電視観望用に使っている4K 7インチのフィールドモニタは画面は大きいのだけれど、画像を記録できない。これを買ったときは、「見るだけで十分で、録画まではいらないや」と思っていた。でも、自分が見た星空をどこかに記録しておきたいという気持ちが強くなってきた。
録画機能だけではなくて、ディスプレイもついているほうがいい。防犯カメラからの入力を想定しているので映像入力はSDIが必須。いろいろ物色しているうちに、ビデオキャプチャーボックスEZCAP 275という製品をみかけた。あまり市場に出回ってないし、レビューもない。人柱としては面白そうだったので、入手してみた。
本体は10cm x 10cm x 2.3cm、重量約190gとコンパクト。ディスプレイは3.5インチのTFT。録画画質は、720×480 (60p) 、720×576 (50p) 、1280x720p(60p) 、1920×1080 (50p) 、1920×1080 (60p)に対応している。音声も録音可。SDIほかHDMIの入力に対応していて、HDMIはパススルー。動画を記録するだけでなくて、静止画もワンタッチで撮れるのが良い。
同梱物は写真に見えるとおり。本体のほか、SDIケーブル(Micro BNC ⇔ BNC変換)。カメラのホットシューに固定する1/4カメラねじ。そしてリモコン。写真反対側には、5Vの電源端子、HDMIのINとOUT、SDIのINがある。側面には電源ボタン、ヘッドホンジャック、SDカードスロットがある。録画した動画は、SDカードに記録される。5V2Aで充電ができるので、電源ケーブル不要で運用できるのがよいな。
操作はタッチキー式。ただし、ディスプレイのタッチには対応していない。リモコンは受光部がどこにあるか不明で、キーを触ってみたけれど、操作ができなかった。何かやり方があるんだと思う。説明書は英語と中国語。本体のメニューは日本語に対応していない。
使い方は、説明書を見るまでもなく簡単。さっそく、防犯カメラにつないで、電視をやってみた。EZCAP 275は、三脚に固定する。
全体感はこんなだ。
前回、ファインダーはNANO1で十分と言った。たしかに一等星か二等星は拾えるのだけれど、特定の天体を導入しようとしたところ、三等星が映らずにとたんに苦戦した。天体導入は東京の空だと叶わなかったけれど、遠征先ならNANO1で十分なんだろうか? アライメント星を導入するのには十分に使えるんだけどな。
気の向くままに、夜空をうろついていたら、散開星団を拾った。写真だと、キラキラ感がまったくないけれど、動画でみると、それなりにまたたいていてきれいだった。でも、何の星団なのかよくわからん。ひとまず、静止画ボタンをタッチしてSDカードに見えている画像を保存。
Astrometry.netにかけてみたら、NGC6475だということが分かった。つまりM7だ。
M7だということが分かったので、上の方にはM8があるはず。適当に動かしながらM8を手動で導入。たしかにM8なんだが、Hα輝線は見えなかった。センスアップ64xでも浮かんでこなかった。空が明るすぎるんだと思う。
まぁこんな感じで、記録できることは確かめた。土日のうちに、眼視と防犯カメラのシステムをなんらかの形で統合したい。できれば遠征にも行きたい。
この記事へのコメント
SDIはプロ用というか業務用のインターフェースの印象が強い。
民生品(=業務用でないの意味)のビデオカメラではブラックマジックデザインが(BMMSC 4Kなど)何年も前から出していたけど、国内の身近な民生品カメラではパナのBGH1が最初じゃないのかな?
ブラックマジックデザインとかを探せばSDIキャプチャーは簡単に見つかるけど、値段は興味本位では手がでないよね。
それでもそうとう安くなってきてるんだけどね。
望遠鏡も興味本位では高橋に手が出ないのと同じで、モニタもブラックマジックに手が出せないって感じでしょうか。映像制作はまだ私の趣味ではないようです(笑)ブラックマジックをそろえはじめたら、新しい趣味が増えたと思ってください^^ 最近では、鏡筒も安物路線を行っているような気がする…
にゃあさん
面白い製品見つけましたね。
星雲とかの場合はゲインを高め(6以上)、ダイナミックレンジ設定を背景、フォグ機能をオンにすると見えやすくなりますよ。(空がグレーに見えるくらいに明るくします。)
当地も田舎の割には南は三等星が滅多に見えませんが、上記のカメラ内画像処理使うとそこそこ識別できるようになります。
スタッキングとかはビデオで撮影しておいて惑星用のアプリでするとまあまあ効率良いです。(ただ、長期露光はできないので星雲などは天体カメラの方が良いです。)
T-Studioさん発案のこのシステムはもっと普及していいように思いました。実に気楽に観望できますよね。架台の方角を合わすこともありませんし、機材が軽いです。本当、眼視観望みたいです。
セッティングの解説ありがとうございます。東京のM8も心眼で見える程度で一部星雲らしきもやもやが見えているのですが、遠征でどれくらい改善するか楽しみです。
「人柱としては面白そうだったので」ヒトバシラーの鑑です(笑)
電子観望がスマホからできるならもっと普及すると思うんですよね。
ケーブルでつないだり、パーツ組み合わせすると難しそう。って印象が強くなるみたいですが、アプリ入れるのはそれほどバリアにならないみたい。不思議。
スマホの星景写真はもう現実になっているので、そのうちスマホだけで電子観望ができるようになるのも時間の問題かもですね。そうなったら、組む楽しみがへっちゃいますけど、アプリをインストールする楽しみが残りますね(楽しいのか)
すごくどうでもいいけど、ビクセン製品の隣にこいつがあるせいで、一瞬、新型のStarBookTenが出たのかと(笑)
業務用途の動画カメラ周りは、これはこれでまた広大な沼が広がっていそうですね。研究用途のカメラなども含めると、変わった仕様のものなんかもあって面白そうなんですが、大概は価格を見て「回れ右」をするパターンに……(^^;
あはは、たしかにスターブックに見えます! 黒い筐体のほうがかっこいいですね。
動画周りは、あんまり足を突っ込む予定はないのですが、Aliさんで顕微鏡に使うカメラを見ていると、これ、天体に使えないかなぁとか思ってしまいます。
間違っても研究用途のカメラがほしいとか思わないように趣味を楽しみたいです(笑)
> レビューもない。
なら買って確かめるしかないですよね!
そう言って買ったレンズは鏡筒は数知れず・・・
買う理由を見透かされているような…^^;