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電視と眼視の一本化、Netflixを見ずに星を見よう

EDクローズアップレンズと冷蔵庫に余っていた食材で組んだ望遠鏡は、眼視と電視の両方で使えることが分かった。これに加え、電視の観望記録をSDカードに残せたので、これを統合することにした。以下、もろもろ能書きなど。

天体の撮影中にNetflixを見てしまう

眼視でしか味わえない体験をしながら、それを電子的な記録にも残せる。というのが、この望遠鏡が目論んでいること。いうなれば「電視寄りの眼視」を実現したい。

私が遠征やベランダで天体撮影をしているときは、待ち時間にNetflixの動画を見たり、ゲームをしたり、ネットサーフィンをしたりして過ごしていることが多い。仲間と星空談義なんかをしていれば、有意義な気がするけれど、自然と触れ合う貴重な時間にどうしてネットなんかしてるんだろう? まったくネット依存症だな。

星空を記録に残す

天体写真を撮りたいと思って始めたこの趣味だけれど、星空のライブ感を味わおうとした場合、電視や天体写真は眼視にかなわないと思っている。そこにある星空をこの目で見るというのは、生々しい体験で、目に見えない天体を写真に撮るというのとまた違う感動があるような気がする。だから、たまに眼視をしたくなるわけなんだが、なぜだかすぐに飽きてしまう。でも、記録に残せるんだったら、眼視体験も違ってくるんじゃないか。見るだけでなくて、残したいという気持ちも高まってきた。残したいという気持ちは、天体写真に通じるものがある。動画や静止画の保存には、いくつか方法がある。

スマホコリメート

アイピース越しにスマホでコリメートするというのは一つの有力な選択肢。ただ、光軸をあわせてきれいに撮ろうとすると難しい。スマホを固定するホルダーも売っているけれど、アイピースをふさぐし、それはそれで面倒な気がしている。

SharpCap

SharpCapで撮影すれば眼視では見えない天体も記録に残せる。これは電視として最もポピュラーな方法。気に入った天体があれば、自動追尾架台なら、そのまま眼視から天体撮影モードに移行することもできる。だけれど、観望するのにパソコンが必要になってしまう。自動追尾の架台をそろえると機材が大掛かりになりがち。

防犯カメラ

T-Studioさんが提案されている防犯カメラを使ったシステムの一番の利点は、パソコン不用で電視ができるということだと思う。しかも、フリーストップの自動追尾がない架台で自由に星空を散歩するので、これによって眼視に近い電視体験ができる。いわば「眼視寄りの電視」。星雲を撮りたいユーザーさんには不向きで、星の瞬きは眼視には及ばないけれど。

眼視の記録を残せるなら、上のどれでもいい。今回は、防犯カメラを使ったシステムに眼視を組み込む。

電視と眼視の一本化

電視に眼視の機能を足して記録に残したいんだが、一本の鏡筒で眼視と電視が切り替えられる鏡筒を目指したい。文字通り一本化するといっても、そんなに難しくはなくて、要はフリップミラーを接続して、眼視と電視を切り替えられるようにするだけ。

もう6年前になるかな。初めて望遠鏡としてED81SIIを買ったとき、フリップミラーが付属していた。赤道儀の自動導入機能を設定する際、アライメント星をファインダーの中心に入れる必要があった。最初のころは、ED81SIIにフリップミラーをつないで、直交側に光学アイピースを、平行側にカメラを接続してアライメント作業を行っていた。そのうち、フリップミラーを使わなくてもアライメントができることが分かったので、以来、冷蔵庫のなかに入っていた。

フリップミラーを使えば、眼視と電視の光路を一発で切り替えられる。撮影用カメラを接続する代わりに電視用のカメラを接続するだけなので、新しいことは何もない。私の場合は、フリップミラーに防犯カメラをつないでいるけれど、ここにZWOやPrayer Oneといった電視によく使われるカメラを接続してSharpCapで見ることもできる。

実際に組んでみたのがこちら。眼視側、電視側ともに合焦することを確認した。地上の風景を見てみたところ、色収差はそんなに気にならず、すっきりとよく見えた。ただし眼視側は鏡像になっていた。

機材はPCレス、モバイル電源で構成

今回組んだ電視と眼視を兼ねた望遠鏡は、架台がポルタII、記録はビデオキャプチャーボックスで星見する。防犯カメラには12VのUSB昇圧ケーブルで、ビデオキャプチャーボックスには5V2AのUSBケーブルで給電ができるので、スマホ用のモバイルバッテリー1個で済む。

ポルタIIは、Optics ASIAのバッグに入れて持ち運べるけれど、それが重いようなら、BORGの【3106】とアマゾンのモバイル三脚でも間に合う。ほぼこんな構成でいけるはず。そのため機材が大げさにならない。おまけで持っていく気になれると思う。

まとめ

フリップミラーを使えば、いまやっている電視観望に眼視の体験を組み込むことはさほど難しいことじゃない。眼視派のユーザーさんが体験を記録することもできるようになる。

ただ、今回の構成だと、眼視と電視を切り替えないといけないので、同時録画ができない。あぷらなーとさん考案のビームスプリッターを使えば、同時に記録することもできるようになるかもしれない。

いろいろ可能性を語ることはできるんだけれど、作品作りを目指した天体写真とは違って、自分の眼視記録を人に見せても面白がってくれなさそうな気はしている。そして何よりも、眼視体験を記録に残す楽しみは、Netflix動画の誘惑に勝てるのだろうか。というのが最大の懸念点だな。

この記事へのコメント

  1. 私がよく撮影しているポイントは電波が弱いところが多くて、しばしばスマホのアンテナが消えてます…
    なので、「撮影中ヒマ過ぎて草」とかTweetするくらいしか出来ません
    撮影中、ネトフリ出来るなんて、良い環境ですねぇ…
    ベランダ撮影の時は、ぐーすか寝てて90分や120分経ったら Alexaに起こして貰ったりしてます(これは眠りが浅いのでオススメできません)
    フリップミラーはVixenの屈折を買った時に付いてきましたが、ほとんど使わずに売り飛ばしてしまいました…

    • ネトフリもアマプラもローカルに保存しておけばOKですよ。ベランダ撮影だと、部屋で作品に夢中になって、撮影はほったらかしで、気づいたら電線にかかってるとか。どっちかに集中しろよ状態です。それだけベランダ撮りは気合入ってないんですが^^; フリップミラーは、何に使うんだろう…と今になっては思います。

      • にゃあさん
        眼視がすぐ飽きてしまう原因は、”見えない、探せない、見えたとしてもそこまで楽しくない”みたいな所にあるのではないかなと感じています。(自分の経験上)

        光害が非常に少なく見える対象が大量にあれば、手持ちの双眼鏡でも充分たのしめました(これまた自分の経験上ですが。。。)

        見えない環境を電子機器で補完しようというのがEAAであったり、監視カメラの画像処理技術の活用だったりですね。

        従来どおりのレンズ口径を高くしていく方法だと、集光力が上がる分周囲の環境光も増加してしまいますし、低倍率が出しづらくなり視野が狭くなるので更に探しづらくなるというスパイラルに陥ります。。。(これまた自分の経験)

        昨年監視カメラをベースにした環境作ったときに ”見えてさえいれば、面倒なことを考えなくても結構楽しめる”ということに気づきました。

        監視カメラやCマウントレンズも国産業務用だった時は非常に高価でおいそれとは試せませんでしたが、現在は中華パワーがもっとも発揮されているジャンルの一つだと思います。(なにせ国産の1/10以下の価格で試せますから)

        • T-StudioさんのZoomレンズを使ったシステムは、見えていれば導入できるという極めてシンプルで有効な導入方法ですよね。うちには手頃なズームレンズがないのでかないませんが。

          私の場合、双眼鏡も含めて眼視するときは、別に名前のある天体を見ていなくても、「きれいだなぁ」と思えます。それでもすぐに飽きるのは、首を持ち上げたり覗いたりする姿勢がしんどいということでしょうか。

          これまで天体は大きく見なければならないという先入観みたいなのがありましたが、広角の望遠鏡を使うことで、「星空を眺めていることが楽しい」に変わればいいなと思っています。

          対空双眼鏡に電子ファインダーを載せて録画するという方法が良さげな気がしましたが、対空双眼鏡は値段が数年前の二倍以上になっていてびっくりビクセンです。機材も大げさになりそうなので、T-Studioさんのシステムは一つの解だと思ってありがたく使わせていただきます。

  2. 小学生の時に使ってたスリービーチの6cm F800mmの望遠鏡よりも何倍もよくみえるんだろうなぁ。^^

    樺沢まどか(←かまいたち、とろサーモンのマネージャ)は、冷蔵庫は電源を入れずに物入として使ってるらしいよ。

    • ちょっと遊んでみましたが、私の場合は焦点距離200mmより短い鏡筒で星空散歩するのが楽しいかもです。

      私は冷蔵庫に電源を入れておもちゃ箱に使ってみようかしらん アマノジャク

      • 特に惑星を見るとかでなければ焦点距離はあまりいらないよね。
        焦点距離だけでなく接眼レンズとの組み合わせなんだけど。
        ’70年代頃、天体望遠鏡は長焦点距離や高倍率な方が売りやすかったんだと思う。
        『車はメーターが多い方が偉い』と同じ感覚だったかも。^^そんな時代もあった。
        いま、屈折で焦点距離1000㎜を超える望遠鏡ってあまりないもんね。
        ^^

        • 眼視が飽きやすい理由の一つに惑星を見るように作られていることがあるかもしれないですね。そうしょっちゅう見ないですし😁

  3. 天リフさんのオリジナル記事の中で大きくピックアップされてるよ。^^

    https://reflexions.jp/tenref/orig/2022/08/01/14147/

    • うわー、ほんとですね! ありがたい。いろいろ試行錯誤してみないとです〜

  4. > 以来、冷蔵庫のなかに入っていた。
    え?
    巨大防湿庫?

    お手軽電視観望をしたい?
    そんなあなたへのお勧めは天体改造α7sシリーズ!
    高感度動画モードで電視観望しながら星空散歩が可能!
    難点はバッテリーの持ちが悪いことと未だに初代の中古でも高いこと・・・

    • そうそう、優秀なのは分かっているのですが、7Cも含めて、なぜかα7シリーズには惹かれないんですよ。なんでだろう…。病気かしら…。

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