スポンサーリンク

天体コンデジ NANO1 ファーストインプレッション!

装飾のないシンプルな筐体で、飽きが来ないデザインとも言えるかな。かわいい。ちっちゃいものクラブ会員としては、頬ずりしてしまいたくなるサイズ。RX0、YI 4K、NANO1を並べてみるとこんな感じ。NANO1と比べるとRX0はぽっちゃり系だな。

 

レンズ交換ができるのは強み

3機種ともお手軽撮影用としてポッケに入れて持ち運べる大きさがよいんだけど、持ち運びの便利さだけでいうと、スマートフォンがガチで競合になる。NANO1は、C/CSマウントレンズが装着できるという点が、スマホやほか2機種に対して優位。ただCマウント系は、基本的に産業用レンズなので画質が良くないのは織り込み済み。

一日持ち歩いてみたところ、カバンやポッケからさっと取り出して写せるのは、このサイズのカメラのアドバンテージだと改めて感じたよ。RX0、YI 4K、NANO1の三者比較でいうと、電源ボタンとシャッターボタンが同じYI 4Kが、起動から撮影までのストレスが一番小さい。

アメリカ旅行ではYI 4Kでバシバシ撮りまくった。超広角のおかげで風景写真と相性がよく、取り出し率では、一緒に持っていったNEX5やスマホよりも高かった。CマウントレンズをつけたNANO1がどれくらいの機動性を発揮するかが見ものだよ。

本当に「天体コンデジ」と呼べるのか

本当に天体コンデジなのかダメなところは結構ある。まずは外観から。M12レンズだとマウントに大きな隙間ができる。ここに水やらゴミが入って短絡しそうで怖い。C/CSマウントを装着すると穴が塞がるわけだが、デュアルマウントをうたってるんだから、そこはなんとかしてほしいぞ。それから、IRカットフィルタの糊付けが醜い。画質に影響しないのだとしても見た目が汚い。細部に魂がこもってないんだ(写真の右がIRカットフィルタで、左がマウントの装着部)。

それから、TINY1からNANO1へと仕様変更されたことで、GPSとAR機能がオミットされてしまった。このせいで宇宙戦用カメラというコンセプトが大きく後退してしまった(かと言ってTINY1の評価が高いわけではない)。外部から電源を供給できるところはGOODだけどね。

センサーに使われているIMX377は、普通のスマホについている代物なので、IMX224とかIMX290のように特別な製品じゃない。これも宇宙戦用をうたうには弱い。タイムラプスモードが搭載されているので、星空撮影にも使えるだろうとは思うけど、YI 4Kにだって同じ機能があるので、タイムラプスをフィーチャーすることだけででは「天体コンデジ」を主張できないよね。

アクションカムでオリオン座のタイムラプスを撮ってみた
GoProバスターとも言われるアクションカム「YI 4K」で星空がどれくらい撮れるか試写しました。友人と遊びに訪れた長野県内の山中で、オリオン座やおうし座などがある東の空を狙いました。 カメラを「タイムラプス写真」モードに設定。自動車の天井...

JPGはがっかり品質、RAWは想定外

画像性能はお世辞にも良いとは言えない。というか、軽くめまいがした。画像処理エンジンの性能が貧弱なせいで、JPGの出来が醜い。細部を拡大するとペイントしたようにのっぺりとしている。もはや写真ではなくて、リアルな絵だよ(下の画像は100%画像から一部をクロップ)。RX0はもちろんのこと、同じセンサー、同じレンズ(たぶん)を搭載しているYI 4KのJPGとも比較にならない。ここはマジで改善してほしい。これではスマホの代わりにも使えないのだ。

不覚にもスペインの教会で起きた修復画の事件を連想してしまった。

JPGができない子なら、RAWで処理すればいいやと心のなかで譲歩してあげたけど、NANO1が拡張子がRAWのファイルを吐くため、一般的な画像処理ソフトはもちろん、DSSでもステライメージでも開けないという恐ろしい事態に。いったんファイルをコンバータでDNGに変換しないといけないとか、これはカメラなのかと。天体コンデジなんだったら、いっそのことFITSで吐いてほしい。

加えてJPG+RAWの選択がないとか不便極まりない。(修正;RAWをonにするとRAWとJPGが出力されるようです)それから、少し長い時間使っていると本体が熱くなってくるので、ノイズに影響しそう。ダークとフラットは撮影してみるつもり。

画質とは関係ないけど、スマホとの連携が売りだったはずなのに、スマホにつながらないってどういうこと? これはいずれ改善されると思うけど、また半生状態で出荷してしまった感が強い。おそ松さんだな。

直焦点と電子ファインダーで名誉挽回できるか

いろいろ悪いところはあるけれど、私がNANO1に期待しているのは、31.7mmノーズを経由して望遠鏡でPCレスの直焦点撮影をしてみることなんだ。

ノイズリダクションで特許をとっているらしいので、それがどんくらいの出来なのかみてみたい。もっともお手軽撮影なので、過度に画質に期待しているわけではないけれど、せめてそこそこであってほしい。電子ファインダーとしての活用も考えているけど、暗所性能がどこまでついてくるか。

地上戦、宇宙戦を問わず、交換レンズのおかげでシャッターを切ってみたいと思える瞬間が増えることがNANO1の勝利条件だと思う。出力ファイルが使い物にならないとか困難な道のりだけど。

まぁ、外は雨だし、しばらく遊んでみるよ。

天体コンデジ NANO1 セカンドインプレッション!
しばらくNANO1ネタが続くと思います。関心・関係のない人が圧倒的に多いことは知ってるけど、ごめんなさい。備忘録なんです。しかし、日本に何人くらいユーザーさんがいるのかな。 今回は、25mmのTVレンズとNANO1を持ち出してお散歩してきた...

この記事へのコメント

  1. あー、やっちまった感ですね。
    即ち自分もやっちまったな、と・・・
    画像処理エンジンとか、拡張子とか、
    ファームアップで改善できる作りなのかなぁ。

    • せろおさん、TINY1ではファームアップは頻繁に行われていましたよ。私のぶんは最初のロットだったので、こんな感じですが、せろおさんに届く製品は改善されていると良いですね。

      JPGも縮小したら分からないので、しばらく遊んでみます。せろおさんがおっしゃっていたファインダー用途で使えればそれでいいかなと思っています。それでだめなら、だめでいいんですけどね。

      今回の件、不思議と怒りは湧いてこないんですよ。

    • せろおさん、これらの件、サポートにメールしておきました。

      また、あとで知ったのですが、スマホと通信するアプリは来週以降にも公開されるみたいです。AR星図機能やほかの機能も充実させるらしいので、自動アップデートをオンにしておくようにとのことです。どうオンにしておけばいいのかわらかんのですが(笑)

      https://www.tinymos.com/nano1-quickstart
      https://www.indiegogo.com/projects/nano1-world-s-smallest-astronomy-camera/#/updates/all

      • にゃあさん、情報有難う御座います。
        リンク先の手で持っている画像を見て、
        今さらNano1の小ささを知りました(笑)
        ちっちゃいものクラブ万歳!
        電子ファインダー用途なら画質関係無いですもんね!

        メーカーと一緒に育てていく・・・
        GPD Winに出資したから、今のGPDシリーズがあるんだな、きっと。
        GPD Win2は中古だけど。
        入手後からヤフオク相場が下がって悔しいです。

        • せろおさん、NANO1本当に小さいですよ。おかげで三脚なしだと長焦点で手ブレしまくりです(笑) ガチRAWからの変換だと画質は悪くないので、撮影用にも回せそうですよ。この小ささを私は気に入って使いそうですが、NANO1もヤフオク待ちとかありえそうで怖いです((((;゚Д゚))))

  2. 悲喜交々も含めて楽しんでおられるようで (^o^)
    YI4K的なの 5000円くらいの製品が溢れてるのに価格上げてくるとは…

    • けむけむさん、この半生的な製品をメーカーと一緒に育ててていく過程を私は楽しんでいるのでしょうか(笑)地下アイドルを応援しているような感覚? aliをのぞいてみましたが本家でも3〜4000円高くなっているような印象です。

  3. うぉ、インターレースっぽく流れたピカチュウ。ひさしぶり!(^^)ノシ

    JPEGのモッサリ感が半端ないね。まぁ、デジカメの絵作りは何をターゲットにするかで違うということなんだろう。
    すくなくとも一般的なデジカメと違いオールパーパスなセッティングでないことは確かだね。
    ことろでYI 4Kって、本当に文鎮になっちゃたんだよね?その後の状況が不明なもで。

    しかし、修復画の事件、今思い出しても笑える。不謹慎なのかもしれないが、感情の刺激される部分がどうしても”笑”の部分なんでしょうがない。
    これがお通夜とかだとグッとこらえるけどね。

    >ただCマウント系は、基本的に産業用レンズなので画質が良くないのは織り込み済み。
    ”基本的”にとあるので間違いではないのだけど、ちょっと異議ありだな。
    cマウントってもともとは16㎜フィルムのシネレンズ用で、あとから産業用に流用されたという認識。(あまり詳しくない)
    産業用だと用途に必要な性能とコストがシビアなので、要求性能が高い高価格なものから写ればいいレベルの低価格まで幅広く作られている気がする。
    一方シネの世界では、いまは16㎜サイズのセンサーでもcマウントこだわる必要がなく、ブラックマジックのようにマウントはMFTを採用したり、S35㎜やフルサイズとセンサーが大型化していて、作品作りレンズとしてのcマウントの需要はすくないんだろうね。
    でも今でもシネマ用のcマウントレンズを愛用してる人って結構いると思うよ。

タイトルとURLをコピーしました