プレアデス星団(M45)を撮影してきた。撮影計画を立てていたわけではなかったことに加え、手動導入に戸惑い、メジャーな天体しか撮れなかったというのが理由。
今回のプレアデス星団は、前日の馬頭星雲と同じ条件。ただし、北極星が見えなかったので、ポーラーメーターで極軸を取っただけ。この状態でオートガイドは歩留まりが悪く、まともなコマ(3分露出)は6〜7枚程度しかなかった。
以上、前置き。以下、独り言的なメモなので、真に受けないよう要注意!
「冷却の有無、ディザリングの有無は画質に影響するんだろうか?」っていうのを同じ被写体で見てみたかった。一応、サイズは違うものの、クリックで拡大できるようにしてある。
下のこの写真は、今回、ASI1600 MCを -15度に冷却したうえで、ディザリング撮影したもの。18分露出と圧倒的に短い。冷却したうえに、ディザリングもかけているという「贅沢バージョン」なのだ。
カメラ:ASI1600MC COOL(冷却あり -15度)18分
架台:AP赤道儀
ガイド:M-GENオートガイド
ディザリング:あり(APT -> M-GEN)
こちらの8月19日に撮影したM45は、α99改で撮影したもの。つまりは冷却してない。架台はAP赤道儀でディザリングはナシ。ダークは使い回しで減算している。冷却もディザリングもない、いわば「スタンダードバージョン」。ただし、上と違って81分露出しているし、処理も強い。
カメラ:α99(冷却なし)81分
架台:AP赤道儀
ガイド:M-GENオートガイド
ディザリング:なし
いろいろ条件は違うのだけれど、両者を比べてみると、背景のノイズの入り具合が違うような気がする。これがクールとクールじゃない写真の違いなのか? クールな方が背景が滑らかなような気がするけど……。
入門1年目で冷却カメラで撮影したM45を見てみた(写真下)。気になるほどの目立った背景のノイズはない。冷却はしているけど、ディザリングはしていない。ダークも引いていない。
カメラ:ASI1600MC COOL(冷却あり たぶん-14度)69分
架台:Advanced VX
ガイド:M-GENオートガイド
ディザリング:なし
ディザリングの「あり」「なし」よりも、冷却の「あり」「なし」の方が背景の滑らかさに効いてるような気はする。「気にするほどじゃないんじゃないの?」って雑すぎ?
敢えていえば、短時間露出でも冷却とディザリングをすれば、背景は言うほど荒れませんよってことなのかな。気がするだけだけど……(昨日の馬頭星雲の背景は、強処理のせいで結構荒れてる)。結局、これだけではよく分からない。ごめんなさい。
ASI1600 MC COOLで冷却の「あり」「なし」、ディザリングの「あり」「なし」で画質の検証してくれる人出てこないかなぁ(他力本願)。
P.S. 天文リフレクションズさんから、冷却の効果に関するコメントをいただいてた。背景荒れの主要因は「ランダム熱ノイズ」(よく分かってない)ということなのか?
冷却の意味はありまーす。ディザリングすればダークは不要?それならダークノイズ低減のための「冷却」の意義は?重要なのはダーク減算もディザリングも固定パターンノイズを散らす手段で、ランダム熱ノイズには無力だということ。
「天体写真はじめるよ」よりピックアップ。https://t.co/cQKoUDc4cR— 天リフ編集部 (@tenmonReflexion) September 16, 2018
この記事へのコメント
ノイズが入り込む余地を少なくするって観点だと、冷やしてディザリング、SIでダーク減算とホット&クールピクセル除去もやるよ… かな
けむけむさん、本気モードと普通モードと、手抜きモード。このバランス大事だと思うんですよね。気が病むくらいこだわると何のための趣味かと。
ダークノイズはカメラによってその出方が全く異なるのですが、ことASI1600MCに関しては下記のように冷却の有無で相当な差がありますので冷やした方が無難かと。
https://apranat.exblog.jp/25434276/
デジタル一眼については下記のように、機種による差が大きいです。ちと古い機種ばかりですが、愛用のD5000は古い割に結構いい線行ってるような・・・。
https://apranat.exblog.jp/24115209/
これらがディザリングでどの程度緩和されるかは・・・ごめんなさい。ディザリングやったことがないので、得意な人にお任せします♪
あぷらなーとさん、カメラに寄るって本当ですね。ASI1600がここまでノイズ多いとは思いませんでした。これは、冷却しなかったらどれくらいの画質が担保できるのか。興味深いですねーって、まだ他力本願(笑)
おそらく、皆さん個人個人の撮影対象(どこまで炙り出す必要があるか)によってノイズ系の要求水準が異なるのだと思います。今後天気が悪ければ、ダークのカメラ別・温度別の挙動調査ごっことか、ディザリングによるノイズ軽減の正体(目星は付けてますが)のシミュレーションとか、やってみましょうかねぇ。もちろん、晴れたら多連装『にせBORG』でカメラ別・設定別比較とかも面白そう♪
あぷらなーとさん、検証を押し付けようとしているわけではないのですよ。スミマセン、スミマセン(滝汗)冷却/ディザリングはいずれやるつもりです。
たぶん、私が分かっていないのは、冷却によって消せるノイズは何なのかなんだと思います。あぷらなーとさんが示してくださった「約30度でのダークノイズ」は、レヴェルを切り詰めているにしても、ほぼノイズだらけでしたよね。
このすべてがダークノイズだとは思えなくて……。仮にランダム熱ノイズだとして、非冷却のASI1600 MCだったら、これにどう対処するのかとか。そんな疑問が頭のなかをぐるぐるしているのでした。
お久しぶりです。少なくとも冷却カメラでもダーク減算は必要だと思います。一度酷い縮緬ノイズが出てしまい、まさかと思ってダークを引いたら軽減したということがありました(点状のノイズがガイドのズレで動いて縮緬状になっていたというオチ)。というわけで今はダークは必ず引いています。冷却カメラならば温度を再現するのも難しくありませんからね。フラットは……面倒でもやらないとやっぱり駄目ですね(自戒)。
上杉さん、ご無沙汰です! 縮緬ノイズは強敵ですよね。ここはあぷらなーとさんの専門領域ですよ〜。私は最初、縮緬を縮麺と読んでたくらいの門外漢(汗)締めのラーメン食べたいです(イミフ)完璧を目指すならダークを引くことになるんでしょうね。ここのところのさじ加減が難しいです。それぞれ撮影者のスタイルがあって、勉強になります!