先日、フォーサーズ機のASI1600MCで撮影した北アメリカ星雲は非常に中途半端な出来でした。そもそも主題が入ってないということで失格なわけで、坊主よりましとはいえ、気持ち的にはがっかりでした。
「もう少し広い範囲で撮ればさらに広く撮れて雰囲気も表現できるのになぁ」「モザイクして撮ればよかったかなぁ」なんてことを考えながら他の方の作例をみていたのですが、フルサイズで撮った作品は同じ200mmでもフォーサーズと画角が全然違いますね(当たり前だけど)。面積で4倍違う。頭で分かっていても、やっぱり感激します。
「フルサイズいいなぁ」とポチリヌス菌が忍び寄ります。でも、D810Aとか買うお金ないし。天体改造したAPSでもいいけど、やっぱりフルサイズがいいし。と逡巡しているうちに、うちにあるフルサイズ機のα99で天体写真、とりわけ赤い散光星雲は撮れないんだろうかと思い始めました。
なぜにこの1年間、α99で天体写真を撮ろうと考えなかったかというと、「天体改造したカメラでないと星雲はまともに写らない」と思い込んでいたからです。思いこみというのは恐ろしいですね。ちょいとぐぐってみたら、無改造でもそれなりに赤い星雲を撮っている作例がいくつかありました。
うむ、無改造機でもまったく写らないわけではないらしい……。光害カットフィルターつけて工夫してる人もいます。
天体写真を始めた1年前と違って、いまはコンポジットやあぶり出しを覚えたし、ダークの引き方も最近ですがようやくやってみることができました。架台もポータブルでない赤道儀があって、オートガイドも一応できるようになりました。
腕の良し悪しともかく、天体改造機でなくても、冷却でなくても普通のフルサイズ一眼レフで天体写真を撮ってみようかなという気にはなってきました。
ただキヤノン機とかニコン機なら写るけど、α7をのぞくソニー機で写した作例がほとんどないんです。めげずに海外のサイトを覗いてみたら、南半球に住んでいる人やハンガリーに住んでいる人など少数ですがα99で撮影した星雲の作例がありました。
三裂星雲・干潟
https://community.sony.co.uk/t5/alpha-nex-interchangeable-lens-cameras/sony-alpha-slt-for-astrophotography/td-p/268020
天の川銀河 北アメリカ星雲は中央やや左寄り
https://tavcso.hu/kep/nagykep.php?id=1004001
勇気づけられて過去に自分で撮影した天の川(f/2.8, 20秒, ISO1600)を見てみたら、うっすらと北アメリカ星雲が写ってました。20秒で写ってるなら、そこそこ健闘するかも。
ついでにステライメージ8でソニーのRAWフォーマットであるARWが読み込めることを確認しました。 A/D変換は14bitだったはずなので、淡くても多少の無理は効くかも。これはいけるんじゃないか?
ED81SIIはフルサイズだときっとケラレるから、フルサイズ対応をうたっている55FLで撮影してみるのがいいかな。フルサイズ1枚20秒を180枚とかだときっと画像処理しきれないから、3分20枚とかが最低線だろうか。そうすると架台はオートガイドできるやつでないと。ポラリエは論外だけど、AVXでもいいし、このまえ二軸モーター化したAP赤道儀でもいけそう。
どうしてフルサイズがそんなにいいんだろう?とは思いますが、「フォーサーズで70mmじゃだめですか?」とか考えないことにしましたよ。
あとはどれくらい写るのか試してみるだけです。週末晴れろ。
(たぶん続く)
この記事へのコメント
α99!これはまた面白そうなカメラをお持ちですね。
諸説ありますが、個人的にはフルサイズ(などのラージフォーマット)の最大の利点は、「引き延ばし倍率」が低くできる点だと思っています。小さなフォーマットのカメラは一種のトリミングをしているような状態ですので、どうしても像が甘く見えがち。それを防ぐのが「モザイク撮影」なのでしょうが、どうせモザイクするなら最初からフルサイズで撮れば良い・・・と。
残念ながら手持ちの望遠鏡はフルサイズではケラレが酷いので折角のD810Aも最近ヒマをもてあましてますが・・・(汗)55FL、良いなあ・・・・。
あ、つい先日、限定セールに『気が動転』して、思わずBORG89EDの対物レンズ(今は無きホワイト仕様)をポチってしまいました。・・・・まもなく89EDの「ツイン」が稼働予定・・・・全く、なにやってんだか(笑)
あぷらなーとさん、89EDですかっ! ツイン鏡筒楽しみです。しかし、なんということでしょう。ちょうどいま私もBORGの89EDのサイトを覗いていたところでした(笑)カメラは初めて買ったのがα7Xiでした。付属の28-105レンズは今でもたまに使います。そのあとニコンFM2, F3とか遍歴しまして、デジタルフルサイズではα99に至ると、こんな感じです。ミノルタはサンクコストになってます(笑)
実は、(白鏡筒好きの私としては)1本目の89EDをB品セールで買った後、白モデルが絶版になってしまい半泣きだったわけです。中古でもなかなか出ないし。で、今回まさかの白モデルがセール品で出たので「気絶買い」。『ASI1600MMの解像度が活きるのは600mmだ説』を実証すべく、手持ちの65アクロの鏡筒に取り付けて2本目にする目算です。でも、フラットナーもレデューサも1個しかない・・・どうしよう(汗)。
α使いの一人としてα99の写りには興味津々です^^
55FL先日貸してもらって使いましたがフルサイズ対応に偽りなしでした^^
あぷらなーとさん、今度は90FLツインですか!
↑すみません、89EDでしたね^^
ボーグは種類が多くて・・・でもこの違いを押さえとかないと「これだからしろうとはダメだ!」ですね^^
あぷらなーとさん、そういう事情でしたら、もう気絶するしかないですよね。最近、身にしみて感じているのは、2台体制は2倍のコストがかかるということで……モジモジ。フラットナーもレデューサもまっついのやつもう1セットいきましょう!実証につかう鏡筒はアクロというのがポイントですか? ついていけるか分かりませんが、期待しています!
うわー、天リフさん! いつも楽しみに読ませていただいてます。たまに取り上げていただいて、ありがとうございます。ILCA以外で星を撮っているひと本当に見掛けません。最初から星を狙うのであれば、あまりソニーを選ぶ理由もないといえばないのですが。55FLに偽りなしということで安心しました。腕がついてくるかどうかは別の話ですが、がむばってみます!
>天リフさん
こんにちは。
残念ながら90FLではないですが、個人的に89EDはコスパのバランスが良いので好きです。
ようやくツイン89EDが実現しそうです。
と言いつつ、霧箱の材料とかシンチレーションディテクタの材料も買い込んでしまったので、ブログの方向性がますます迷走しそうですが(笑)。