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天文民の天敵? Starlinkが日本でサービスを始めた

天文ギョーカイ内では、何かと評判の悪いというか、国立天文台が懸念を表明し、ときには敵視までされているStarlinkが、いよいよ日本でサービスを始めたんだ(11日発表)。料金は、初期にかかるハードウェアコストが73,000円で、毎月の支払いが12,300円。手に届かない額じゃないな。

利用可能なエリアはマップで示されていて、それによると関東地方と東北地方、新潟県、北海道の一部になってたよ。つまり、西日本では使えず、全国一斉にスタートしたのではないみたい。サービス拡大は2023年を予定しているらしいんだ。

公式サイトを見てみると、

高度 550 km というはるかに低い軌道を周回し、地球全域をカバーする数千基の衛星で構成されるコンステレーションです。Starlink の衛星は低軌道を周回しているため、遅延は通常の 600 ミリ秒以上に比べ、約 20 ミリ秒と大幅に短縮されています。

って説明されてた。地上の通信でも遅いときは、Pingが20ミリ秒を超えることもあるから、宇宙経由でこのレイテンシーを実現するって、すごいことなんだろうな。知らんけど。

さっそく届いたユーザーさんがいるの? うちのマンションの光回線より速いんだが…。

気になるのはサービスの料金や品質じゃないって? サイトには「持続可能な宇宙環境を率先して保護」という説明書き(本文英語)があったので、天文ギョーカイからの苦情に関してコメントしているのかと思ったら、そうじゃなかった(探せばどこかにあるかも)。

SPACE Xの取り組みとして「スペースデブリが残らないようにする」「軌道情報の透明性を確保する」「衝突回避システムを開発する」といった、衛星の制御、いわば安全運転に関するステートメントでした。

ちなみに、SPACE Xには、1週間に最大45機の衛星を製造する能力があり、1ヶ月で最大240機の衛星を打ち上げ、2,000機以上の衛星を投入してきたということが書いてあった(22年2月時点の説明)。

SPACE Xのイーロン・マスクは、「衛星が天体観測の邪魔になるんだったら、うちの衛星に望遠鏡を載せたらええんちゃうの?」と言ったとか言わなかったとか。お金持ちの発想はぶっとるんでるね。毎月12,300円でその望遠鏡が使えるなら、使ってみたい!

そのうち12000基も打ち上げる予定があるらしいから、天文ギョーカイはこれをどう受け止めたらいいんだろうかね。

銀河鉄道を撮影する新しい楽しみ方が増えたと考えるのか、遠征先の山奥でもインターネットができると喜ぶのか、やっぱり邪魔なものは邪魔と思うのか。そもそも気にならないとか。

写真クラスタなのか、眼視クラスタなのか、研究者なのかで受け止め方は違ってくるだろうけどさ。

どちらにしても、σクリップの出番は増えそうかもだな。

この記事へのコメント

  1. 「衛星が天体観測の邪魔になるんだったら、うちの衛星に望遠鏡を載せたらええんちゃうの?知らんけど」
    と、知らんけど付きだったら嫌だなぁ

    • 他人事っぽいですね! もう、何も考えずに載せておいてください(笑)

  2. < 衛星町の是空 >

    衛星に覆われた町、衛星町で星を見たことがない大人たちが、是空をバカにして言います。
     「そんなもんあるわけないじゃないか!」
    是空はこう言い返します。
     「だれか見たのかよ。だれも見てないだろ。だったら、まだわかんないじゃないか!」

    絵本にしてみようかな?^^パクリ?

    • < 衛星町の是空 エピソードIV>
      衛星で形作られたダイソン球が、惑星の重力に引かれて崩れ始めた。
      閃光と轟音と衝撃波が地表を襲う。
      殻の半分が崩れ落ち、その惑星の生物の8割が死滅したころ、
      是空は高い煙と塵埃のなかに、闇に輝く2つ,3つの青白い光を見た。
      それは、実に人類が1万5000年ぶりに見た星であった。
      「是空、あれがあんたのいう星かい? 地球の生命と引き換えにしてでも見る価値があったものなのかい?」
      「うん。あんたら大人は疑っていたけど、俺はその存在をずっと信じていたんだ。それがこの目で見えた。それだけで十分だよ」
      ゴゴゴゴゴォォォォーーーー!!!!

      • ^^b

  3. 人工衛星を打ち上げる国際条約ってないんですかね?
    安全宣言さえしてれば、いくらでも打ち上げられるのですかね?

    まぁ我々が邪魔邪魔言うても「天体写真に写りこんで邪魔」という趣味の話であって、社会インフラには勝てません。
    絶対、契約しないけど。

    • 来年からは、楽天モバイル&AST連合がスマホで衛星通信ができるサービスを予定していますしね。しかも、ASTの衛星はバスケットボールコートほどの巨大さ。衛星まわりは、これからのトレンドになりそうなので、衛星を撮るのには苦労がなさそうです^^;

  4. ネットインフラだけでなく電波観測機能も搭載してくれれば天文にも役立ちそうですけどね。。。(各波長の受信機とか、VLBIのような干渉計測機能とか)

    地上からでは見えづらい表面処理をしているらしいので衛星を一晩で何個見つけられるかという遊びが流行るかもしれません。(苦笑)

    • >衛星を一晩で何個見つけられるか
      メシエ・マラソンならぬスターリンク・マラソンですね!(笑)

      スターリンク衛星による恒星の掩蔽を撮影する遊びも楽しめますよ(笑)

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