいるうちに、「ひょっとして、アライメントがいらないの?」と気がついた。本当、そうなの?

自動導入赤道儀(AVXの場合)って、まず(1)極軸を合わせる(2)観測地の日時と場所を入力(3)ツースターとかスリースターでアライメントをする(4)コントローラーから被写体を選んで導入する、って順でやるよね?

(1)の極軸合わせは、こればかりは天体撮影の宿命みたいなもので、必ずやらないといけない。いつも私はPolemasterでやってる。この作業は慣れてきたので数分で終わる。

(2)の入力は数秒で終わる。

面倒なのは(3)のアライメントなんだ。光学等倍のファインダーで、一等星を肉眼で探す。近いところに望遠鏡が向いてくれるけど、なかなかぴったり合わない。たまにえらくずれているときもある。なので、右に左に上に下にと望遠鏡を動かしながら、パソコンのモニターや一眼レフの背面ディスプレイとにらめっこしながら基準星を中心に入れる。これを3回繰り返すのは正直面倒だよ。

自分が分かる基準星は屋根の向こうとか、アライメント中にプロキオンが樹木にかかってやりなおしとか、カフとシェダルはどっちがどっちだっけ?とか、一筋縄でいかないことがままある。面倒だけど、そうやってきた。

ASI AIRは、プレートソービング(Plate Solving)ができる。プレートソービングっていうのは、撮影した画像をもとに望遠鏡が向いている方角をコンピュータが把握してくれる機能。そのうえで、導入したい天体との位置の差分を計算してくれて、撮影したい天体の方向に自動的にギュイーンって向けてくれる。PCにインストールしたAPT(AstroPhotography Tool)にも同じ機能があるので、便利に使っている。この機能を甘くみてたかもしれない。

私は、望遠鏡の向きがある程度まで被写体にまで近づいていないと、プレートソービングは機能しないと理解していた。つまり、被写体を正確に画角の中心に持ってくるための補助的な機能だと理解してた。だからファインダーによる基準星のアライメントが必要だと考えて、面倒でもその作業をしていたんだ。

しかし、プレートソービングが完璧なら、ファインダーによるアライメントが不要になるはず。ググっているうちに、天リフさんの記事に出会った。これを読むと「極軸を目分量で合わせ、アライメントも行わない状態」で「Plate Solveを2回反復するだけ」で天体導入ができてる。

ASI AIR ・Plate Solve革命 | 天リフOriginal
少し古いですが(10/25)、ZWO社のASI AIR Facebookグループに、次期リリース予定のバージョン1.07(β)の機能強化点紹介動画が掲載されています。

この記事はβ版のレビューだから、「アライメントを行わない状態」を強く訴えなかったのかもしれないけど、本当にそうなら、すごいことだよ〜。QHYの信者を辞めて、ZWOのガイドカメラを買っちゃうよ。

北極星の方角を向いていても、南天のアンタレスが導入できるようなプレートソービングまでは期待していないけど、基準星アライメント不要の自動導入ができるとしたら、PCレスよりアライメントレス欲しさでASI AIR買っちゃうよ。

こら、指よ、まだ動くんじゃない!

# APTのGOTOでも基準星のアライメントがいらないくらいの精度を期待できるんだろうか? 下の動画はAPTのプレートソービングの手順。

この記事へのコメント

  1. 天体観測4年目ですが、
    考えてみれば、アライメントの儀式が一番難儀かもですね。
    長焦点だと、入っているハズが、1時間粘っても入らないことも有り。(暇人なので)
    実は、オヤジも、これ、数回ボタンを押しそうになりましたが、昔のUnix使いSDカードにOSを入れるのに納得が行かないのですよ。(頭古杉)
    赤道儀に電源を入れたら、5分位で自動導入出来てる状態になったら、お江戸のお殿様ですね。(汗)

    • オヤジさん、この儀式を疑わずにやってきました。省略できたら、本当、お殿様ですね!

      >SDカードにOSを入れるのに納得が行かない
      分かるような気がします(笑)

  2. 追伸です
    上の書いたのは、焦点距離2000mmを越えるEdgeHD800(2032mm)とC11(2800mm)についての事でした。(汗)
    1500mm以下だと、アライメントも直ぐ見つかります。

    • 基準星と赤いレチクル(ビクセンの光学等倍なので)を重ねるのも面倒なのですが、コントローラーに出てきた一等星が屋根や木の向こう側にあって、仕方なく2等星でアライメントするときが泣けてきます。アルフェッカって誰だよって(笑)

      • 今、電柱3本で難儀しておりますので、にゃあさんのお気持ち1/10位は理解できます。
        おもちゃとして、
        買ってみようかな♪やっぱりやめようかな♪
        極軸を、確り合わせてアライメントすると、C5でも1個目で星が画面に居ますもんね。
        そうなると、後は、WowWowのCM・・・・(笑)

        • オヤジさん、アライメントをするに越したことはないけれど、なくても導入できるかもというくらいの出来かもしれませんよ。私も、買ってみようかな♪やっぱりやめようかな♪です(笑)

  3. APT の PlateSolve にある ASPS はブラインドモードで、どこを向いてても大丈夫ってスグレモノなので、同じ事ができるんだと思います。
    どの解析時間がかかるのかな?ってのが気になりますが、ファインダーくらいの広い範囲が見えてる状態なら、サクサクかもですね。

    • けむけむさん、all sky plate solverってやつですね。アルゴの出来は別としてマシンパワーだけを考えると、さすがにラズパイより上行ってそうですからASI AIRより優秀なことを願いたいです。うちのpcには一応全データを放り込んだので今度アライメントなしでやってみます。

  4. >アルフェッカって誰だよって(笑)
    かんむり座って、小学生のころ好きな星座だった。
    小さいのにかんむりのようにきれいに弧を描いている。
    その頃は普通に全体が見えていたんだけど、大人になってから見た記憶がないということは、光害でそのアルフェッカ以外がほとんど見えない状態なんだろうな?
    星空がきれいな日にちょっと探してみようかな。

    >こら、指よ、まだ動くんじゃない!
    笑った。^^

    • 是空さん、かんむり座、あの並びが綺麗ですね。ティアラのようです。空高くにアルクトゥルスが見えることがあるので、かんむり座もたどりやすいはずなのですが、東京の空ではアルフェッカも見えません。遠征に行ったら気をつけてみます。

  5. APT には、撮影して Solve して移動させて撮影して… ってな事をやって、ドンピシャにする機能があったような…

    • けむけむさん、ですよね? GoTo、GoTo++、aimとかそうですよね? ただなんか使い分けとか、APTでアライメントが不要なのかとか自信がないのです(><)

  6. はい、ASI Air使いが来ましたよ(使いこなしてないけど)。
    Plate Solving便利ですよ。
    アライメント適当でも数回の操作で目的の天体が中央に来ます。
    さすがに明後日の方向を向いていると無理ですが、近い領域からなら大丈夫。
    Stella Shotでも同様のことができますが、3万円超のソフト+PCが無くても、
    2万円チョットのAsiAirで同じ事ができることは凄いと思います。

    たった2万円ですよ!
    鏡筒や補正レンズや赤道儀に比べたら安いもんですよ!
    (私はAsiAir対応の赤道儀を持っていなくて、赤道儀が生えましたが・・・)

    話変わりますが、アライメントが超苦手です。
    架台のセッティングは有ってるはず(と思っている)ですが、基準星が全然導入できない!
    なのでファインダーは必須です。
    が、望遠鏡歴だけは無駄に長いのに、手動導入も苦手なので、
    アライメントに時間かかりまくり・・・
    さらに自動導入も失敗するし、ガイド撮影も上手くいかないポンコツです。
    なのでPlate Solving的な機能は、実に有り難いです。
    あっという間に電視観望や撮影を始められる人を尊敬しています。

    観望会での導入もどんくさいので、Plate Solvingで導入しようかしらん。

    • せろおさん、数回の操作で真ん中ですか。素晴らしい。アライメントは面倒ですよね。アライメントをとらずに導入できたら負担が超軽減でますよ。APTでまずやってみようっと。本体2万円ですものね、合わせてガイド用のASIカメラが生えてきそう。同じカメラを買うなら…(笑)

  7. お使いの赤道儀によりますが、Ekosでも同様のことが出来ますよ。
    (極軸設定とSolverを利用したアライメント機能があります。)
    但し、PCやラズパイ側で全て行うとハンドルコントローラとの整合性がなくなります。
    私の赤道儀はAVXですが、ハンドコントローラー側でラストアライメントという設定にするとアライメント操作を省けます。
    その後、KStarsの星図からトラックでGOTO→Solver→Syncで真ん中に来て星図とも同期します。
    私は都度Solverで同期してしまいますのでEkosのアライメント機能は使用していません。

  8. 追伸
    この機能を使用するときに気をつけるのは、AVXのラストアライメントのように最低限架台の初期状態が入力された状態で開始しないと初回GOTO時に望遠鏡がどこに向かって動くかわからない危険性があることです。(ノーアライメント状態なので。。)
    このようなモードがない場合はワンスターでファインダーに入っている程度で構いませんのでハンドコントローラー側でアライメントをとっておくと安全ですよ。

    • T-Studio さん、ありがとうございます! EkosもSolverを実装しているのですね。私もAVXなのでいただいたアドバイスのとおりやってみます。まだ、カメラの接続もままならぬ様子なので、四苦八苦していますが、いつかはきっと!

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