オヤジさん、けむけむさん界隈で、フラットトークが賑やかなので、ステライメージ8に乗り換えついでに私もメモしておきます。とそのつもりで書くはずだったけれど、ワンショットカラーCCDユーザーには、ステライメージ8の新UIでフラット処理をするのは無理ありという結論に落ち着いたので、その悲しい記録になります。
フラットの作成
望遠鏡にかぶせるのはレジ袋やトレーシングペーパーではなく、100円ショップで売っている発泡ポリエチレン製のクッションシートにした。皿とかグラスを包む白いシートと言えば分かるかしら。二枚重ねにした。
フラットの撮影
撮影にはSharpcapを使った。薄明中の空ではなくて、14時前後の曇り空。ヒストグラムを表示させる。40%くらいのところに山が来るようRGBの山をあわせる。ASI1600でGAIN=139 EXP=0.0125 で10枚、GAIN=200 EXP=0.0015で10枚を撮影。 もちろん、同じ光学系。
フラットの合成
ステライメージ7で行った。手順はステライメージ7のよくある質問と回答(FAQ)に従った。以下、引用(赤文字はにゃあの強調)。
フラットフレームは複数枚を撮像し、以下の手順でコンポジットします。
撮像したフラットフレームを開きます。
※デジタルカメラ、1ショットカラーCCDカメラの場合は必ずベイヤー配列で開きます
[バッチ]メニューから[コンポジット…]を選び、「コンポジット:バッチ」ダイアログを開きます。
※ここでは、「位置合わせ」は行いません。
「コンポジット」の「方法:加算平均(σクリッピング)」、「ピクセル補間:バイリニア」、「しきい値:1.1」とします。
特に理由がなければ、カメラの種類にかかわらずこの設定にしてください。
設定ができたら[コンポジット実行]ボタンをクリックします。
コンポジットが完了したら[閉じる]ボタンを押して、[コンポジット:バッチ]ダイアログを閉じます。
FITS形式で実数32ビットの画像ファイルとして、名前を付けて保存しておきます。
この時点で、適用するフラットフレームはベイヤー配列の1枚になっているはず。出来たのがこの1枚(分かりやすいように強調処理済み)。カビ?とか油汚れ?でひどい(泣)。
フラット補正
コンポジットに先立ち「バッチ>共通ダーク/フラット補正」で、先程つくったフラット補正画像ファイルを指定する。この時、注意しなければならないのは、ライトフレームは「ベイヤー配列」の状態(=市松模様のことだよね?)で行うこと。ベイヤー・RGB変換をかける前にやる。そのあとにコンポジットへと進む。
できた画像が上(モデルはM78さん)。ちなみにフラットを適用しないとどうなっているかというのが下の画像です。
フラットありなしの差は歴然としていて、フラットを適用したことでキレイにカビ?とか油汚れ?が消えていることが分かります。ステライメージ7による作業ここまで。
使えにゃいステライメージ8の新UI
さて、なぜステライメージ8だと悲しいストーリーになるのか。それは、ステライメージ8が「自動処理モード」を売りの一つにしているからに尽きます。
ステライメージ8を開封し、PCにインストールしました。7はアンイストールしました。自動処理モードで立ち上げます。ディベイヤーをかけてくれないことは、すでに、あちこちで報告済み。これが曲者。
ワンショットカラーCCD/CMOSでステライメージ8(自動処理)が使えない理由
- ライトフレームを読み込み
- ディベイヤー=RGB変換できないままコンポジット強行
- カラー情報破棄でGAME OVER
なので、どうしても自動処理モードをどうしても使いたい場合は、ライトフレームをディベイヤー=RGB変換処理しておかないといけない。この時点で、ステライメージ7で推奨されるような処理ができない。
こんな理由だから、ワンショットカラーCCD/CMOSの画像を処理する際、ステライメージ8の目玉として追加された自動処理モードはまったく役に立たない。
ディベイヤー前のライトフレーム10枚とステライメージ7で作成したフラットフレーム1枚を自動処理モードで強行にコンポジットしてみた画像がこれ。やっぱり消えてない。消えるはずもない。
ワンショットカラーCCD派(少数だと思うけど)はステライメージ8の自動処理モードは使えないので、詳細編集モードを使うことになる。ということは、8を買う理由が一つなくなる。しかし、DSLRユーザーはどうなんだろう? 同じく必ずベイヤー配列で開くことを推奨されてるのだけど。
どっちにしても、ワンショットカラーCCD派が新UIを使いたい場合は、ライトフレームもフラットフレームも詳細編集モードという名の従来モードでRGBに変換しておく前処理が必要になるということでしょうか。
前処理を自動化してくれるのがステライメージ8の特徴なのに、自動処理モードを使うまえに前処理が必要というなんとも皮肉な話で終わるのでした。
ステライメージ8がいい理由を挙げるとしたら、それは「100枚を超える画像を諦めることなく読み込んでくれること」かな。
PS:アストロアーツさん、この問題、ぜひともアップデートで改善してほしい
改善されたようです。
この記事へのコメント
SI8は、アンインストールはしてないけど
デスクトップにアイコンはいない状態です (^o^;
けむけむさん、SI7と何ら変わらないですよねぇ。アイコン隠して正解かと。新機能が使えないというのは、残念無念です。
会社に質問しても、同じ回答でしたね。
詳細モードで、カラー保存。
で、自動モードから・・・・・らしいです。
アップデートが来て直ぐ、一眼レフEOS70Dで、撮影。
自動モードで処理してみましたが、確かに便利なので、余計、詳細モードがふびんで。(汗)
にゃあさん、発売前から分かっていた事とは言えもう少しどうにかならなかったのかとは思いますね、「一般のデジカメ専用です」と宣伝はして欲しかったように思います。
ただ彗星遊びの私には結構使えるので助かります、それでも12000円はどうかなと思う所です(^^;)
オヤジさん、そうでしたか。ステライメージってもともと冷却CCD用に開発されたソフトウエアらしいんですよね。初心に戻っていただきたい気持ちです。オヤジさんがおっしゃるように便利な機能なら、EOSの赤外線改造にでも手を出すが選択肢1。だまってSI8を使い続けるが選択肢2。外国製のソフトウエアを探すが選択肢3。悩めます(笑)
らっぱさん、彗星撮りの新機能が使えるというのは恩恵ありで救いありですよ〜。おっしゃるように、自動処理はDSLRでしか使えませんくらいの注記は欲しかったですけど(^^)。