にゃあ「マゼンタフリンジを消したいです」
UHC「お前の願いは叶った。私を召喚するがよい」
いっしょうけんめいに撮影中
にゃあ「あの、マゼンタは消えたんですけど、ただ……」
UHC「ただ、なんだ?」
にやあ「別のフリンジがでちゃって……」
UHC「願いを叶えてやったまでだ。文句はあるまい」
にゃあ「あ? 文句あんだよ!」
今回の撮影結果を寸劇風にするとこんな感じ(笑)
満月の夜でしたが、NC77を実戦投入し、かつマゼンタフリンジ退治を試みるべく遠征してきました。雲に見舞われたものの意外に晴れて、北アメリカ星雲とサドル付近が撮れました。
EOS Kiss7XiにSVBONYのUHCフイルターを装着し、NC77をAP赤道儀に積んで撮影です。焦点距離が300mm弱なのでオートガイドは不要かと思いましたが、極軸がいい加減だったため、M-GENを仕掛けました。カメラ制御もM-GENから行いました。
北アメリカ星雲はISO800で10分(1min x 10)、サドル付近は同42分(25sec x 112)の露光をかけました。サドル付近が25秒と短時間露光なのはカメラ側をバルブにするのを忘れてしまったためです。他意はありません。
まずは北アメリカ星雲をご覧ください。周辺の歪んだところは捨てて、比較的綺麗なところだけ切り出しました。星マスクとか使ってなくて、画像処理は下手くそですが、ダークなしの10分にしてはちゃんと写ってますね。
ステライメージでコンポジットが終了した状態のビフォーと星雲を強調したアフター。
続いてサドル付近。こちらはダーク(25sec x 10)を引いています。こちらも歪んだところは捨てましたが、比較的端の方にあったM27冷却塔も点で写っていました。サドルにマゼンタのフリンジがありません。UHC作戦は成功したようです。しかもANT-6と比較にならないくらいよく写っています。なかなかのレンズのようです。
こちらもビフォーアフター。Starnet++とか使って星マスクをしたら、だいぶスッキリした画像にできそう。赤外線感度はASI1600に比べて弱いのかな。それとも月のせい? あぶり出しにちょっとてこずりました。
よく写っているとはいえ、これは縮小マジック。拡大して細かく見てみると、確かにマゼンタフリンジは消えましたが、違う種類のフリンジが量産されてしまって手に負えない状態に! いずれも淡いシアンが星の周囲を取り巻いています 🙁
マゼンタフリンジの件で、撮影中にあぷらなーとさんが「カメラのR素子が青色にも感光している」可能性があるとコメントをくださっていたのを思い出しました。私が思うに、今回のシアンフリンジの件は「カメラのB素子が赤色に感光している」のではないかと。だとしたら……。
SVBONYのUHCは脇が甘いのだっ! Hα以上の帯域が開放されているから、青のセンサーでも緑のセンサーでも感光しちゃうんだ。青の脇を締めたら、赤の脇も締めるべしなんだぁ!(仮説妄想モード)。
次は赤の脇を締めたLPS-V4に登場してもらう必要がありそうです。
それから、心眼で見える方にはおわかりでしょうが、ど真ん中に巨大なゴーストが日の丸のように写り込んでいます(上の作例では目立たないようにしました)。ふつうに見たことのないゴーストなので、気づいたら文字通り心霊写真級に怖いっす。これはおそらくレデューサーが原因。
APS-Cの周辺像も悪くはないのですが、ここはフォーサーズ用と割り切って、レデューサーごと捨てる判断をするかどうか。それはそれで理想の鏡筒に近づくのですが。
つづく(タララララァーラー♪ show me 森川由加里)
この記事へのコメント
なるほど、なるほど、UHCって波長の短い側がオープンなんだね。
まぁ、それはそれで使い道があるのかもしれないけど。
フリンジの原因が徐々にはっきりしてきたから、改善策は色々と考えられるのがいいよね。
タララララァーラー♪
これを聴くと「早く次回を見たい」という気分になる。^^
あっ、東京のこの天気で遠征したんだね。
はくちょう座も大喜びに違いない。👍
是空さん、最後にはEFWでナローバンド撮影という最終兵器があるので楽観的に遊べてます。ナローとかセミナローを使わなくても綺麗に写るのが理想なのですが、なかなかそうは行きませんね。
その違和感は、ナローを使う目的の問題なんだと思うな。
狙った狭い帯域の光で表現したいのか、光害やレンズ特性をカバーするために使うのかということだね。
後者が目的の場合、どうしても自分の表現したいものとの乖離が発生していまう。
そうか、最終兵器があったか。^^
あっ、自分の↑のコメントの大きな間違い発見。
「短い側がオープン」×
「長い側がオープン」〇
是空さん、東京とか光害の激しい場所だと、ナロー撮影が一番強力に効くのは明らかなのですが、白黒は味気ないし、SAOは面倒だし、やっぱり普通の色で天体を見たいと思うのが人情なんだと思うですよ。そうするとデュアルナローが一つの妥協点で、できればセミナローで色表現を楽しみたいといったところですかね。私はいまのところ機材いじりが楽しいです(笑)
いやいや、透明感が素敵な良い写りだと思いますよ!
残存フリンジの件は、フィルターの帯域が広いことに起因するのかも知れませんね。
うーん。収差曲線が公開されていれば対処法はすぐに分かるんですが、ねぇ。
こちらのACクローズアップNo2-77mm版は、若干赤と緑の焦点がズレているのですが、こんなものだと割り切ることに決めました。
あぷらなーとさん、ありがとうございます。頭のなかで収差曲線をイメージしてみると面白いですね。暗闇のなかを進んでいるようなスリリングな気分です(笑)しかし、おっしゃるとおり、どこかで割り切りは必要ですよね。どこに行き着きますやらです。
この頃、あぷらなーとさんのblogか、にゃあさんのblogか、解らなくて、URLで確認することもシバシバ。(笑)
どうして、人は、オタクの世界に向かうのか・・・・オヤジには解んねーぇなーぁ。
これは、本音ですが、面白いですね。
意味が解らなかったので親友にBlogを見て貰ったら、ケンコーの接写レンズで、望遠鏡を作っているようだな。(笑)
でした。
日常のニワトリ・庭撮り、の、環境が早く欲しいので、暫くは、読み物Blogで失礼します。(笑)
オヤジさん、意味不明なエントリーの連続でスミマセン。アポクロマートのレンズが発売されたというのに飛びついたのはいいのですが、なかなか一筋縄でいかないので、なんだか意地になってきました。自分でも何をやっているか分からないです(笑)光害に強い望遠鏡を作りたいだけだったんですが….(汗)