私の自宅には時折り「4次元のかけら」(三体:死神永生)が降ってくるらしく、ものが突然なくなったり、逆になくなったものが突然現れたりする。これは自然現象であり、決して私の整理・整頓能力がないという話ではないと確信している。
今回、突然に姿を現したのは、cockatooさんに教えてもらったIR 640 PRO アメリカンサイズのフィルターだった。また、同時に姿を消したのは、EOSのCLSクリップフィルターで、なんと本体に装着していたはずの状態から消えていた。本当、この世は不思議で満たされている。
CLSクリップフィルターが消えて意気消沈していたんだが、i*matさんのブログで、3Dプリンタで印刷されたクリップフィルターの写真を目にした。「こ、これは、クリップフィルターを印刷しちゃえばいいんだ!」と直感。Thingiverseでクリップフィルターのデータを探したら、ばっちりのデータが公開されていた。
いや、ばっちり以上で、31.7mmアメリカンサイズのフィルターを装着できるクリップフィルタのデータだった。これさえ印刷すれば、手持ちの数ある31.7mmフィルターが使い回せるじゃないか。インターネットって、なんて素敵なんだろう。
「1.25″ Filter to Clip on for Canon EOS」には、「クリップのメスにフィルターのオスを接続する」タイプと「クリップのオスにフィルターのメスを接続する」タイプの2種類のファイルが収容されている。フィルターの前後を入れ替えることができるわけなんだな。前者は突起がないぶん厚さが薄くなってる。
今回は前者を印刷した。注意しなければならないのは、「積層ピッチを0.1mmにすること」と説明書きにあった。ネジ穴を正確に印刷するためらしい。プリンタが対応しているかどうかは分からんが念のため、0.06mmで印刷することにした。結果としては、きちんと印刷できた。印刷作業中も、いつもより丁寧に印刷しているように見えた。
印刷後は、プラットフォーム側のバリを取らないとカメラに装着できないので、ここはニッパー、ヤスリ、ライターを使って丁寧に処理する。手元にあったUHC-Sフィルターを装着してみたのがこちら。ふふふ。いい感じ。
次に、カメラに装着してみた。かちっと音がしてきれいにはまった。違和感なし。これは、ありそうでなかった製品だよな(ひょっとしてあるのかい?)。31.7mm径のフィルターをそこそこ買い集めてきたので、これは本当に助かる。
フィルターを「4次元のかけら」から降ってきたIR 640 PROに差し替えて、風景を撮ってみる。レンズはF8の400mmミラー。APS機だが、ケラレはないようだ。
これは、本当に応用が広がる。31.7mm径のHαフィルターだって装着できるから、EOSで撮影する限りにおいて、2インチのでっかいHαフィルターを買う必要がなくなる。ディスコンになったお気に入りのLPS-V4も使える。ほとんど使っていないUHC-Sフィルターだって装着可能だ。それから何より、改造機だとどうしても色味が赤に転がってしまうところ、IRカットフィルターを装着すれば普通使いのカメラとして復活する(追記:T2接続のみ可のようです=普通のレンズでは使えないっぽい)。クリップ型のIRカットフィルターって市場に出回ってなくて、あっても馬鹿高かったんだよね。それが1980円で済むわけだ。今年一番の印刷物だ。作者さん、ありがとう。
ぽちっと。
この記事へのコメント
えええええー
これいいですねぇ!
あんな事やそんな事が出来そうで夢が膨らみまくりそう!
いきなり、フィルターワーク自在のカメラに変身しちゃいました。このためだけに、ソニーから足を洗ってキヤノンに転んでもいいんじゃないかと思い始めてますよ(いつも極端)。
同じサイトにニコン用もいくつかありますね。試してみようかな。
いい情報ありがとうございます
ニコンもボディーにフィルタを内蔵できるんですね。これは便利アイテムですよね!
ASI294MC以上は31.7mmフィルター取付リングないので、APSサイズでも行けるとは思いませんでした。Cマウントレンズの後ろにフィルター入れられるリングってできないですかね?
Cマウントレンズ前に置こうとすると、やっぱり径が大きくなっちゃうので。。。
あぴさん、私はASI1600を使っていますが、31.7mmフィルタをつけるためのリングというか円盤?が付属していました。これを使えばMFTでも装着できますよ。
Cマウントに関しては、レンズの前にフィルタを付ける方法と、カメラ内にインプラントする方法を試したことがあります。前者は3Dプリンタが必要ですが、後者はカニ目レンチがあればOKです。
ASI294MCに31.7mmフィルタをつけて、Cマウントで撮影するとなると、ちょっと工夫が必要になりそうですね…
この考えはなかったデス。
私がやってたのは”EOSのクリップフィルターをNEXに取り付けるアダプタ”なんで、逆転の発想ですね!
ドッチにしても参考にして頂けたようで嬉しいです。
私も早速、リンク先のSTL、DLさせてもらいました。
i*matさん、ありがとうございました! 私も、この考えはなかったです。あってもクリップを作図できなかった気がします。世の中、いろんな考え方をする人がいて広いですね!
3Dプリンターを持っている人に限るけど、これはかなり有益な情報だと思う。
◎◎;ナッ ナント
クリップにフィルターを付けて使うって、知ってしまえば簡単な発想だけど、なかなか思いつかないよね。
文中にもあるけど製品としてあるのかね?
レンズとの干渉がユーザ任せになるから、市販製品として難しいというのはあるかもね。
それにしても、めっちゃ感動。^^b
ざっとネットを漁ってみましたが、商品は見つからなかったです。フィルターを販売しているSVBONYさんが販売してくれるといいなぁと思いますが、SVBONYさんも最近は高級路線を模索しているので、期待薄ですかね。逆にケンコーとかミツミとか日本企業が出してくるとびっくりですが。
おいらも漁ってみたけど、見当たらないよね。
それにしても、31.7mm径のフィルター径って、APSCのイメージサークルにちょうど良すぎ。
偶然か?それとも意識し合ってそうなったのか?^^That’s a question.
是空さん、配布されているファイルに2種類あるというのは本文に書いたとおりなんですが、作者のメッセージを読み込んでみると、たぶん、最初にクリップのオスを作ったんだけれど、ケラレがあったんで、薄いメスを作ったんじゃないかと推測しています。フルサイズだとどれくらいまでいけるのでしょうね。興味あります!