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画素サイズとエアリーディスクの関係に自信なし

注意:以下、解説ではありません。ただの独白です。私の読み込み能力の不足が原因で、まったく違うことを書いているかもしれないので、ご注意ください。

疑問のはじまり

エクステンダーPHのファーストライトで撮影したM51がボッテリしてるなぁと思っていたんだが(上の写真)、天リフさんのツイッターが、シーイング以外のボッテリとしていた原因に触れられていた。「画素ピッチ2.4μなので最小星像はF5.6のエアリーディスク7μより小さく妥当と推測」。ここでいう「妥当」は、エアリーディスクに対して、画素サイズが小さすぎるから「チャレンジしてみる意味はあるけど、ぼけて当然」ってことよね? 分かる人には分かるんだろうけど、私には「???」だ。ということで、ちょっと勉強する。

今回、QHY5III178を引っ張り出してきた理由は、まさに天リフさんがおっしゃるとおり。「エクステンダーで拡大し解像力の限界を追求したい場合」。まさにこれ。手元にある画素サイズが一番小さいカメラがQHY5III178だったのと、カラーを使わず、モノクロを使ったのもそのためなのだ。よく、分かってるぅ!(waveletはうまく行かなかったけど)

よく「エアリーディスク」という言葉はよく目にするんだ。でも、自分には関係なさそうだし、難しい言葉だから放置してた。ちょっとググってみただけでも、エアリーは「空気のような」かと思っていたら、人の名前だったことが判明(汗)そもそも、エアリーディスクを見たことがないし、どこでどうやったら見られるのかさえ想像がつかない。

エアリーディスクは「一番ちっこい光の点」

けっきょく、何なのかよく理解していないのだが、いちばん、丁寧に説明してくれているのは、あぷらなーとさん御用達のEdmund Opticsさんのサイトだったかも。

The Airy Disk and Diffraction Limit
The diffraction pattern caused when light passes through an aperture is called the Airy Disk. Find out how the Airy Disk...

エアリーディスクというのは、光が作る「最小スポット径」という理解でOK? 要は一番ちっこい光の点だよね? このちっこい点は、F値を大きくすると、同じように大きくなるらしい。つまり、エアリーディスクの大きさはF値の大きさで決まる。Edmund Opticsさんの計算では、波長は520nmの緑の光の場合、エアリーディスクの大きさは次のとおり。

どうも、エアリーディスクの大きさは計算で求められるらしい。計算できるサイトもある。

レンズのエアリーディスクサイズ
レンズの口径、焦点距離に対する像面でのエアリーディスクサイズを計算します。

で、Edmund Opticsさんのサイトには、こんな記述がある。「センサーの画素サイズが小さくなり続けている昨今、エアリーディスクの大きさは次第に問題になりつつあり、画素サイズより小さなエアリーディスクサイズにすることはとても困難」で「解像力やコントラストのレベルも低下することになります」と。

つまり「世の中のカメラは画素サイズをどんどん小さくしているけど、エアリーディスクは小さくできないんだから、解像力には限界があるってことよ。分かってくれよ」ってこと? というふうに超訳したら、天リフさんが言っていることがなんとなく分かってきた(ホント?)。

鏡筒とカメラの相性に影響するの?

「エアリーディスクの大きさはF値で決まるんだから、エアリーディスクがはまる画素ピッチのカメラ使うんだよ」ってことなら、手元にあるカメラの画素サイズを調べてみる(α99とか怪しい数値のもある)。ちっちゃい順に並べるよ。

エクステンダーPHとR200SSは、F値5.6(エアリーディスクは7.11μm)だから、ちょっと溢れるけど一番相性のいいのはα99(6μm)ってことでOKなのか? どんぴしゃの大きさってことはまずないから、きっと許容できる範囲ってあるんだろうな。

チョー明るい鏡筒を使わない限りは、(画素ピッチが大きい)フルサイズ使うのが無難とも理解できる。

なんだか、以前に勉強した「ナイキスト周波数」と「遮断空間周波数」の関係に似てるな。やっぱり原理から理解しないとよく分からないな。

バローレンズの適正な倍率を計算してみる
火星を撮るに際して「自分が持っている鏡筒で、どのあたりが適正な拡大倍率なのか計算できるように勉強する」と思ってグーグル先生に聞いたら、「HIROPONさんのサイトに分かりやすい説明があるよ」と教えてくれた。こうやって、惜しげもなく知識を共有...

この記事へのコメント

  1. 勉強になった。👍

    今までに何度同じことを調べたことやら。><
    文中にある「ナイキスト周波数」や「遮断空間周波数」も、ことあるごとにWikkiで調べてるような気がする。
    しっかりと原理から理解しないからそういうことになるんだよね。
    わかってるんだけどね~。

    • 是空さん、自分の理解の範囲でしかないし、間違っていたらごめんなさい!

  2. 面白そうな事を考察されてますね!
    折角ですから私も混ぜてくださいな。
    以下、私見です。

    <無収差で十分に画素ピッチが小さい場合>
     ①エアリーディスク径はF値に反比例する
     ②像の大きさは焦点距離に比例する
     ③よって実際の解像度は焦点距離/F値=口径に比例する
    だから解像度を上げるには口径を大きくするしかないことになります。

    <シーイングの影響>
    にゃあさんの今回の機材スペックから、1画素がおよそいくらの画角に相当するか計算してみました。すると約0.44秒角となります。
    日本の平均的シーイングを2~3秒角程度とすると、エアリーディスクの大きさを無視したとしても、平均して4~7ピクセル程度はボケていることになります。実際には、ここにエアリーディスクやガイドエラーや収差の影響が加味されますので、シャープな像にするのは非現実的に思われます。

    <ところが現実には>
    諦めるのは早計で、現代ではコンピュータ処理でデコンボリューション(画像復元)系の処理ができるので、画像処理によりこれらの限界を突破することは不可能ではないと考えます。シーイングの影響のみを考えても、178系のモノクロカメラだと焦点距離の上限が165~248mm程度となってしまいますが、それでは皆さんが鮮明な惑星を撮影できていることの説明ができません。よって、ある程度のオーバーサンプリング(理論上画素数が多すぎる)は無意味ではないと考えます。

    • あぷらなーとさん、ありがとうございます! あぷらなーとさんの講義はいつも分かりやすいので、楽しくなっちゃいます。

      あとでアップしようと思うのですが、waveletをかけたM51は木星の模様が現れてくるようには劇的に変わらなかったのですよ(もちろん、私のやり方が悪かったというのはあるのでしょうが)。あまりに変化がないのでがっかりしたくらいです。

      木星を処理していても魔法のようによくなるときと、そうでもないときがありますよね。オーバーサンプリングが有効だとして、やっぱり何か条件があるような気がします。

      やっぱりシーイングがよくないとオーバーサンプリングが生きてこないということなんでしょうか。この点について、天リフさんは「理論的考察は筆者はまだ決定版というものを知らない」とおっしゃっているのですよね。

      今回はFITのライブスタックでしたが、SERで記録したらまた違うのかしら。AS!の処理を挟むので、上位20%とかラッキーイメージングができますものね。

    • わかりやすい。
      <ところが現実には> 
       ↑これ、非常に大切な気がする。

      • 是空さん、あぷらなーとさんの講義はほんと分かりやすいです。理屈はこうこうだけど、現実は〜というところにブレークするーがあって、世の中が進歩していくっていうのが面白いですよね。

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