風はきついけれど、久しぶりに星が見えたので、R130Sf-PF改にほどこした諸々の改善策がどんな結果を出すのか、星を撮影して確認したい。
まずは、比較のために、従来の状態でのスピカの星像を見ておく。三ツ矢サイダーのような影ができている。最初、これは回転装置のロックネジの影かと思っていたんだが、どうも主鏡のツメの影のよう。この影の形はED81SIIでも出るので嫌いではないんだけれど、気になりだすと気になるし、せっかくなので除去することにした。
前回の記事までに加えた改善策は(1)クローズアップレンズをNo.2からNo.4に換装したこと(2)回転装置の3本のロックネジをイモネジ化したことだった。それに加えて、今回は新たに(3)UV/IRカットフィルター(48mm)をZWO EOS-EFマウントアダプター内に装着して、(4)主鏡にマスクをしてツメを隠すといった改善をした。
(4)の主鏡マスクのツメ隠しが難儀した。R130Sfのツメは3本なんだが、鏡に引っかかっているのは1mm程度。これを隠すために、幅1mmのマスク(つまり口径128mmになる)を印刷したところ、あまりに幅が小さいので、輪ゴムのようにたわんで、リングの形をを保ってくれなかった。仕方がないから127mm径のリングを印刷。主鏡の口径は130mmだから、3mmを損したことになる(写真は撮り忘れ)。
127mmのマスクでアルクトゥルスを撮影したのがこちら。ツメとリングがギリギリらしく、星像が少し三角形になっているのが分かる。改善の余地あり。
次は125mmの主鏡マスクを印刷して、アルクトゥルスを撮影したのがこちら。三角形だった星像は円形になっているし、三ツ矢サイダーの影もなくなっている。癖のない星像になったと思う。
拡大してみる。130mm口径が125mm口径になってしまったのがもったいないけれど、これなら個人的に納得できるレベル。積極的に消そうとは思わないけれど、ヒナギクのような光条は何が原因なんだろう。
ビフォアフがこちら。
コマ収差の確認もしておいた。中心の恒星はアンタレス(127mm版の主鏡マスクを使った状態で撮影したので、アンタレスがいびつになっている)。右上は少しコマが残っているけれど、左下や右下のコマは消えている。ここまで修正できたら合格点だと思う。ヘンにスケアリングの調整をしたら、かえって悪化しそう…。
クローズアップレンズをNo.2からNo.4に変えたことで合成焦点距離は推定570mmになった。あわせて口径が125mmになったからF値は4.56に。そんなもんだな。
次は、このセッティングでDSOに挑んでみたい。
この記事へのコメント
マスクはすごく効きますねぇ。
294MCだと換算1140mm。DSOによさげな感じですね。
マスクはてきめんですね。初めからマスクした状態で出荷してくれればいいのにと思いました。
画角はちょうどM8が収まる感じですかね。いま、M13を撮ってますが、風が強くてどうなることやらです…
素晴らしい!
ムダ毛も枝毛もない像ですね。完全に実用的ぢゃないですか!
けむけむさん、ありがとうございます。キューティクルのケアは大事だということが分かりました!
ノーマル状態のR130Sfでは三ツ矢サイダーは出ないのでしょうか?
F値が短くなったために出るのかな?
改良後は三ツ矢+十字の干渉模様?も消えてキレイになってますね
うちのR200SSは里帰りメンテしたときに有料で主鏡マスクしていただき、爪は隠れてました。
が、帰ってきてから使っていないのでその効果は・・・
星像の件、ノーマルの状態で撮っておけばよかったのですが、家に届くなりバラしてしまったので、スミマセン…。そもそもR130Sfで撮影したDSOの作例をあまり見かけないですよね。ざっと見る限り、R200SSのような左右非対称の影が出てることはあるみたいです。
R200SSのツメ隠しをやってもらえるんですね! 今度里帰りさせたときにやってもらおうかしらん。って、私も長く使ってないですが…。
課題がクリアできたみたいだね。^^bナイス~
あとは実戦あるのみ。さぁ、ターゲットは何んなのかな?
ご存知のように、M13は撮ったので、今晩あたり撮りやすい天体を探してみることにします〜
たったの5ミリ。されど5ミリ。
5ミリを笑うモノは5ミリに泣く・・・
ココまで改善するとは・・・予想外でした。
リングが輪ゴムになっちゃった・・・って、いかにも、
にゃあさんらしいホッコリなエピソード・・・
これは一号機でi*matさんに教えていただいた方法でもあって、経験値が上がりました。