StellarMate OSが7月21日、v1.5.3にアップデートされていました。一番の目玉はラズベリーパイ4の8GB版がサポートされたことですかね。次にINDIライブラリとKStarsがぞれぞれ、v1.8.6と3.4.3に更新されたことでしょうか。アナウンスされている項目は次のとおり。
- Raspberry PI4 8GB版のサポートが追加されました。
- Mount Bluetoothペアリングのサポートが追加されました。
- Canon CR3形式のサポート。
- 新しいネイティブPentax DSLRドライバー。
- 常時オンのホットスポットモード。
- INDIライブラリをv1.8.6にKStars 3.4.3に更新しました。
INDI 1.8.6のアップデート内容はどこに書かれてあるんだろう? 探せなかったけど、KStars 3.4.3のアップデート内容についてはT-Studioさんがまとめてくださっている。KStarsのアップデートは、人によって注目する機能は違うだろうけれど、バーティノフマスクのアシスタント機能とか温度変化対応オートフォーカスが目玉なのかしらん。
あんまりワクワクとはしないのだけれど、StellarMate OS v1.5.3をダウンロードしてみた(v1.5.2のディスクはNAS用に消し去ってしまったので、アップデートは試せなかった)。ダウンロードサイズは1.7G。ダウンロード回数10回のうち3回を使ってしまった…。
ひとまず、KStarsのバージョンが3.4.3になっているのを確認した。RTCとか設定した環境をインストールするごとに設定するの面倒くさいなぁ。設定ファイルを別に保存しておいたほうがいいのかな。今回はインストールしてみただけ。 一応、デスクトップ上にPackage Updaterのショートカットがあるのは確認した。
AstRPiがあるので、どこまでStellarMate OSとお付き合いするかという問題はありますが、StellarMateのスマホアプリには結構、期待しています。スマホ版StellarMateがどんな進化を遂げるかは見てみたいな。
というか、あれ? しばらく遊んでいたら、OSがRaspbianになってる。前はUbuntuじゃなかったっけ?
$cat /etc/issue
Raspbian GNU/Linux 10 \n \l
ボタンのデザインとか見ている限りだと、 v1.5.2ではすでにRaspianになっていたっぽい。1.4→1.5でRaspbianになったのかな?
この記事へのコメント
にゃあさん
個人的には今回のアップデートはオートガイド系の向上かなと感じています。
私はStella Solver機能がEkosに内蔵された段階でアップデートしようと考えています。
ろんろんさんとのやり取りで、どうやら8GBはOSの仕様が変わっているように感じています。OS自体も64ビットになりますので、INDI環境が安定するのに時間かかるのかな。。(ARMの64ビットOSはNanoPiM4でもかなりドライバ対応に時間かかりましたので。。)
T-Studioさん、PHD2との連携の強化というのもありましたが、LInux系ではどのガイドを使うのがやりやすいのでしょう? 私はWindowsとM-GENを中心に使っていたので、このあたりまだよく分からないです。ステラショットのガイドは、複数の星を指定していたので、見た感じの安心感はありました(笑)
星を撮るには、64bit OSってオーバースペック気味でしょうか。ラズパイ3でもKStarsの星図以外はさほどストレスを感じませんし。処理の速さを求めないだけに、どれだけ安定しているかが一番重要な感じがしますね!
にゃあさん
Ekosのガイダー機能のベースはLinGuiderというオートガイダーが基になっているんですが、長らく機能アップがありませんでした。
しかし使い方は非常に簡単ですよ。(LinGuiderも同様に簡単です。)
理由はLinGuiderもEkosガイダーもPID制御のガイド機能がデフォルトになっていますので、パラメーターをほぼいじらなくても、設定してある望遠鏡の焦点距離、カメラの画角で自動的に適正値でのガイドが可能です。(いじるとしてもゲインくらい、全く数値をいじらなくてもちゃんとガイドします。)
まだ試せていませんが、今回の機能アップでマルチスターガイドのような機能がついたと見えますのでもしそうであれば非常に期待できます。
今回はRA側のみPHD2と同様の予測型のガイドアルゴリズムも内蔵されたようなので、Ekosのガイダーで充分に高度なガイドが実現できると思います。
64bit OSについてですが、一番大きな変化は使用できるメモリ量の増加です。
64bit OSを使用しないと8GBのメモリをフルに使用できません。
ただし、アプリやOSなどもメモリ消費量が多くなりますし、ARM系の場合INDIサーバ・ドライバの最適化が遅れる傾向があります。
今回配布された64bitOSはカーネルバージョンが大幅に上がったようなので、諸々のドライバ関係の動作はチェックしてみるまで不明です。(フォーラムではUSBシリアルに不具合があるように記載がありました。)
AstRPiの場合はRAMの仮想メモリを多めにとってメモリの使用方法を効率化してありますので、KStars、CCDCielを両方立ち上げても1Gも使用しません。
更にPHD2や画素数の多い天体カメラを使用したとしても2Gでお釣りが来ると思います。(一眼デジカメで内蔵SDに画像を保存すればラズパイ3でも全く問題ありません。画素数の多い天体カメラもラズパイ3でもなんとかいけると思います。(転送系がプアなので遅くなりますが)
現状では8GB版以外は32bitOSを使用した方がメリットが多いと思います。
(NanoPiM4はARM64bitOSですが、INDIが安定するのに1年以上かかりました。)
-Studioさん、ご丁寧に説明をいただき、ありがとうございます!
なるほど、LinGuiderはEkosに組み込まれているので、Ekosの設定値を使ってガイドしてくれるというわけですか。統合環境ならではのメリットですね。ステラショット並に楽ちんそう。こんどフィールドに持ち出すときはLinGuider試してみます。こう雨や曇が続くと、まったく活用できる機会がないのが寂しいですが。
64bit化のご説明についてもありがとうございます。Windowsの64bit化以上に面倒くさそうな感じですね。8GBのメモリをフルに活用しなければならないアプリケーションがKStars/Ekosまわりにどれだけあるかというのもポイントですかね。
話ついでですが、画像の転送に関しては、ASI AIR PROでもフォーサーズと1/2センサーでは明らかに時間が違います。撮影環境によるのですが、オヤジさんのように有線の導入も考えなければと思っています。
にゃあさん
今回のバージジョンアップで幾つかの要素は本家Linguiderよい進化しました。
SEPMultiStarがマルチスターガイド機能も持っていればガイド撮影はかなり安定しそうです。
64bitは実はWindowsにおいてもASCOMを使用する場合は注意が必要ですよ。(ドライバの対応など、ASCOMはWindows10にも正式には対応していませんのでコツが必要です。)
ラズパイなどのSBCの場合はとにかくチップのドライバ関係が安定するかに尽きます。(ARM系の場合は特にLinux自体の対応が遅い傾向があります。)
天体系のアプリでメモリを一番多く消費するのは惑星撮影用のアプリです。
メモリだけでなく、記憶媒体も激しく消費します。(Ekosはかなりスリムですね)
だとしても2Gもあれば充分です。
画像の転送に関してはINDIやINDIGOのようなネットワークドライバの場合、最も低速な部分で動作の快適性が決まりますので、その部分への対処がどれだけできる機能があるかによって変わってきます。(一般的にはビニングや、プレビュー時のみピクセル数を減らすのが有効です。天体カメラであれば外付けSSDに直接書き込めばある程度快適になるかと思います。一眼デジカメは内蔵SD)
でも、これって実は天体カメラが機構上一眼デジカメのようにプレビュー用の別回路持っていないのが最大の原因なんですよ。(しかも扱う画像形式が激重のFITSですし。。)
まあ、一眼デジカメのライブビューもフレーム固定なので、天体用には暗くて使いづらいですね。
以前ブログで並列処理のことを書いたのは、この辺の事情もあります。
(天体特化なので実現は難しそうですが。。あ、防犯カメラ系の需要はあるかも)
アプリケーションを本当に理解するには、OSを理解しないといけないし、ドライバを理解するには、かなりハードに近い低レベルなレイヤーから理解しないといけないのですね。私にはまったくついていけそうな気がしません(笑)
「最も低速な部分で動作の快適性が決まる」という考え方はそのとおりだと思いました。最速とか最大とか、トップライン的な性能に目が行きがちですので。安定的に稼働するというのもある意味そういうことですよね。
ASI AIR PROやEkosで撮影する場合は、APS-Cではなくてフォーサーズくらいがちょうど良いのかなぁとも感じています。こればかりは実戦に投入してみないと、いまひとつ評価できませんが。晴れてほしいです。