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北極星が見えないベランダでPHD2を使って極軸合わせする

北極星が見えないベランダで苦労するのが極軸合わせ。APTにはDARVという、北極星以外の星で極軸合わせを支援する機能があるし、PHD2も同様の機能がある。ステラショット2にも支援機能があるみたい。私の場合、これまでも自宅ベランダでドリフト法を使ってはきたけれど、ソフトウエアの支援機能はほぼ使ってこなった。というのも、よく使っていたAP赤道儀はPCから制御できないのでソフトウエアの支援機能が使えず、かつ厳密に極軸を合わせなくても間に合っていたとか、いくつかの理由はあった。が、要はさぼってたんだ。今回はファイナルアンサーになるかな?

先日、新しい微動雲台を手に入れたこともあって、ちょっと真面目に極軸あわせを勉強してみることにした。初期化したばかりの撮影用PCにはPHD2をインストールしたので、PHD2の極軸合わせ支援機能を使う。架台は、PCからの制御が可能なAZ-GTi(赤道儀モード)を使う。カメラはASI385、鏡筒は36EDを選択した。カメラやガイド鏡を変えたら、新しいプロファイルを作る。

架台は水平に置いて。山立てなどでだいたいの北をとっておく。AZ-GTiとPCは無線で接続した。PHD2を立ち上げて、カメラと架台を接続する。キャリブレーションを済ませておく。鏡筒のバランスも忘れずに。以降、具体的な手順は、Deep Sky Memoriesさんのブログが詳しいので必見。

「旋回」ボタンで、望遠鏡がぐるりと回る(デフォではテレスコープ・イーストに移動)のは、AP赤道儀ではできない芸当なので、いまさらながらに感動してしまった。

順序としては、東西方向の調整(赤緯:DEC、赤い線)を行ったあと、高度方向の調整(赤経:RA、青い線)で行う。「ドリフト」ボタンを押して、トレンドラインを確認。「調整」ボタンを押して、微動雲台のノブを回して調整する。それぞれ、この繰り返し。「調整」ボタンを押さないで調整しようとすると、画面が赤くなって警告音が出るので注意。

Deep Sky Memoriesさんの記述のなかで、特に分かりやすかったのは次のトレンドラインに関する説明。


赤緯:DEC、赤い線
傾きが上向きなら極軸の方位を東の向きに調整します
傾きが下向きなら極軸の方位を西の向きに調整します

赤経:RA、青い線
望遠鏡が東を向いている場合、
傾きが上向きなら極軸の高度を下向きに調整します
傾きが下向きなら極軸の高度を上向きに調整します

望遠鏡が西を向いている場合、
傾きが上向きなら極軸の高度を上向きに調整します
傾きが下向きなら極軸の高度を下向きに調整します


私のマンションのベランダは南の空と西の空でドリフト法を行うので、下の段に従えばいいというわけ。すばらしい、ありがとうございます! これはPHD2のノート欄に貼っておきたい。

動かす方向が分かったならば、画面に表示される紫色の円の上に星がくるように調整すればいいのかな?(あんまり自信ない)。もっとも極軸から離れすぎていると、この紫色の円が現れないので、最初にできるだけ正確に北に向けるかが肝心。

トレンドラインは常に動き回っているし、それに合わせてどれくらいネジを回して調整すればいいかとか、そのあたりは慣れが必要。今回は、極軸をあわせるのにキャリブレーションにかかった時間は別として15分くらいだった。おおむね±4″(秒角)以内に収めることができた。上出来じゃないかな。

Polemasterを使えば、ほんの数分で作業は終わるんだが、それでもありがたい。

慣れるのだ、慣れるのだよ!

#PHDのバージョンは2.6.9なのだけれど、マルチスターガイドのチェックボックスが出てこなかった。なんでだろう?

# 例の微動雲台なんだが、特に水平調整のロックねじが緩んでると雲台全体にガタツキがでてくる。調整中もいちいち締めるのが吉のよう。操作感は悪くなかった。

#結局、下の方法が私には一番あっているみたいです

北極星が見えない場所でAPTの極軸合わせ機能DARVを試す
もうね、だいぶ長い時間が経ちましたよ。APTの極軸合わせ機能であるDARV(Drift Alignment by Robert Vice method)を試す、試すと言いながら、数年も経っているんです。もちろん、こんなに時間がかかった理由(...

この記事へのコメント

  1. 階段踊り場は北極星が見えるのでドリフト法は(同じく)サボってましたが、どこかで使う機会もありそうなので
    今度マネしてみようかな?と思いました (^o^) 北に木がある山とかで役に立ちそう。
    (そーゆー場所だと大まかに南を把握できるかどうかが気になるけど)

    • 次はAPTのDARVでもやってみるかとも思ったのですが、望遠鏡の旋回を勝手にやってくれるのはPHDが楽だったです。ガイドするならPHDをどうせ使うので、お好みな気がしました。

  2. PHD2 v2.6.9dev3からだったか。

    でも、確か、dev3では、レ点を入れても外れてしまうバグがあって、v2.6.9dev4で改善したと思います。

  3. >特に分かりやすかったのは次のトレンドラインに関する説明
    こういうのはうれしいよね。
    なにもなしに頭の中で考えると、ゴチャゴチャしてくるもんね。
    don’t think.narerunoda!^^

    • 理屈で考えると真逆の結論を出してしまう、私のようなポンコツ頭には、実践的なアドバイスが一番効きます(笑)習うより慣れろってやつですぜ!

      • >理屈で考えると真逆の結論
        そうなんだよね。
        たぶん文系の頭がそう出来てるんだと思うな。
        大体、ドリフトを使う場合は望遠鏡は北側には向いていない(見えないことが多いはず)。
        その状態で極軸の調整をするんだから、真逆の結論が見えてくるよね。
        ^^;90%以上の確率で・・・

        • マイナスかけるマイナスはプラスだって!? 直感的に理解ができず、以来、数学嫌いです(笑) 
          「そういうもんなんだ」と受け入れるべきなのでしょうけれど、納得のいかんもんは納得いかん!と、頑固なガキだったんです。いまもですが(爆)

  4. PHD2のドリフトアラインメントについて,ちょっと気になったのですが…
    高度調整の場合も赤いトレンドライン(DEC trend line)を見るのではないでしょうか?

    • Zephyrさん、こんにちは。そうなのですか! うまくいったように見えたのはたまたまだったのですね。DECも赤いトレンドラインで合わせてみます。ありがとうございます!

      • 「ドリフトアラインメント-高度調整」ウィンドウを見ると,「…watch the
        Dec trend line」と表示されています.これって,「赤い線」ですよね?
        間違っていたら,ごめんなさい.
        私も「北極星の見えないベランダ」での観測・観望ですので,ドリフトアラインメント依存です.時間かかりますよね…

  5. Zephyrさん、ありがとうございます。具体的にウインドウに示されていたのですね。今度、注意してやってみます。おっしゃるとおり、北極星が見えないとセッティングに時間かかりますね。

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