「くるくる回るフォーカス機構」こと「主鏡移動式」の試作1号を組み上げたというのが前回の話。
回転台というのか鏡台というのか、ターンテーブルというのか、とにかくこの子を収容するパーツが必要だ。そして、実際にきちんと回るか確認しないといけない。
そこで、印刷した台座がこれ。円柱でなければ六角柱でもない、金属の棒で支えるタイプ。金属棒の穴は6個開けたけれど、おそらく使うのは3本。気が向いたら4本とか6本に変形するんだ。柱の数はともかく、真ん中の大きな穴に上の鏡台をはめ込み、後ろからノブをねじ込む。
装着したのがこちら。なかなかかっこいいと思ったんだけれど、ガタガタして鏡が安定して移動しない。Kenさんには、「ネジの遊びというかガタが酷いのではないでしょうか?」と、そうそうに見透かされてしまったが、そのとおりなんだ。
シュミカセにミラーシフトの宿命があるように、この望遠鏡でもネジのガタツキは、ある程度想定していたんだよ。ミラーシフトの原因は、「ミラーをスライドさせる為のスリーブ、バッフル間の遊びとFOCUS用ボルトとFOCUS用ナットの間の遊び」なので、今回試作する機構では、その遊びをできるだけ小さくしようとはした。
具体的には、鏡台と台座の隙間ができないように、両方を同じ径で印刷し、やすりで削ってようやくはまるよう、ジャストフィットにしたんだ。正確には分からないけれど隙間は0.2mmあるかないかだと思う。これならひどくは傾かないだろうと思った。
しかし、実際にノブをねじ込んで回転させてみると、あにはからんや、傾くんだよな。敗因は、ネジの遊びが大きいということが一番なのと、鏡台の径に対して、ネジ径(M8)が小さすぎてサポートが十分でなかったというのがあると思う。隙間をなくせば傾かないだろうと思ったのは一番の誤算。動画で残していないので、どんな傾き方をしたのかお見せできないのが残念だけど、目に見えて失敗の巻だった。
さぁ、作り直しだ(歓喜)。前のエントリーではたくさんのPLAN Bのアイデアをいただきました。ありがとうございます!
Kenさんには、「鏡筒をナット、鏡台(?)をネジ」にしてみるアイデアを頂きました。ちょうど私が考えていたPlan Bと同じだったんだけど、ネタバレにならないよう気を遣ってコメントを編集していただいたのかしら。ありがとうございます〜。
けむけむさんには、チューブを介して注射器で押し出す「ところてん式」というのか「ローション式」というのか、広い意味で「油圧式」のアイデアをいただきました!これ、別の機会にやってみたいです。
カメラde遊ingさんには、鏡筒内側にガイドレール(溝)を設ける方法と、フォーカサーを自作する方法をいただきました。同じ「主鏡移動式」でも、回転して前後させる機構しか頭になかったので、このアイデアは新鮮でした。世の中のシュミカセもこの機構にすればいいのに。FUSION 360のアドオンはまだ使ったことがないので、いずれやってみたいです。
是空さんには「面積比だと約33.5%で約1/3ロスするぐらい」というご指摘をいただき、i*matさんには、具体的な数値化の根拠をいただきました。そうなると、ミラーを固定して、カメラ側で合焦させる方法が私のなかで再浮上してきましたよ。これは一番現実的な気がしています。
みなさん、ありがとうございました。どれも実際にやってみたいんだけど、次回は、まずはKenさんと同じ考え方(だと思う)の解決法をやってみます。さっき、ようやく印刷が終わったところです。
この記事へのコメント
プロジェクト、ガンガン進んでんすね。
3Dプリンタって便利なんだなぁ… と再認識してます。
最近は、もはや星よりも3Dプリンタが趣味になっている感じがします^^;
主鏡が回転してしまうと収差と光軸調整が都度必要になってしまいますよ。
シュミカセのようにねじ先端部分で回転を受け止めて鏡を回転させずに押し出す機構が必要になると思います。(その部分のガタがミラーシフトですね)
自作ならばにゃあさんもお考えの通り副鏡側にフォーカス機構付けた方が楽かなと感じます。
主鏡移動で簡単に作るならば所有されているヘリコイドを主鏡の後ろにL字型の留め具などでガッチリ取り付け、主鏡側に31.7のスリーブか42mmのネジでこれまたガッチリ取り付ければある程度安定して動くと思います。(但し、直進ヘリコイド限定のアイデアです。)
直進ヘリコイドを主鏡に付けるって案外難しいんですよ。文字で伝えるのはさらに難しいのですが、
BORGのヘリコイドって、対物側が押し出されるのではなくて、接眼側が押し出されます。なので、接眼側に主鏡を取り付けたとしたら、主鏡が手前に繰り出しますよね? なので、180度回転させて取り付けてみようと考えるわけですが、そうすると回転させるネジが鏡筒のなかに入ってしまって回せなくなるんです。
>主鏡が回転してしまうと収差と光軸調整が都度必要に
はい、そうなんですよ。ここまでガタが大きいとは思っていませんでした。
なので、主鏡を固定させて、カメラに光軸調整とフォーカスの機能を持たせるのが正解だと考えているのですが、大きくなってしまうので躊躇してしまいました。この部分、是空さんがそうでもないのでは?というご指摘をくださったので、検討中です。
しかし、それはそれで、結構な課題があり、一筋縄ではいきません……
週刊作る望遠鏡シリーズ連載開始!・・・と思ってたら、ほぼ日刊化してる・・・
デアゴもビックリ!
もうすでに次刊の印刷も進行中(イミチガウカ・・)ですと!
編集局の殺気も週刊と日刊ではレベルが違う!!
どうか、ムリなさらず、ご安全に!
i*matさん、ありがとうございますー。3Dプリンタの印刷スピードにあわせて進行しているのでネタが小出しになってしまっています。PETGのゆっくり印刷なんで、1個のパーツを打ち出すのに10時間とかかかってます。すみません…。もう一台ほしい…
台座と鏡台の間にスプリングを置いて鏡台を常に押し出すテンションをかけたらどうだろう?というのが前回の記事を読んだときに思ったこと。
たとえばフォーカス用のボルトにスプリングを通しておくとかね。
経験がないから何が正解なのかやってみないとわからないよね。^^キナガニタノシモウゼ
柱の件だけど、柱間の筋交いのことも頭に入れておいたほうがいいかもよ。
想像するに、柱の本数よりも筋交いの方が重要な気がする。^^シロウトノ タワゴトダケド
是空さん、白状すると、押しネジと引きネジの機構が理解できてないんです。スプリングの利用もあわせて、パーツに対するテンションのかけ方が分かってないってことなんですよね。
eVscopeはえらく上手に作っていて、まねっこしたいんですが、どうやって実現しているのか分からない。
https://glimpse.jp/articles/evscope1-review-20210329
柱の筋交い…交差させることも考えたのですが、どうやって交差させたらいいか分からないんですよ。と、分からないことだらけ(少なくともボディを大きくしたら交差できそう)。
何が分からないかが分かるというのが、やってみることの価値ですかねぇ。
↑のブログで主鏡部の画像を見たけど、きっとこれが大正解だね。^^
ただ、画像ではスッキリとうまくまとまっているのはよくわかるが、どうなってるのかよくわからない・・・
^^サスガ プロノシゴト
見た感じ(想像)では、
画像左側のスプリングのついたネジで主鏡を支えてるのは光軸調整の軸足で、画像真ん中手前と左側にみえる柱がそれぞれ光軸の水平と垂直方向に動かす部分に見える。
柱の下側の黒い部分は中間の板を支え、黒い柱の中を貫通する形でネジが主鏡部までつながっているんじゃないかな?
で、真ん中奥の太い柱がフォーカスのメインヘリコイドになってるのではないかな?
この手のことに詳しいそうな遊ingさんの見解を聞きたいところ。
ゴメン
誤:画像真ん中手前と左側にみえる柱が
正:画像真ん中手前と右側にみえる柱が
是空さん、まさにプロの仕事です。3D CAD歴1年のアマチュアとは違います。というか、天体望遠鏡の仕組みに通じていれば、ひょいと作れるのかもしれませんが。こうやって勉強していくわけですね。プライムニュートン計画が教材たる所以です^^
なんか呼ばれたような気がして・・・是空さんが書いているような構造だと思いますよ。
六角ボルトはその対になっているバネ付きボルトでX-Yのシーソー式の光軸調整機構なんでしょうね。
よく見えないのでヘリコイドの仕組みまでは想像できませんね。
ちなみに自分が考えた主鏡移動の仕組みはザックリ書けていますよ。
光軸修正と主鏡固定、あとバックラッシュ対策は未だですが(^^;
樹脂の抵抗とか無視した図ですが・・・
カメラde遊ingさん、「X-Yのシーソー式」という言葉がでてくるところがさすがです。主鏡移動の仕組み、どんなのか楽しみです。光軸調整はなんとなくできました。機能するかどうかは怪しいですが(爆)