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プライム・ニュートン計画(9)ヘリコイドフォーカサーの装着

前回は、なにかゴニョゴニョやったら星像が改善したということを書いた。しかし、現状のシステムには、フォーカサーがないのでピント合わせは、親指と人差しで直接カメラを前後させているんだ。合焦する範囲が狭く、なかなか厳しい作業なのでフォーカサーがほしいところ。ということで、今回はスパイダーの部分にBORGの直進ヘリコイド【7315】をフォーカサーとして装着してみることにした。

BORGの直進ヘリコイドをはじめから使わなかったことにはいくつか理由があるんだ。一つはヘリコイドの外径が44φもあって、76mmのミラーに対して57%(径ベース)も遮蔽してしまうこと、もう一つはフロントヘビーになって接眼部が傾いちゃうんじゃないかという心配があったこと、それからM36.4P1というネジ径がFUSION 360に登録されていないので、自分でプロファイルを作らなければならず、面倒に思っていたというのがある。

ただ、ミラーが小さいのはどうしようもないし、是空さんの「面積的には影響少ないのでは?」という言葉に励まされたこと、加えてある程度絞りが効けば星像はシャープになって、ピントも合わせやすくなるんではないかと自分に都合よく考えたこと、スパイダーの厚さを1.5mmにしても十分に丈夫だということが分かったことで、踏ん切りがついた。

作図そのものは簡単なんだが、先に書いたようにM36.4P1というネジのプロファイルを作らないといけない。まぁ、面倒なんだよ。だけど、プロファイルの追加については、カメラde遊ingさんがステップ・バイ・ステップの方法をブログにかかれているので、これを参考にさせてもらった。多謝。

番外編 (FUSION360でネジのプロファイルを追加する方法 20200725時点) - カメラde遊ingのブログ Part2
ネットを彷徨っていたら、天体撮影の際に対象天体の座標を知るために使っている「Te...

どんな数値を設定していいか分からなかったけれど、単純にM36に設定された数字を1.01倍(36.4 ÷ 36=1.01だから)した値をXMLに登録。スパイダーの厚さは1mmとさらにダイエットした(当社比14%の薄さですよ、奥さん!)。印刷してみたところ、ビンゴではまった! 一発で成功すると気持ちいいね。印刷したスパイダー部にヘリコイドをねじ込んでみたのが下の写真。かなり前に出っ張るんだけど、カメラを装着してもぐらつかないんだよ。ちなみにフィラメントはPETGで0.2mm厚で印刷した。

これを望遠鏡に組み込んでみると、こんな感じでかなり前のめりになる。摺動距離は10mmあるんだが、実際そこまで必要ないかもな。それから、カメラ固定用のネジが2本、フォカースロックのネジが1本飛び出しているので、これが影になることは避けられないよな。

それから、フォカース機構を取り入れた代わりにチルト機構(光軸調整機構)をなくした。そう、主鏡とカメラが直交すれば、光軸を気にしなくていい…ハズ。これも実写してみないとわからない。あちらを立てれば、こちらが立たずという作業をずっとやってる感じ…orz。eVscopeのようにすべて、お尻に持っていけるといいんだが、その技術がないのがうらめしい。

この記事へのコメント

  1. 今後主鏡径が増える予感をビシバシ感じてます(笑 3Dプリンタでは限界かな?

    • な、なんですって!(笑) ちょっと妄想してしまいますね。これがうまくいけば、D=114mm, FL=500mmに挑戦してみたい気がします。127mm径くらいまでなら私のプリンタで印刷できそうです。金属ポールの調達先を考えたり、ベランダで使えないサイズになったりと面倒が発生しますけど…

  2. こんにちは!
    カメラde遊ingさんのマネして、応援企画書いてみました。

    以前お伝えした自分のアイデアとeVscopeの画像を参考に考えてみました。
    https://mr-deep-addicted.com/?p=779

    それとカメラ固定のネジは、イモネジにして埋め込んではいかがでしょうか。

    • Kenさん、ありがとうございます! なるほど、イモネジを使う考えがなかったです。フォーカサーのネジは不要かもしれないので、ネジの影なしで撮影できますね。Kenさん、すごい!

  3. これは全10回では幕は下りないですね。
    見応えがある!

    • カメラde遊ingさん、記録って役にたちますね。ありがとうございました。おっしゃるとおり10回で終わらなさそうです。でも、夢中になれて楽しいです^^

  4. ↑のKenさんの案、おいらがVscopeの画像を見てイメージしてたのに近い。
    そのブログ内で書かれてるけど、確かに真ん中のバネは原理的には不要かも。
    ただ、フォーカス機構とチルト機構を一体型にすると、フォーカスのヘリコイドで
    ガタが発生した場合の対応を考えると頭が痛くなってくるんだよね。^^
    ネジの出っ張りの件、試写で影響がでるならイモネジ案は有効だと思う。^^b

    >面積的には影響少ないのでは?
    まぁ、数字を見た時の単なるインパクトの問題だけどね。^^ オクサン!

    • 光軸ってどこまで精度が求められるものなのか分からないでいます。撮影して気にならなければいい程度だと理解していますが、今回の試みでは、その程度で収まってほしいです(笑)

      • その辺の精度に関しておいらの知ってる情報としては、

        カメラメーカー(その時の話はキヤノン)の、マウント面に対してのセンサーの傾き(スケアリング)公差は±20μ以下ぐらいじゃないか?という話を聞いたことがある。

        傾きじゃなくフォーカスの話では、かなり前だけどHIROPONさんのブログで、
        https://hpn.hatenablog.com/entry/20170916/1505566523
        https://hpn.hatenablog.com/entry/20170917/1505638453

        ^^ダカラナンナノ?ッテナルヨネ・・・

        • 是空さん、またギリシャ文字が出てきましたよ(汗)センサーの傾きが20μmとか、自宅では出せない精度ですよね。ほどほどにがんばります^^;

          フォーカスは絞ると、合焦する範囲が広くなるということですね、ガッテンです!

  5. おー、フォカサーがピッタリついてかっこえー(^^)
    eVscopeの主鏡を動かすやり方はやっぱり精度出すの難しいですよね。こっちで正解だと思いますよ。

    • ねこめしさん、ありがとうございます! 主鏡移動式というのは、「本当に精度高く作られているんだなぁ」と恐れ入ってます。主鏡は反射式の要ですものね。私はborgのフォーカサーでしのぎます!

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