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苦節550日、やっとこラズパイでリモート撮影ができた!

StellarMate OSの存在を知ってから1年と半年が過ぎ、やっとようやく今夜、ラズパイを使ってリモートでまともに写真が撮れた。「まともに撮れた」というのは、星図で天体を導入し、Plate Solving(写真下)ができて、シャッターが切れ、そして画像を引き出すという、一連の流れがリモートでできた状態。この一連の動作がなかなかできなかったんだ。550日かけて実現できたので、感無量なのだ!

これまで導入とか導入補正とかに苦労してた自分が可愛そうなくらい簡単に操作できたよ。KStarsってこんなに便利だったのかと。さっきまで欲しかったASI AIR PROを買う理由は何なんだろうとか思い始めた。そんくらいすごいよ。実質1万円くらいなので、試してみる価値はあると思う。

今回、かなりあっさり撮影できた勝因は2つあるよ。一つはAstroberry-J(T-Studioさん)の存在、それからAZ-GTiの赤道儀化と「あんこ玉」(オヤジさん)の存在があったからだと思ってる。後学のために私の悪戦苦闘の過去をメモしておくよ。

過去の悪戦苦闘のメモ

OSのアップデートで一気に進展

Stellar Mate OSで、まったく思うようにいかなかったのは、カメラの認識だったんだ。

StellarMate OSを知ったのが2018年9月。DSLRは別としてASI1600で初めて画像が撮影できたのは2019年9なので、まる1年もかかってる。

このあいだ、OSのアップデートがあったんだけれど、私がインストールしていた初期バージョン(1.4.0?)はオンラインアップデートができない製品だった。これに1年も足をひっぱられていた。

新しくOS(1.4.4)をダウンロードしてインストールしたとたんにASI1600につながった。このバージョンでは INDI Library v1.8.1 をサポートしたことが大きい。こまめに公式を見に行っていればよかった。そうしていれば、もう少し早くリモートで撮影できていたかもだ。

思うに、StellarMate OSに早く手を出しすぎたことが災いした。

アプリからリモート操作できるStellar Mate OS

StellarMate OS Ver.1.5.79をインストールした2019年3月には、StellarMate OSがiOSやAndroidから操作ができるようになっていた。これはQHYが開発していたStellar Mate用のフロントエンドだと思う。

これが、またとてもよくできていて、INDIドライバの設定をしなくてよい仕様で、何も考えなくても機器がつながり、すぐにQHY5III178で撮像できた。

ただし、天体導入の機能がないのでなんらか別のアプリで導入をしなければならないし、PlateSolvingもできない。そして画像はラズパイ本体に保存されてしまうので、ネットワーク経由でダウンロードしなければならず、実用には程遠かった。

しかし、この子はいずれASI AIR のように大きくなる可能性は秘めてると思う。

Astroberry-J ver2の登場

ほぼ同じ時期の3月にT-Studioさんが配布されているAstroberry-J ver2を試してみることにした。T-Studioさんが事前にデバイスの設定を済ませてくれているおかげだと思うんだが、その日のうちにASI385で画像が撮影できている。StellarMate OSに苦労させられてきただけに、私には衝撃だったよ。

アプリ版のStellarMate OSと違って、撮影した画像は、操作をしているWindowsクライアントにアップロードするのではなく、ラズパイに挿したSDカードに保存をするという方法を採用した。これで画像の転送を速度を気にしなくてよくなったってのは大きい。

端末の操作もNoMachineやRDPで接続することで、無理にスマホやタブレットで操作しなくてもよく、星図からの導入もできるというスグレモノ。

T-Studioさんが一生懸命に不良学生を指導してくれたおかげなんだけれど、AStroberry-Jがなかったら、自前のリモート撮影環境の構築を諦めてたかもしれないよ。

赤道儀化とあんこ玉

AZ-GTiを赤道儀化したのは、これまた同じ3月。赤道儀化にともなって、オヤジさんが紹介されていた「あんこ玉」(写真下:スカイウォッチャー Wifi アダプター)を購入した。AZ-GTiをラズパイにつなぐために必要なアイテム。

きっかけは忘れたけれど、赤道儀化もあんこ玉も、Astroberry-Jで画像が撮影できたからこそ、架台の制御へと進めたわけで、Astroberry-Jの功績は大きいのだ。

画像が撮れて、架台が制御できるということは、星図から天体を導入できるということだし、PlateSolvingもできるということ。これで一気に懸案が解決へと進んだ。

ようやく撮影に成功した

こういう紆余曲折を経て、本日、ようやく一連の操作ができたわけなんだ。どちらにしても、赤道儀モードにしたら、すぐに撮影できた。KStarsの星図で天体を指定してGOTO。天体を導入したところでPlate Solving。露出時間と保存場所を指定して撮影。SDカードを取り出して現像。まったく普通に使える。ラズパイ本体がモバイルバッテリー(5V/2.4A)で動くのもGOODだよね(今回、赤道儀にはACで給電した)。

証拠写真としてバラ星雲のある領域を撮影したよ。見覚えのある星の並びだ(3秒10枚なので星雲は写ってない)。いずれHαで真面目に撮るつもり。シャフトがいるな。

一連の長い作業のおかげでKStars, Ekos, INDIの仕組みが理解でき始めたので、StellarMate OSでも撮影できるようにしたいな。でも、Astroberry-Jのほうが、かゆいところに手が届くディストリビューションだと思うのでおすすめ。StellarMate OSは、スマホやタブレットからの操作性に期待している。ASI AIR キラーになるかどうかが見どころなのだ。

今後の課題

経緯台モードでの稼働

課題は、大きく2つあるよ。まずは、経緯台モードでの動作。経緯台がいいなと思うのは極軸をとらなくて済むからなんだが、現状うまくいってない。

天体を導入するときAZ-GTiが明後日の方角を向いてしまうし、AZ-GTiが指し示している方角とEkosが指し示している方角が違う。オヤジさんにアドバイスをいただいた架台設定の空欄に適当な数字を入れる魔術も効かなかった。

極軸合わせ

うまく行っている赤道儀モードで動作させるためには極軸をとらないといけないんだが、うちのベランダから北極星が見えない。これを乗り切るのに妙案がないか悩んでる。

ほかにもガイド撮影をやらないとだな。これはある程度まで極軸がとれないとまたPHD2さんに怒られるはめになりそう。

みなさん、ありがとう!

どちらにしても、よかった。これだけみんなが応援してくれてるのに、うまくいかなかったらどうしようと申し訳ない気持ちだったけど、肩の荷が降りました。T-Studioさん、オヤジさん(QHY5IIの御恩忘れません)、ほかのみなさんもたくさんアドバイスや応援をいただいてありがとうございました!

この記事へのコメント

  1. おめでとうございます。
    ラズパイ+AstroberryーJv2でサクサク動きますよね。
    撮影枚数が多いニワトリでは、マイクロSDカードが壊れる恐れがあるので、普通のUbuntu(今はlubuntu)でミニPC(16GB、ssd256GB)でやってます。
    >架台設定の空欄に適当な数字を入れる
    そうでしたか。(^^;)

    オヤジの場合、田舎なのに、WiFiが凄い沢山電波が出ていて、ほとんど使い物にならず。
    そんな時、これを見つけました。
    AZーGTiで経緯台、あんこ玉で上手く行きました。(笑)

    • オヤジさん、ありがとうございます。オヤジさんのブログをなんども読ませていただきましたよ。あんこ玉おいしいですね。ネットワークまわりも素人なので、深入りするとまた沈んでしまいそうです(汗)

  2. おめでとうございます。
    事前の設定の仕方と操作の流れがつかめればもう大丈夫ですよ。

    経緯台モードはSkyWatcherーALTAZドライバでご使用ください。

    慣れてきたら今度はこの環境の速度や安定感に驚きますよ。

    • T-Studioさん、ありがとうございます!おかげさまでなんとか動かせるようになりました。導入と撮影が思い通りですね。こんなに快適だとは想像していませんでした。

      経緯台モードではおっしゃるとおり、Alt-Azドライバを指定しているのですが、思ったように動きません。AZ-GTiをうまく使えていないだけなんだと思います。時間をかけて、試行錯誤してみます!

      • AZ-GTiはハンドルコントローラないので最初からGOTOしちゃだめですよ。
        最初の数回はEkosのマウントコントローラーで適当な向きに移動してSolverしてください。Solverの際ラジオボタンはSyncにチェックしてください。その場所がアライメントポイントになります。

        • T-Studioさん、ありがとうございます。そういうことなのですか。試してみます。きょうは雲が出てきました

  3. にゃあさん、INDIベースは安定しているので観望・撮影に専念できます。T-Stdioさんの AstroberryーJv2 は Localで Plate Solver を利用できサクサク動作しますので使い易いです。VIが苦手な私もすべての環境が INDI ベースになってしまいました \(^o^)/

    • タックさんがMacのデスクトップで操作してらっしゃるのを見て指をくわえていました。私も機材ごとにラズパイが増えそうです。いまはタックさんと同じで、APTかINDIかを考えています。INDIに移行する気持ちがよく分かります!

  4. 👍

    • 絵文字が出るんですね。知らなかったです 🙂

  5. ラズパイで、WiFiを使う方、どうして金属ケースを使うのですかね。
    至近距離ならOKかもですが、オヤジのテストでは5mではカスカスで、Xrdpも途切れ途切れでした。
    そんなバカな!で、思ったのは、金属ケースはダメジャネ!でした。
    今は、プラのケースを使ってますが、10m離れてもアンテナ振り切れでした。
    にゃあさんも金属ケースを使ってますよね。
    近ければ、RDPでも問題無しなんですかね。
    ラズパイは4個買いましたが、途中で気が付き、今、全部、プラケースにしてます。
    あ、5mでもダメと言うのは、直線距離で、障害物は全くない状態でした。
    逆に、プラケースだと、障害物無しで20mでもSSIDが見えてました。
    近い距離で使うので、普通は、悩まない世界なんでしょうね。

    • オヤジさん、アルミは主に放熱対策ですかね。あと、かっこいいというもあると思います。ASI AIR PROもアルミだし大丈夫かと思ってました(そういう人は有線なんですかね)。

      うちの場合だと、ベランダと部屋までは壁やら戸やらをはさんで10mちょっとくらいありますがSSIDは見えています。もちろん、本体に近づくとスピードがあがるのを体感できますが、設定を終えて、部屋で進捗を見るている分にはあまり気にならない速度ですかね。

      ただ、時間帯によって、つながったりつながらなかったりがある印象です。昨晩は途切れたり、つながらなくて難儀しましたが、いま昼間は問題ないですね。WiFiを使う人の数によるんでしょうか?

      それから、AZ-GTiに近づけると途切れ途切れになる感じがしたので(AZ-GTiの下にある三脚のエレベータに巻きつけてた)、三脚の大腿部に巻きつけて使ってます。吊るし柿方式は正解だと思います。

      大して熱をもってないようなので、通信に問題が出てきたらプラケースにしてみますね。ありがとうございます!

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