鏡筒の仮組みをしてみて、いくつかやることが浮かび上がってきた。大きく3つだと思う。
(1)剛性の確保
(2)遮光
(3)光軸の調整
特に(3)に関しては、実用に直結する問題なので、仮組みとはいえ、光軸を合わせられるかどうか、改良に入る前に確かめておかないといけない感じがする。コメント欄で、光軸調整のアドバイスをいくつもいただいた。ありがとうございます。
そもそも光軸調整というのをこれまでしたことがない。この計画中に取り入れたレーザーコリメーターを使った光軸調整は、赤い光の点を黒い穴に持っていくという分かりやすい操作だったけれど、黒い穴の範囲が広くて、本当に中心に来ているのかどうかが判別できなかった。何度かコリメータを回してみて、光が穴に入ったことを確認するくらいでは、光軸はドンピシャで真っ直ぐにならないらしい。どうも想像していた以上に、光軸の調整ってシビアみたいだ。
どうしようっか? プライムニュートンは、ある意味ニュートン鏡とシュミカセの間みたいな鏡筒なので、今回は、シュミカセの光軸調整に使われるトライバーティノフマスクを試してみることにした。ねこめしさん、ビンゴです。製作に関してはCooktooさんのサイトにお世話になった。
3Dプリンタさんにトライバーティノフマスクの納期を尋ねたところ、「90分ほどでお届けに上がります」というので、早速注文。夜中なのに便利だね。ごにょごにょにしているうちに、手元に届いた。装着時に「同心円のずれ方向と調整すべきネジの対応」が分かりやすいように、マスクにポッチをつけておいた(マスクの右上。わかるかな)。
このバーティノフマスクの装着は、一旦、フォーカサーを外して、マスクを鏡筒に載せたあと、フォーカサーではさみ込むという形にした。ピント合わせが目的じゃないので、大丈夫とは思う。改善はできそうだが。
トライバーティノフの使い方は、天リフさんの記事が分かりやすかったので参考にした。
航空障害灯に鏡筒を向けてみた。光条が3本のところと2本のところがある(左上に見える太い光は、ビルの壁面)。
翌晩、Prayer Nier 385だと明るさをひんぱんに自動調整しちゃって光条が見にくいので、SharpCapで作業を続けることに。実際は、レーザーコリメータでおおよそを合わせて、トライバーティノフマスクで追い込むという感じ。だいたい合った感じがした(=なかなか最後まで追い込めなかったの意)ので、カメラをPrayer Nier 385に戻す。調整作業中のキャプチャは熱中しすぎて撮るのを忘れてしまった。
光は真円に近い雰囲気で写っているようだし、スパイダーの4本の光条もなんとなく分かる。
前日に撮影したビルを確認する。もやっているのは雨のせい。左の光源は左に羽が生えていて、右の光源は右に羽が生えている。中央はその間って感じ。ニュートン名物のコマ収差かな?
前日の写真(下)と比較してみる。本当は○になってほしいんだが、□だったのが*になった感じかな。でも、前日の写真には大きなコマは見えないな。なんでだろう。
ついでに確認したのは、固定ネジを取ったときと取らなかったときの違いについて。結論をいうと、ほとんど変化はなかった。昨日の場合、固定ネジをとったときに、カメラが動いて、たまたまいい位置に落ち着いたとか、そんなのが原因だったのかもしれない。
どちらにしても、レーザーコリメータとトライバーティノフマスクを使って、慣れない手付きで追い込めるところまで追い込んでみた。慣れればもっといけるかもしれないけれど、いまのところ、まぁ、ここまでだ。空が晴れたら、実際に夜空を撮ってみる。コマと思われる羽の有無については、宿題にしておく。
それから、QHYのドライバを最新にしたら、5III-174と178シリーズで静止画が撮れなくなっていた(つまり動画専用)。これは困ったな。INDIドライバの方は大丈夫なんだろうか。
この記事へのコメント
おおー、素早い。すぐに作ってちゃちゃっと試せるのが3Dプリンタのいいところですね。点光源が歪んでいるのはミラーになんか力がかかっているんですかねぇ。なかなか難しいですね。
照明アルアルで点じゃない光源という説も・・・・・。
航空障害灯とか点じゃない光源だとうまくいかないのかもです。本物の星でやってみます。
3Dプリンタは本当に便利ですね。ミラーに力がかかるということもあるのですね。トライバーティノフの使い方が今ひとつ体にしみついてないっていうのもあるので、試行錯誤してみます。
6角鏡筒、外形がカッコよくできましたね。
いよいよ、作業は緻密で神秘的な領域へ(笑)・・・
光源の左右の羽?ですが、ピントを微妙に前後しながら星像を観察すると、コマだか何だかわかりそうな気がします。鏡面の歪みも含めてですが・・・
いつも、格好はいいんですけどね(笑)
鏡面が歪んでいたら、もともこもないですよね。なかなか、代替品も見つからないのでこれでがんばってみます。
プライム式(←この表現が正しいかどうか?)は構造的にはシンプルだけど、何かと神経質な部分が多いということがわかった気がする。
そんなことを気が付かせてくれるだけでも、このプロジェクトの意味が大きいと思う。
既製品を買って文句言うのは簡単だよなぁ~。とね。^^チョット オトナニナッタ
新しい3Dプリンターが順調に稼働しているみたいで何より。^^b
ピント合わせするときに、指が影になるとかも神経質になりますT-T 光軸の調整は、たぶん私が慣れてないだけです^-^
NC77のときも思いましたが、市販品って、きっと光学系の収差を補正するところにビジネスがあるんですよね。光を捉えてセンサーに映し出すのはきっと誰にでもできて、最後のもう一息の部分が難しいっていう感じです。
3Dプリンタは、安定してます。ほとんど失敗がないので、外出中もエッサホイサ!
一気に進行しましたね。
短焦点は光軸合わせすごくシビアですよ。
INDIはアップデート少し待った方が良いです。(1.9.4、1.9.5と私の環境ではトラブルまみれでした)
光軸はシビアですか、努力で乗り切ります(笑)QHYは設定見直してみますが、現状だとソフトウエア的に死にました…。INDIだけでも動いてくれればいいのですが。
T-Studioさんに教えていただいたSDI接続のカメラはお気軽ですね。ちょっとした観望とか見え方のテストだとこれで十分というか、一つの用途として確立しているように思えます。満足度高いです。
PC使うとドライバの動作など本当に気を使いますね。。(早く回復するといいですね)
SDIカメラは画像処理エンジンが利用できてPCレスでも使用できるので本当に便利です。(蓄光機能付きだと感度も更に上がります)
蓄光機能はぜひ試してみたいです。そのうち漁ってみようと思いますが、円安がきついですね…