ビクセンさんが初心者向けの広視野ファインダー「ファインダーアイピース100」を22日に発売するって。「初心者でも簡単!見たい天体をすぐに探せる!」がキャッチコピー。気になったので調べてみたら、発売前からあまり評判がよくないのね。
ただ、ビクセンさんは以前から等倍の「XYスポットファインダーII」を出しているし、「天体望遠鏡の扱いで初心者がつまずきやすいのが、この『ファインダー調整』です」と強調している。相当な数のビギナーから「ファインダーが使いにくい。なんとかしろや(゚Д゚)ゴルァ!」っていう声が上がっているんじゃないかな。
きっと、いろいろなご苦労の末の製品化なんだろうなと、お察しするよ。
と言いながら、私もつまずいたよ。だいたい、望遠鏡のファインダーの機能さえ、よく分からなかった。「これ、何に使うの?」って。だって、カメラのファインダーは「画角ののぞき窓」として使ってきたからね。望遠鏡を使って初めて、ファインダーって「被写体を探すもの」まさにFinderだということが分かった。
ビギナーがファインダーにつまずく要素ってたくさんあると思うんだ。光軸を合わせないと導入も何も始まらないないけど、それが難しい。んで、それぞれを解決する工夫を凝らした製品が登場している。
・3点ネジ止めは、向きをあわせるのが難しいよね → XYの2軸式
・十字線があっても暗くて中心が分からないよ → 暗視野照明付き
・倒立式は動かしている方向と逆に動いちゃう → 正立像式
・拡大率が把握できないので、どこを見てるか分からない → 等倍式
ざっとこんなところかな。
私の場合、最初に買った望遠鏡ED81SIIに付いていたファインダーが「XYスポットファインダー」だったので、それは直感的に使えてすぐに慣れたんだけど、R200SSに付属していた従来型の3点ネジ止め(っていうの?)の倒立ファインダーは、肌に合わなくてお蔵入りしてる。
いまは、「XYスポットファインダー(星がたくさん見えるとき)」と「電子ファインダー(2等星が見えないとき)」、そしてたまに「スマホファインダー(月や惑星)」を使い分けてる。ちなみに「スマホファインダー」は市販されてないし、私くらいしか使ってないと思うよ。下の写真は、私の工夫(結局、ファインダーに慣れていないことがバレる)。
私が思うビギナーが使いやすいファインダーは、「暗視野照明付き正立像式低倍率XYファインダー」だよ。そんなの多分ないけど。あるいは、StarSenseみたいにぜんぶ機械がやってくれい。って欲張りすぎ(笑)いやいや逆に初心者向けの鏡筒ならラプトルみたく銃の照星を付けておけば、それでいいんじゃないか? などなど。
ファインダー調整がいらないとはいえ、「ファインダーアイピース100」も癖がありそうなので、使いにくいと思ったら、ほかをあたるしかないと思うなぁ。結局、身も蓋もないけど「使い慣れることが大事」だというのが大半のベテランの意見だと思う。ツールなんだから、自分に合ったファインダーに出会うまで、(お財布が許すなら)いろいろ試すのかな。
どんなファインダーを使っても、空が暗くなってから調整しようとすると、すごく難儀する。一番のコツは「空が明るいうちに調整する」だと思うんだ。
天文リフレクションズさんがピックアップで取り上げてくれて、コメントをくださっていた。
初心者がぶつかる壁、ファインダー、その考察。一つここに書かれていない大事なことがある。低価格の製品のファインダーは造りがいい加減なものが多すぎること。無理ゲーな調整、固定できずすぐ狂う、ぼやけて見えないの3拍子。
「天体写真はじめるよ」よりピックアップ。https://t.co/1rDAGJKxos— 天リフ編集部 (@tenmonReflexion) June 20, 2018
この記事へのコメント
初心者の方の「ファインダー悩み」たしかにおっしゃるとおりかも。
大昔のエイコー(だと思う)屈折望遠鏡にフリップミラー内蔵による『一眼レフ式ファインダー』が実装されていたり、初期のBORGにターレット+ミラー切り替え式のファインダー機構(ハイゲン式50mmアイピース)が実装されていたのも、このあたりのニーズをねらったのでしょうね。
ところで、ファインダー用のアイピースの自作ってのも面白そうですぜ。うひひ。
あぷらなーとさん、昔の望遠鏡はいろいろ工夫にあふれていたんですね。で、いまの形に落ち着いているわけですか。アイピースの自作ちょっと興味あります。バローも作れるのかしら。それはそうと、きょうから修理に出かけられるのですね。お大事に。お早い復帰を!
>どんなファインダーを使っても、空が暗くなってから調整しようとすると、すごく難儀する。一番のコツは「空が明るいうちに調整する」だと思うんだ。
正解ッ!
明るいうちに景色で調整しておくのが神経病まなくて済みますね (^o^)
けむけむさん、酔っ払って帰ってきたとき用に、常に調整済みのファインダーをつけっぱしておくのも手ですよね。手元が狂って落としてしまいそうですが(笑)
オヤジもけむけむさんと同じで、昼間、富士山(西方・約100km)の山頂の凸凹で合わせることが多いです。
オヤジさん、富士山頂でファインダーの調整ができるって夢のような話ですね。距離的にもいい感じですし。私は、近くのビルの上のパラボラアンテナで合わせることが多いです(汗)
こんばんわ
天体観測の為に天体望遠鏡購入された初心者なら、皆様仰る様に日中に調整したら済む話。
こういう商品って勝手な思い込みだと思います。
ファインダー調整って取説に書いてあるのでは?? 遥か昔初めて買った望遠鏡の取説に
遠くの木とかで合わせろ!って書いてあった様なぁ。。。
moritoさん、ものごとの習得には面倒でもクリアしないといけないステージってありますよね。1等星の名前を覚えるとかもそうかもしれません。この怠慢を突き詰めると、技術的なブレークスルーがあるのかもしれませんが、それまでは(笑)