けむけむ編集長に「あ、例の望遠鏡の連載ね、10回は頼むよ」と言われたので、がんばる。「例の望遠鏡」というのは、「ニュートン式の副鏡いらなくね?」の記事で紹介した、斜鏡(副鏡)のないニュートン式反射望遠鏡のこと。その望遠鏡の製作記を10回の連載にすれという司令が出たというわけなんだ。すでにいろいろ考え始めていて、一部試作も始めているんだけど、構想そのものは紹介していないので、まずは綿密に準備された計画の全容を見てほしい。
ニュートン式の副鏡に対する疑問
そもそもの話をカンタンに言うと、ニュートン式反射望遠鏡を撮影用途で使う場合、横から覗き込む必要なんてないんだから「なんでわざわざ斜鏡をつけて構造を複雑にするんだっけ?」とか、「副鏡を取り去ってしまったほうがコストも安そうじゃない?」という問題意識がある。だから、ニュートン式反射望遠鏡から斜鏡(副鏡)を取り除くのが、今回のプロジェクトの起点なんだ。
シュミカセのプライムフォーカス
斜鏡のない反射望遠鏡といえば、シュミット・カセグレン式望遠鏡(シュミカセ)の副鏡の位置にカメラを取り付けた「プライムフォーカス」があるよね。これから作ろうとしている望遠鏡に似ているといえば、似ているけれど、それでもシュミカセには、収差を取り除くための「シュミット補正板」と呼ばれるレンズが付いているし、主鏡にはドーナツのような穴が開いているところが大きく違う。私は、この補正板の役割を知らずに、ただのホコリ対策用のガラスだと思ってた。取り去らなくてよかったよ。
その望遠鏡をなんと呼べばいいのか
私の無知はともかく、その「シュミット補正板」をとってしまえば、(ドーナツ状の主鏡は別として)作りたい望遠鏡のタイプに限りなく近づく。雰囲気としては、eVscopeに近い。というか、たぶん、eVscopeが私の求めている望遠鏡の形だと思うんだけれど、それを何式望遠鏡と呼ぶのかが分からないし、構造も私が求めているものなのかはっきり分からないというのが残念なのだ。
なので、ここでは、プライムフォーカス化したニュートン式反射望遠鏡のことを、便宜的に「プライム・ニュートン(仮)」と呼ぶことにするよ。別にこの呼び方にこだわりがあるわけではないので、正式な呼び名が分かったら、それに従うよ。AstroNier社の製品名としては使うかもしれないけれど。
フォーカス機構とチルト機構
「プライム・ニュートン(仮)」を作るにあたって、考えなきゃいけないことは、フォーカス機構、チルト機構、スパイダーの構造、鏡筒の形状とかだな。面倒なのは、ピント合わせをするフォーカス機構と光軸を合わせるチルト機構の位置なんだ。
【フォーカス機構】ニュートン式反射望遠鏡の場合、フォーカス機構は接眼部にある。シュミカセの場合、フォーカス機構は主鏡にある。プライム・ニュートンの場合は、接眼部と主鏡のどちらにフォーカス機構をつけるのが正解か?
【チルト機構】ニュートン式反射望遠鏡の場合、チルト機構は主鏡と副鏡の両方にある。シュミカセの場合、チルト機構は接眼部にある。プライム・ニュートンの場合は、主鏡と接眼部のどちらにチルト機構をつけるのが正解か?
ニュートンとシュミカセを足して2で割ったような望遠鏡なので、こんな課題が浮かんでくるんだな。なかなか深いぞ。
こんな望遠鏡が作りたい
しかし、そういった課題に、合理的な思考で挑めるにゃあさんではない。こんなのが作りたいの。こんなの(笑)
この絵は、上から見た図ですか? 横からですか? あ、横ですか 鏡筒は円柱ですか? 六角柱ですか? えっ、どちらでもない? 立面図を作れとは言いいませんが、せめて寸法入れてほしいんですが…… それから、えっと、クマだか犬だかの絵は必要ですか? あ、いる? あ、そうですか。
こんな落書きで望遠鏡を作ってくれるエンジニアさんがいたならば、あいさつしてハグしたい(笑)この落書きが私の計画のすべてなのだ。
いいんだ。私の頭の中にはイメージが浮かんでいるんだ。
この記事へのコメント
フォーカスとチルトをどうするんだろう?と思ってた。
^^タブン ドクシャゼンインガ オナジキモチダト
ただ、今回の記事で疑問の一つが解決した。
鏡筒をどうするかということ。
金属棒で作るみたいだね。おいらも同じことを考えてたよ。
東京で使う場合、サイドからの光の乱入が心配だけど、必要に応じて紙か何かで覆うことも簡単そうだもんね。
^^v
フォーカスとチルトの2つの大きな課題をどうする?^^フォーカスノブ
是空さんは、この製図が読める人なんですね! 安い素材で作ってみますよ。おっしゃるとおり、光の乱入は別に考えます ウーン。
フォーカス部のくるくるパーツをいま印刷中です。懸案もあって、うまくいくかどうか不安なところです。
おいらはこの製図が読める人なんですよ。^^v←ハッタリ
この図面から、くまさんが回してるフォーカスノブからキコキコと音が聞こえてきたよ。
^^キコキコッテ・・・
この図面から音が聞こえてきたのなら、間違いなくこの図面が読める人ですよ! ひんやりもしてますよね!(笑)
イラストのクマが可愛いので、いけますよ、にゃあさん
次号もこの調子でたのんます
あ、編集長、ありがとうございます! 前みたいに原稿料忘れないでくださいね。
いよいよ始まりましたね!
イントロは滑らかに・・・進むにつれて にゃあさんらしい紆余曲折を期待してます!
> その望遠鏡をなんと呼べばいいのか
Nier式で良いんじゃない?
ニュートンもシュミットも作った人の名前だし。
期待にたがわず、盛大に転けそうな悪寒がします。でも、うまくいけば、もっと大きな鏡で作ってみたいなぁと思ったりもしています。
>Nier式で良いんじゃない?
ありがとうございます!。じゃあ、ニャートン式で(笑)
ケーブルなどの接続方法が気になります(笑、最近組み直したばかりなので)
カメラが今回のものに決定であれば必要なもの(ファインダーなども)全て鏡筒内に配置して接続したままにできれば電源ケーブル1本で準備できますね。
くま癒やされます。。。(にゃあさんでしょうか(くまだったの?))
T-Studioさんに教えていただいたカメラでぜひやってみたいです。配線もイメージが湧いてきました(実物は手元にないですけど)。ただ、口径67センチの鏡筒だと、おしまいが難しそうです。
くまさんは、お友だちです!