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天体改造カメラのホワイトバランスを調整してみる

一般的な一眼レフやミラーレスで天体写真を撮ると星雲の赤が出ないので、星雲のHα輝線が写るようにと、いわゆる「天体改造」をしたり、すでに改造された個体を買ってきたりするよね。

私の手元には、クリア改造のEOS Kiss X7iとHKIR改造のα99の天体改造機がある。前者はヤフオクで落としてきたもの、後者は東京のハヤタ・カメララボさんに改造をお願いした。私の場合、EOS Kiss X7iについては、カメラレンズを持っていないので天体専用として使うしかないのだけれど、α99はAマウントレンズが何本かあるので地上用にも使いたい。今回はα99改のホワイトバランスを調整して地上用で使えるか試してみたい。

クリア改造機のホワイトバランス調整の顛末はこちらの記事で扱ってます。

天体改造機は、星雲の赤が写るような改造なので、何もしないまま地上の写真を撮ると、画面全体が真っ赤になってしまう。たとえば、下の写真のような感じだ。こちらはα99改でホワイトバランスのモードを「太陽光」にして撮影した。これだと、地上用の撮影に使おうとは思わないよね。

ホワイトバランスのモードを「オートホワイトバランス」にすると、赤みは改善される。しかし、逆に青みが強くなってしまい、とても不自然な感じは拭えない。やっぱり、地上用の撮影に使おうとは思わないレベル。

たいてい、どのカメラもそうなんだけれど、ホワイトバランスをカスタムで設定できる機能があるので、カメラのホワイトバランスを調整してみる。

準備するのは、普通の白い紙だけ。ただ、私の手元には、銀一の「グレーカード」があるのでこちらを利用することに。このグレーカードは、シルクスクリーン印刷がされていて、表面が18%グレーになっている。この18%という値は、反射率のことで、本当の真っ黒は0%だし、本当の真っ白は100%になる。難しい理屈は分からないけれど、世の中的に被写体の反射率は18%ということになっていて、業界の標準になっている。プロユースでない限り、普通の白い紙でいいと思うだけれど、たまたま手元にこの「グレーカード」があったので、今回は、それを使ったというだけなのだ。ただの紙なんだが、びっくりするほど高くはない。

α99の場合は、ボディーの「WBボタン」を押して、「カスタムセット」を選択してシャッターを押して登録するだけ。改めて、写真を撮ってみる。ゲームパッドの銀色が銀色らしくなったし、赤青黄緑のボタンの色合いも自然だね。

ちなみに肉眼でみた背景の木目(なんだよ)は白なので、まだちょっと赤い感じがするけれど、これは、どうしても赤外線域の赤が補正しきれないことやライティングによるところが大きいんじゃないかと思う。D810AやEOS Raといった、メーカー純正の天体カメラでも赤かぶりは補正しきれないから、自前の改造機でこれくらいなら、これでOK。地上用に使ってみようという気も起きてくる。

最終的には画像処理の段階で色を調整することになる。色温度と色合いを少しだけ画像処理をして見た目に近づけてみた。ちょっと青いかなとか思い始めると、作業がいつまでたっても終わらなくなる。時間があったらホワイトバランスの微調整をしてみる。EOS Kissにカメラレンズを買うことがあったら、同じくホワイトバランスを調整してみようと思う。

ヤフオクで天体改造機を買って、地上用にも使えないかなと悩んでいる方がいらしたら、一度、ホワイトバランスの設定をしてみるといいんじゃないかと思うのだ。

もっとも、私が改造に出したハヤタ・カメララボさんなら、作業を終えるときちんとホワイトバランスの設定もしてくれる。ただ、何年か使っているうちに、色味が自分好みではなくなってきたので、α99のホワイトバランスを私好みになるようにしてみたというわけなんだ。

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この記事へのコメント

  1. カラフルなキラキラボタンに目が行ってしまって記事を読みませんでした(素直に白状)

    • キャンディーみたいで綺麗ですよね! キラキラ質感の写真に注目してくださってありがとうございます!

  2. 早田カメラって天体改造もやってるんだね。
    クラッシクカメラのイメージしかなかったよ。

    4色のボタンの色艶がなんとも言えないいい味だしてる。^^bナメテミタイ
    たしかCMの写真だったと思うが、白黒の女性の顔写真で唇のルージュだけが赤いという写真を思い出した。

    • ハヤタ・カメララボさん、親切でしたよ。たぶん、どんなカメラでも天体改造してくれます。イメージどおりでお店に行くと、たくさんのクラシックカメラが置いてありました。
      モノクロのなかに、一色だけビビッドな色が浮いている写真好きです。もともとモノクロ写真時代に、唇にだけ着色したのが始まりだったんでしょうか。どっちにしてもその表現を考えた人は天才だと思います。

  3. 皆さん写真に目が行ってしまったようで、私も一言・・・
    「パッと見、レンダリングCGかと思った。色ボタンの透明感、艶消し銀塗装の質感、被写界深度パラメーターも適切で、ラジオシティの特徴も余す所なく引き出した秀作、、、かと思いました。」

    えっと、一昨日の夜更けに昇ってきた月が赤かったです。後処理で調整しましたけど。ホワイトバランスって手もアリですかねえ・・・月も一応、反射板みたいなもんだと思いますので。

    • i*matさん、言われてみると、確かにレンダリング画像のようにも見えてきました。いつもブログの物撮りには、スマホかα6400を使っているのですが、今回はα99でした。みなさん、フルサイズが写し出す質感とかボケ感とか敏感に感じ取ってらっしゃるんじゃないかと思いました。お目が高い方々ばかりですm(_ _)m
      肝心のワタシは違いがよく分かってないですトホホ

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