天体写真系ユーチューバー(こう書くと軽い響きがするな)Astro BackyardのTrevor Jonesさんの動画を見ていて、なんだかちょっと、心を動かされたので、ここに綴っておくことにした。テーマは「天体写真に疲れちゃったことってない?(Feeling Burnt Out?)」だった。
そもそも天体写真趣味ってさ、昼夜が逆転している趣味だし、雨が降ったらアウト、風が吹いてもアウト、お金をかければ青天井。と、考えようによっては、なかなか思うようにいかない、ストレスフルな趣味だよね。
私も仕事が忙しくなると、まったく天体写真に手が付けられなくなる。そんなとき、夜空が曇っていると「よかった」って思うこともよくあるよ。ほかにも、せっかく機材を買ったのに、思ったような写真が撮れないとか、上手に現像ができないとか、自分が成長しないことが情けなくなることもある。

写真は拾い物death
とまぁ、天体写真趣味に疲れる理由は、そんなやあんなやがあるんだけれど、案外、見落とされがちなのは、SNSの影響かもしれないね。Trevorさんの動画は、そこに焦点を当てていたよ。
Trevorさん自身、天体写真やYouTubeの動画を撮るような気分になれなかったことがあったんだって。SNSで自分より上手に天体写真を撮る人たちと自分を比べ始めちゃったんだ。セルフブランディングが上手な人がいる。彼らのフォロワーの数や「いいね」の数が気になっちゃう。自分よりたくさんの「いいね」をもらっている人に嫉妬しちゃったんだね。それで、あんなに好きな趣味だったのにモチベーションを保てなくなっちゃったって。
でも、自分はなんのために天体写真やYouTubeをやっているのかと考えたんだ。うまい写真をひけらかすためじゃなくて、自分が楽しみ、天体写真を撮りたい人の助けになりたいと思ってやってるんだから、フォロワーの数で競ったって仕方ないじゃないかって気づいたんだそう。
「いい写真を撮りたい」と結果を急ぐと自分を苦しめるだけ。いい写真が撮れるようになったらそれで趣味が終わっちゃう。そうじゃなくて、写真を撮るときや、その準備をしているときの、その瞬間瞬間を楽しもうって気づいたんだね。天体写真を楽しむこと、自分がハッピーなることが目的なんだって。
その気持ち、私にも分かる気がするよ。ほかの人たちがどんなことをやっているのか、やっぱり気になるのでSNSをついつい見ちゃう。SNSをのぞいて楽しんでいるうちはいいけれど、だんだん焦りのようなものを感じてきたら、注意が必要だよね。
SNSのセルフブランディングが上手な人たちは自分を飾り立て、フォロワーがそれを称賛し、「いいね」が増えていく。そして、それを見て嫉妬するだけじゃなくて、そうなれない自分を嫌悪しはじめる。自分の投稿に「いいね」がつかないと、みんなに無視されているんだろうかと思い始める。たとえば、そんな悪循環だ。
天文ギョーカイじゃないけど、そうやって心を病んじゃった人が、私の周りにもいたよ。そんな悪循環を断ち切るためには、天体写真趣味からの距離を置くんじゃなくて、SNSとかインターネットそのものからの距離を置いて「比較ゲーム」をやめるのが一番だ。
これは天体写真趣味だけじゃなくて、どの趣味コミュニティーでもある、いわゆる「SNS疲れ」だよね。「SNS疲れ」には長時間の利用による目の疲れや睡眠不足といった体の問題もあるけれど、SNSで自分と他人の「比較ゲーム」を始めちゃうことの心的な問題も大きいんだ。
Trevorさんは、天体写真趣味に疲れちゃったら「どうして天体写真を始めようと思ったのか、初心に戻るといいよ」ってアドバイスしている。「そのときの感動は古くならないから」って。そう話しながら、ちょっとうるっとなってるTrevorさんの姿を見て、私もうるっとなっちゃった。
この記事へのコメント
この猫の表情、いいっすねぇ~♡
魚眼レンズもいい仕事している。
自分が天体写真を撮っているのは↑とは違う観点で、ホントにそんなのが宙にあるのか?がスタートでした。
それがショボい機材(PENTAX一眼+ASTRO TRACER+カメラ三脚)で始めてみて、導入にてこずった事から”これは撮るには工夫がいるな”ってなって、そこからその工夫が楽しくなっちゃったんですよね。
作品を撮りたいって思ったことが無かったことも大きいかな?
いい写真を見ると綺麗だなぁって思うけどスゲーなって思ったことは無くて、スゲーなって思ったのはあぷらなーとさんですね。
この人スゲー!!!って。
自分にはあぁいうことは出来ないけれど、小さな工夫で誰かに刺さればいいって思ってますよ。
偶に共感してくれる人もいるし、今のところは楽しくやれていますね。
工夫することが無くなったら多分消えると思います(^^;)
カメラde遊ingさん、すみません、写真は拾い物ですm(_ _)m
光を知り尽くしてる人だからできるハッキングの数々、あぷらなーとさんは、スゲーです!
私もたまに、天体写真に飽きてしまいそうになることがあるんですが、おっしゃるとおり工夫することの楽しさがあるっていうのが素晴らしいです。特に3Dプリンタを教えていただいてからは、工夫の選択肢が広がりましたよ。ちなみに塗装編は、恐ろしいくらい読まれませんでしたが、自分が楽しいからいいの(笑)
>恐ろしいくらい読まれない
そうなの?面白かったですよ。
この先も楽しみです。
カメラde遊ingさん、ありがとうございます(感涙)。まだ本格的に塗装できてないですが、そのうちがっつりとやります!
目いっぱいの力強い同感だね。ddd^^bbb←メイッパイノ イイネ
「比較ゲーム」をしたくなるのもわかるけどさ、実力や経済力が伴わないと空回りするだけだもんね。
始めた時のきっかけは、結果でなくもっと些細なところにあることが多いと思う。
かっこいい機材を使ってみたいとかね。
猫の写真にほっこり。”な”だね。^^ナ
猫の写真、私の記憶では15年くらい前?にネットではやった「ねこかるた」のうちの一枚です。発祥は「ふたばちゃんねる」だったとかいうブログを見つけましたが、定かじゃありません。ほかにも秀作があふれていますよwww
https://bit.ly/3GwPfPd
さすがの文才。
趣味に負担を感じたら本末転倒な気がするけど、そうなっちゃってる人多そうな…
天体写真趣味って、ニンゲンにはどうしようも出来ない天気や月やらまで関係しちゃって時間的にホント厳しい趣味ですよね。
まずは仕事なんか辞めちゃって仙人のような暮らしを始めるところがスタートだと思いますぞ。ふぉっふぉっふぉっ
私も自由な時間を謳歌できる仙人のような暮らしがしたいです。まったくスタートラインに立ててません。嫉妬、嫉妬、キィ〜〜(笑)
こんにちは。
誰しもある事かも知れませんね。
私なんぞは、自分で縛り作って自分のルールでやってるからあんまり周囲は気にせず、自分が知ってることが誰ぞの役に立てば良いか。。。くらいのつもりでやってます。
でも、より良い写真見て嫉妬できるのも向上心の現れとも思いますけどねえ。。。(笑)
自分の出来ることと、その中で自分の最大限の努力と自分らしさかなあ。。。ヽ(´▽`)/
こたろうさん、こんにちは〜
>より良い写真見て嫉妬できるのも向上心の現れ
私もそう思います! 嫉妬が技術の向上につながることがありますものね。「なにくそ、うまくなってやる」って。健全な嫉妬は作品に対してするものであって、「いいね」の数じゃないよねということなんだと思います^^
ビデオ見るまでもなく(英語ワカラナ~イ)、タイトル見ただけで、内容に禿シク同意。
にゃあさんにはワタシの今の心の中お見通しってビックリ。
猫がホントにいい顔してますねー。拾い物ですか・・・
わたしゃてっきりにゃあさんの顔を猫顔変換アプリ通したんだと思いました。
暫くデスクトップの背景に貼っときます!
i*matさん、「天体写真に疲れちゃったことってない?」って、心のなかを覗いてみると、実は私のことかもしれないです。みんな多かれ少なかれ、感じていることなのかもですけど。
通勤電車に乗っているとき、きっと私はこんな情けない顔をしてるんでしょうねぇ。トホホホ
訃報
われらがナポレオンズのパルト小石さん(例の穴の開いた帽子をかぶり頭をくるくる回す方)が26日に亡くなったみたいだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f0c5497ba55e4bf493138ef23478ae62904c14e0
ーーゴメイフクヲオイノリシマス
この訃報に触れたとき、是空さんも悲しんでらっしゃると思っていました。このネタのときですよね。ゴメイフクヲオイノリシマス
おはようございます。
何でもそうですけど、色んな人がいて、みんなやり方が違って好きにやってればいいんだろうって思っています。
仙人になったけむけむさんと、嫉妬しているにゃあさんとか(笑)私もキィ〜〜な立場です。
カメラde遊ingさんのスゲーーなってとことか、消えちゃうとか。
コメント欄でも色んな人の意見が聞けました(この場合は読めましたが正解)
先日、山で会った人が「山でおれのことを知らないヤツはいない」と言っていて笑っちゃいました。銀河を撮るそうです。ちょっと見せてもらったら、長焦点でぐるぐる渦巻きかと思ったら、天の川銀河でした。
世の中、いろんな人がいるなあ〜〜
人の視線を気にせず、自分のやりたいことだけに集中するって、案外難しいことなのかもしれませんよね。
>山でおれのことを知らないヤツはいない
くまさんが「オッス」、きつねさんが「チース」ってあいさつしながら、山道をすれ違うのでしょうか。それはそれで、クリストファーロビンみたいな人生でいいすね!