Pixel 6aで撮影したオリオン座が思いのほか感動的だったので、今度は天の川を追尾撮影してみようと思った。撮影結果は大きく変わるんだろうかね?
11月に入ると、天の川の旬は過ぎたように思えるけれど、日が沈んで間もなくは天頂近くに大三角が見えるよ。追尾に使った機材は初代ポラリエ。Pixel 6aのレンズは広角なので、極軸は厳密に合わせず、おおよそにした。北アメリカ星雲がだいたい中央にくるようにフレーミングする。カメラアプリを開き、夜景モードにセットしたら、カメラが三脚への固定を認識したらしく、天体撮影モードに変わる。シャッターボタンをタップする。で、4分待つだけなんだ。以上。
雲が流れていたので、ずいぶん遮られたけれど、写っていた。それが下の写真。追尾しても、しなくてもそんなに結果は変わらない印象だな。肉眼で天の川を観察すると「雲のように見える」と表現されるよね。Pixel 6aで撮っても雲みたいだ。良く言えば、再現度は高い。悪く言うと、期待はずれだな。けど、北アメリカ星雲がうっすらと写っているぞ。
ということで、Pixel 6aのフォトアプリで強処理をかまして、天の川の輪郭をあぶり出してみた。だいぶ天体写真の世界で見慣れた天の川になってきたな。加えて、Astrometry.netで、星座をプロット(アノテーション)してみた(写真下左側)。北アメリカ星雲がくっきりとした。はくちょう座のしっぽにあたる星がデネブでその右上に黒いモヤモヤで囲われたエリアが見える。それが北アメリカ星雲。「メキシコ半島」、あるいは「大阪の母ちゃんのあご」は上を向いている構図になっている。
初めてこんなふうに天体写真を撮ったユーザーさんは「自分が見た天の川と違う」「ここまでしないと、星雲って見えないの?」「全然ナチュラルじゃない」「やりすぎなんじゃないの?」って思うかもしれない。けど、そうなんだよ。これでもかってくらいに強調しないと、ほとんどの星雲ははっきり見えないんだ。目に見えない天体が見えるようになるってのが天体写真の楽しみの一つだと思うよ。
結論、追尾したからといって、星は点像にはならなかった(スマホレンズの限界)。星がたくさん写るわけでもなかったし、なにか劇的に変わったことはなかったような印象。であれば、追尾せずに撮るほうが楽だよね。Pixel 6aは追尾なしで星座写真を撮る十分な性能を持っていると思う。
ちなみにPixel 6aのaは、D810aやEOS Raのように、天体専用カメラを意味する型番じゃない。廉価版のシリーズを表わすaだよ。つまり、Pixel 6の廉価版ってこと。
しかし、夜空を撮ってみたくなるカメラが常にポケットに入ってるだなんて、いやぁ、大したものだね。
この記事へのコメント
おー、ちゃんと写りますね。
ガイド無しで4分スタックできるのは楽でいいですね。
自分も6a買ったばっかりなので早く試したいです。
追尾するメリットがあるとしたら、何枚も同じ構図で撮れて、最終的に1時間分のスタックができるとかですかね。バーナードループもくっきり写るかもです。今回は雲が出てこれ一枚しかとれませんでしたが。おもしろーいです。
アノテーションなしの画像で一生懸命さがしたよ。
次を読み進んでみたら、わかりやすいアノテーション付き画像あった。
おいらの苦労が・・・^^是空a←廉価版
私もアノテーションするまで、何が写っているのか分からなかったと白状しますよ。
nier a(笑)
Google pixel 恐ろしい子・・・
> カメラが三脚への固定を認識したらしく、天体撮影モードに変わる
そんな事まで自動でやってくれるんですか!
徹夜で撮影後に、朝焼けを撮るのにデジカメで色々設定変えて、
苦労して見た目通りの色にしましたが、
スマホで撮ったら一発で見た目通りの色でした・・・
2年以上前のスマホですらこの性能
デジタルカメラでないとできないことが無くなってきました
ますますデジカメ売れなくなるわなぁ
Pixelさんは、地上の写真でもシャッターを押す前後のフレームを記録していて、複数のフレームをコンポジットしているみたいです。明暗差のあるコマでも、キレイに出力してくれるですよ。スマホのカメラセンサーも1型が珍しくなくなってきましたし。そうなると、コンデジを持ち歩く理由はもはやないですよね…。
ロケ地が良い手のも有るかな?
空が明るいと、やはりそれなりの写真になると思います。写る星の数がぜんぜん違いますよね。
撮像素子の感度が上がればライブスタッキングのみでも結構写りますよね。(画像フレームごとの追いかけ追尾ですから)
スタッキングで画像が移動するのでトリミングは必須ですが、お気軽撮影には最適だと思います。
手ブレ補正がハードで行えるようになると、まんまアストロトレーサーが実現しますね。特許をリコーが持ってたら、実現が難しいかもしれませんが。
バッグのなかにミニ三脚とスマホホルダーを入れておきました。これでいつでも星空が気軽に撮れます。光害を気にしなければですが😅
スマホカメラの技術って、デジタルイメージングの熾烈な開発競争の最先端に位置してるんじゃないでしょうか。
その開発リソースのイクバクかを天体用途に割けば、今頃、ハッブルパレットを手持ちスマホで実現できてるんではないでしょうか?(3眼カメラは伊達ではナイノダ!!)
なるほど3眼は、Ha,OIII,SIIに対応するのですね! 天体専用スマホ恐るべし。あ、L、R、G、Bも欲しいです。となると、モノクロセンサー??? そのうち、フィルターチェンジ機能がつくとすごいですね。スマホでハッブルパレットが撮影できたら素敵です。ソフト効果とか光条はソフトウエア的に処理しちゃいそうですが。